2012年9月7日(金)
――キャラクターデザインに清原紘さんを起用した理由を教えてください。
『流行り神』のテイストとは別に、今作はアニメ寄りといいますかセル塗りみたいな方向にしたいと思っていました。そんな時、清原さんが描く『万能鑑定士Q』(松岡圭祐著/角川書店刊)の表紙イラストを拝見して、「この人にお願いしよう」と決めました。すぐにご連絡しまして、「東京にお住まいであれば、すぐに行きます!」と言ったら、「名古屋です」って(笑)。「では、明日にでも行きます」という流れで、お仕事を依頼させていただきました。
――そうだったんですね。実は清原さんが名古屋出身というのも、起用した理由の1つなのかなと思っていました。
名古屋は後付けだったんです。「同じ東海圏のクリエイターとして、メ~テレと日本一ソフトウェアと清原さんで」と言っていますけど、実は後付けでした(笑)。
――なるほど(笑)。主要キャラクターのデザインや性格付けの際、意識したポイントや工夫した部分はありますか?
レギュラーメンバーを何人か配置する中でそれぞれの特徴を付けたくて、主人公の“柚原遼”に関しては熱い感じの主人公色が出るようなキャラクターにしました。『流行り神』は“ユーザー=主人公”だったので、風海純也はあまり色のないキャラクターでしたが、遼は明るい好奇心旺盛な感じのキャラクターになりました。
“鷲見衛”は、バディ――主人公の相棒となる立ち位置の人物ですね。遼がああいう感じなので、年上で力強く守ってくれるような男性にしました。そっけない雰囲気を持ちながらもふと背後にいてくれたり、言葉が少ないのに面倒見がよかったり、そんなギャップが魅力のキャラクターを目指しました。彼は、女性に人気が出てくれるとうれしいですね。
柚原遼 | 鷲見衛 | |
▲TV局に採用されたばかりの新人AD。当初は通常ニュース全般を扱う“報道部”に所属していたが、ある取材をきっかけに“特殊報道部”に転属となった。 | ▲口数が少なく、ミステリアスな雰囲気をまとった特殊報道部のもう1人のAD。取材時など、何かと遼と一緒に動くことになる。 |
“度会楓”と“棚橋彩”の女性陣2人は、ポジションとしていわゆるヒロイン的な立ち位置として物語の中に組み込みました。楓は、普通の女子高生だけど“何か違うもの”を持っているキャラクターです。彩は、年上のヒロインと言いますかお姉さん的なポジションのキャラクターを目指しました。ただ、他のキャラクターとの会話などで、ちょっとお姉さん色を出しすぎな感じになってしまいましたね。ストーリーが進んでいく中で、確固たるお姉さんポジションを確立してしまいました(笑)。
度会楓 | 棚橋彩 | |
▲とある取材をきっかけに“特殊報道部”のメンバーと出会い、アルバイトをしている高校生。普段は控えめだが芯は強く、大人びた口調で話す。タイムキーパーや取材の下調べなど、こまごまとよく働く。 | ▲“特殊報道部”所属のディレクター。行動力・決断力・情報収集能力など各種スキルが高く、バリバリと仕事をこなす。遼にとっては頼れる(?)先輩。 |
基本は、遼、衛、楓、彩がすべての物語を進めていくキャラクターです。この4人の次のポジションにいるのが、アナウンサーの“村瀬知華”と、プロデューサーの“佐曽利昭雄”ですね。知華は、TV局なんだからアナウンサーが欲しいよね、ということで生まれました。花形でルーキー、さらにボケと色気を担当してくれる有能なアナウンサーです。
ただ私とディレクターは男性なので、男性視点のキャラクター作りをしていった中で、このキャラは結構不安でした。今回のゲームは男性だけでなく女性にも遊んでもらいたいと考えていたのですが、知華のようなキャラは女性から嫌がられるんじゃないかと。でも社内の女性陣に聞いてみたところ、意外と好評だったんです。女性は、絵だけでなくどんな性格かで最終的にそのキャラクターを好きかどうかを決める、と言われて「なるほど」と納得しました。
“佐曽利昭雄”は、おっさんです(笑)。最初はもっとペテン師みたいな、ひょろっとしたどこかのエセ音楽プロデューサーのようなキャラクターを提案していたんです。ところが、ダンディーでヤクザっぽい感じのラフ案が上がってきた時、女性陣のウケが非常によくて、最終的にこの風貌で変な口調のおもしろいキャラクターになってしまいました(笑)。
村瀬知華 | 佐曽利昭雄 | |
▲尾張テレビに勤めるアナウンサー。華のあるルックスから多数の番組に抜擢され、局の顔として活躍している。タレントとしても通用しそうな容姿(とくに豊かな胸)は、全国区でも話題になるほど。 | ▲特殊報道部の責任者にして、『トクホウ』のプロデューサー。うさんくさげな風体、調子のいいもの言い、のらりくらりとした態度が特徴のオジサン。 |
――声優のキャストは、どのように決められたのでしょうか?
今回、サウンド面はブロッコリーさんにほぼ担当していただきました。声優さんの選定からBGMの制作まで、ブロッコリーさんの力をお借りしています。私としては、演技力重視と言いますか、声優さんのパワーでキャラクターに命が吹き込まれるところもありますので、実力のある方々をお願いしたいと希望をお伝えしました。
――収録の際、印象的だった声優さんはいらっしゃいますか?
基本的に、どのキャラクターもすべてイメージ通りでした。最初から心配はしていなかったんですが、実際に音声を合わせていただいたら、それはもう皆さんピッタリで。本当に頭が下がる思いです。中でも沢城みゆきさん(棚橋彩 役)と藤原啓治さん(佐曽利昭雄 役)は、聞いた時に「おおっ!」って思いましたね。沢城さんはさすがの演技力でしたし、藤原さんは「こういうキャラクターになったんだ、はまってるなぁ」と。
――BGM制作をElements Garden(エレメンツガーデン)が担当していますが、音楽面での注目点を教えてください。
元々、弊社が開発を担当させていただいた『うたの☆プリンスさまっ♪』の音楽を担当していただいたので、エレメンツガーデンさんの作る音楽が非常にいいものであることはわかっていたんです。でも本当に期待以上の曲をいただきまして、納品されるたびに「あー、いいなぁ」と感嘆の連続でした。プロモーションムービーに入っている番組のイントロは、いろいろと意見を言わせてもらって作っていただいたんですが、とてもいい曲に仕上げていただきました。番組が始まるたびに、「ああ、あの曲を聴けるのかぁ」とうれしくなります。耳に残る印象的な曲がたくさんできたのではないかと思っています。
――作中に『うたの☆プリンスさまっ♪』のキャラクターなどが登場しますが、コラボレーションをすることになった経緯は?
女性のユーザーにも遊んでもらいたかったので、ブロッコリーさんに「何か一緒におもしろいことをできないか」と相談させていただいたんです。それでアドベンチャーゲームが好きな女性に、どう認知してもらって、どう伝えていって、どう楽しんでもらうかを考えた結果、『うたの☆プリンスさまっ♪』とコラボレーションをしてみようということになりました。
――簗瀬プロデューサーのお気に入りのキャラクターは誰ですか?
お気に入りは、楓ですね。登場したばかりの時は、クールと言いますか他人と距離を置いているんですが、そんな子が特殊報道部に入って少しずつ変わっていく様子をぜひ見ていただきたいです。一緒に仕事をして、いろいろなことを体験するにつれて、いろいろな表情を見せてくれるようになります。「こんな子だったんだ」とビックリすることがたくさん飛び出すとても興味深いキャラクターですので、見ていておもしろいと思います。
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