2012年9月23日(日)

新しい『シムシティ』のマルチプレイって何をするの? リード・プロデューサーに直接聞く街と街がつながるメリット

文:電撃オンライン

 エレクトロニック・アーツが2013年3月に、PC/Mac向けで発売を予定している『シムシティ』。東京ゲームショウ2012の開催に合わせて行われた、同作のリード・プロデューサー、キップ・カトサレリス氏へのインタビューの模様をお届けしよう。

 現在は開発が最終段階に差しかかっており、カトサレリス氏はスケジュールの都合で残念ながら来日できなかったとのことで、今回はビデオチャットによるインタビューとなった。

『シムシティ』

■名作SLGが10年ぶりの復活となる新生『シムシティ』とは? 

 インタビューに入る前にまず、今回の新生『シムシティ』を簡単にご紹介しよう。

 都市建設SLGの代名詞的作品として、日本でもゲームファンなら知らない人はいないぐらいの超有名タイトルだが、今作は前作『シムシティ4』から、なんと10年ぶりの復活となる。そのため、過去のシリーズからすべてを見直し、大きく進化したことを表すためにあえてナンバリングを捨て、シンプルに『シムシティ』と銘打たれている。

『シムシティ』

 本作は独自に開発されたゲームエンジン“GlassBox”を使用して、画面上に登場するありとあらゆる事象がすべて、相互に影響し合うものとしてシミュレーションされている。

 さらに、これまでにない大きな変化として、オンラインを通じたマルチプレイが可能になっている。複数のプレイヤーが同一地域に街を建設することで、それぞれの街が互いに影響し合うことになるわけだ。2つの街の間で商業取引が盛んになって、互いに発展し合うこともあれば、1つの街が引き起こした環境汚染によって、その周囲にある街が迷惑するといったこともあるという。

『シムシティ』

 それでは、本作のより詳細な内容について、『シムシティ』『ザ・シムズ』などを開発してきたマクシス・スタジオで、新生『シムシティ』のリード・プロデューサーを務めるキップ・カトサレリス氏に直接聞いてみよう。

■複数の街が互いに影響し合う様子を、1人でも多人数でも楽しめる!

『シムシティ』
▲リード・プロデューサーのキップ・カトサレリス氏。

──本作で導入されるマルチプレイは、これまでの『シムシティ』にはない大きな変化となりますが、プレイヤーとしてはマルチプレイで遊ぶことによって、いったいどんなメリットがあるのでしょうか?

 単純に、複数のプレイヤーで街を同時に建設していくほうが、1人で街を作っていくよりも、ゲームの進行するペースが早くなります。その結果、例えば、国際空港を建設するといった大規模なプロジェクトが、より早い時期に実行可能になります。

 またこのゲームには、“どの街の人口が一番多いか”、“どの街が一番お金を稼いでいるか”、“どの街が一番公害が少ないか”といった具合に、さまざまな指標が用意されていて、プレイヤー同士が協力することで、それらの指標に到達することがより簡単になります。

 そして何より、フレンドと一緒に街作りをすることで、自分のプレイに対して相手はどう反応するだろう、といったソーシャルな体験が可能になりますから、それ自体が大きな楽しみになると思います。

『シムシティ』

──マルチプレイに参加可能な人数は?

 今はまだゲームを開発している途中なので、どういった人数でプレイするのがベストなのか、いろいろとテストしている段階です。最終的に3人以上になるとは思いますが(笑)。まだ正確な人数はわからないですね。

──マルチプレイは大きな変化だと思いますが、その一方で1人で遊ぶ際には、どのような形でプレイすることになるのでしょうか?

 1人で自分の街を黙々と作り上げたい人もいるでしょうし、大勢でワイワイと遊びたい人もいるだろうといった具合に、さまざまなプレイスタイルで遊びたいという希望は、十分に理解しています。そのため本作では、いろいろなオプションを用意しています。

 1人でプレイしたい場合には、複数の街を自分だけで次々と作り上げて、すべてを自分で管理すればいいわけです。その一方で、自分がプレイ中の地域にフレンドを招待して、新たな街を作ってもらうこともできます。その反対に、他の人が遊んでいる地域に出かけていって、そこでプレイを始めることも可能です。

──自分がプレイしていない間に、他の人がプレイを進めている場合には、いったいどのような状態になっているのでしょうか?

 作り上げた街を管理しているプレイヤーがプレイしていない間は、新しい建物が勝手に建設されることはないですし、災害で勝手に壊滅することもありません。そのようなことは起きないようになっているので、そこは安心してください。

 とはいえ、遊んでいた時に建設した結果で起こる影響に関しては、プレイしていない間もシミュレーションされています。プレイしていない街に他の街へとつながる発電所があれば、そこから電力が供給され続けますし、街の住人であるシムたちが他の街へ働きに出て、また戻ってくるという日々の生活も繰り返されています。マルチプレイといっても非同期的なものですので、片方がプレイしていなくても、特に問題はありませんよ。

→ミクロとマクロのシミュレートで人と街は動く(2ページ目)

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データ

▼『シムシティ』
■メーカー:エレクトロニック・アーツ
■対応機種:PC(対応OS:Windows XP/Vista/7)
■ジャンル:SLG
■発売日:2013年
■価格:オープン

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