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2012年9月22日(土)

サッカーゲームとしてのおもしろさに立ち返った『FIFA13』――開発の中心に携わる牧田・山下両氏に聞く

文:電撃オンライン

■気になるゲームモードに進化について

――自分のクラブを作成できるモード“ULTIMATE TEAM”の進化した部分についてお聞かせください。

牧田:もっとも大きな変更点は、自分が何をしたらいいのかが、これまで以上に分かりやすくなったという点です。はじめてこのモードをプレイする方のために、チュートリアルも用意しています。

 チュートリアルでは、最初に6人の選手から1人を選びます。例えば、メッシ選手を選ぶとFCバルセロナの選手たちが登場し、フォーメーションのなかの1枠だけ空いているという状態になります。そこで、その部分に選手を入れてくださいといったような指示が入るわけです。オークションでの選手購入や、ケミストリーの説明、そして実際に試合を行い、試合後には自分のチームを作る。このような流れで、ゲームを遊びながら流れを覚えてもらえるようなシステムを導入しました。

 今までプレイしていなかった方も入りやすいですし、おもしろさもわかっていただけるかと思います。あとはオンラインの10ディビジョン制を導入したので、ディビジョンを上げていくという楽しみ方もできますよ。

――今回“ULTIMATE TEAM”で使用可能なアイテムは増えていますか?

牧田:もちろん必要に応じて追加していますが、基本的な種類は一緒ですね。今回の大きな新要素ですと、iPhoneアプリでオークションを楽しめるようになったという点でしょうか。電車でもバスでもどこでもオークションで選手を買ったりできるという要素を今回追加しました。iPhoneアプリの提供は英語版のみとなりますが、内容自体はそんなに難しくないので使いやすいと思います。

――キャリアモードにインターナショナルが加わった経緯を聞かせてください。

牧田:これは、ユーザーさんからもっとも多かったリクエストなのです。まずインターナショナルでは、代表戦が1つの目標になりますよね。監督であれば代表監督になるという目標もありますし、選手をプレイしている場合は、代表として招集される可能性もある。代表戦は、シーズンを通してどれだけ成長できたかという1つのバロメーターにもなるのでそういう意味で導入しています。

――“Skill Games”はどういった経緯で実装されたのですか?

山下:1つはインパクト・エンジンという物理エンジンをゲームの中に入れることができた、というのが大きいです。たとえばコーンや缶といったオブジェクトをゲームの中に置き、それに対してボールを当てたりできるなら、おもしろさが増すんじゃあないかな、と。Skill Gamesの狙いの1つに、楽しみながらゲームの仕組みを分かってほしいというものがあります。『12』でもチュートリアルを入れましたが、固いイメージが出てしまったので、もっと楽しみやすいゲームの1つとして、遊びながら覚えてもらおうと。

――最初から好きなメニューを選択できるのですか?

山下:はい。メニュー画面から選ぶことができます。全32種類なので、8カテゴリーのなかから4段階ずつですね。1つずつレベルをクリアしながらアンロックしていく感じです。

――パッケージに長谷部誠選手(日本代表・VfLヴォルフスブルク所属)、本田圭佑選手(日本代表・CSKAモスクワ所属)、メッシ選手を起用された理由は?

▲長谷部選手

牧田:メッシ選手は『FIFAストリート』から起用させていただいていますし、世界のトッププレイヤーということで、我々もぜひお願いしたかった、というのがあります。あとは彼の求めるサッカーと、私たちが向かっているサッカーが似ているということもありますね。

▲メッシ選手▲本田選手

 本田選手については、去年からお付き合いさせていただいているので、その流れで日本のトップ選手ということで契約させていただいています。また、長谷部選手も海外で活躍されていますし、ファンも非常に多いですよね。本なども出版されていますし、親しみの持てるプレイヤーじゃないですか。そういう意味では『FIFA』を日本でわかっていただくには、ぜひお願いしたいなと思っていた選手なので、了解していただけてよかったです。

――山下さんは9年間もの間『FIFA』シリーズに携わってきたとのことですが、ここまでのビッグタイトルとなった感想をお聞かせください。

山下:僕がシリーズにかかわり始めたのは、PS3とXbox 360で新しくエンジンを作り始めたときでした。「究極のサッカーゲームを作りたい!」と、世界中から集まったサッカーファンやゲームファンとアイデアを出しあいました。11対11もそうですし、ゲームプレイのバラエティについてもそうです。そうした中で、作りたかったものや、やりたかったことができてきて、それがユーザーさんに届いていく。『FIFA』のよさをだんだんわかってくれるようになったというのが、とてもうれしいです。日本でももう少しわかってほしい(笑)。

――お2人の好きなチームを教えていただけますか。

牧田:チームですか(笑)。僕はアーセナルですね。アーセン・ヴェンゲル監督の考え方が好きなんです。ビッグプレーヤーをどこかから獲得してスタメンにし、それでサッカーをすればいい、という考え方ではないじゃないですか。いかに選手を育てるか、いかに選手のコンビネーションでサッカーをシステム化して勝っていくか、という指向がとても好きですね。それがいちばん大きな理由です。

山下:僕はインテルが好きです。ただ、そんなに立派な理由がないので(笑)。昔、サン・シーロに試合を見に行って、それがインテルの試合だったのですが、すごく感銘を受けましたね。

――現在注目している選手はいますか?

牧田:宮市亮選手(日本代表・ウィガンアスレティックFCを所属)に注目しています。アーセナルに早く戻ってきてほしいなと。活躍してほしいと強く思っています。まだ若いですし、これからですが。

山下:僕は本田圭佑選手。すごく好きな選手なので。ロシアリーグ行ってからなかなか移籍できていませんが、もっともっと活躍して、もっとすごい選手になってほしいですね。香川真司選手(日本代表・マンチェスターユナイテッド所属)がプレミアに移籍して注目を浴びているので、本田選手もこれからかな、と。

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