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2012年11月9日(金)

世はまさに“植民時代”──歴史を知れば『アサシン クリードIII』がより楽しめる! 18世紀の北アメリカ大陸ってどんなトコ?

文:イトヤン

 植民地を巡る争いが絶えない時代背景の中、北アメリカ大陸の大西洋に面した東海岸ではイギリスの植民地が広がっていきます。この地域には当初、オランダの植民地もありましたが、ヨーロッパでの戦争の結果、イギリスの植民地となりました。この地域は現在のニューヨーク州となっています。

『アサシン クリードIII』

 イギリスから北アメリカの植民地にやってきたのは、イギリス国内での宗教的対立による迫害を逃れてきた人々や、失業や貧困のために新天地へと希望を求めてきた人々でした。母国に帰ることのできない事情を抱え、新大陸で生きるしかない彼らの働きによって、イギリスの植民地は急速に発展していきます。

 その一方で、現在のカナダ東部にあたる東海岸の北端には、ケベックを中心とするフランスの植民地が建設されました。このフランスの植民地は、すぐ南にあるイギリスの植民地と、たびたび衝突を繰り返すようになります。

 ケベックから、さらに内陸にある五大湖地方(ナイアガラの滝があるあたり)へと進出していったフランス人は、五大湖から南へと流れる大河・ミシシッピ川を探検して、この川が北米大陸を縦断して、メキシコ湾に流れ込んでいることを発見します。そしてミシシッピ川流域の広大な地域を、フランス国王ルイ14世にちなんで“ルイジアナ”と名付けて、フランスの植民地としました。

 中でも、メキシコ湾岸のミシシッピ河口に建設されたニューオーリンズを中心とするアメリカ中南部は、アフリカからの黒人奴隷を使った大規模農場経営によって大きな発展を遂げていきます。これらの大規模農場を経営する富裕なフランス系植民者は、パリから最新の衣服などを取り寄せて貴族のような生活を送っていました。

『アサシン クリードIII レディ リバティ』
▲『アサシン クリードIII レディ リバティ』の舞台となっているニューオーリンズは、フランスの植民地として誕生し、発展してきた都市だ。そのためこの地には、フランスの文化が色濃く残っている。

 一方、16世紀からカリブ諸島やメキシコをはじめとする中南米に進出していたスペインは、フロリダ半島を中心とする北米大陸東南部のメキシコ湾岸を植民地とします。そこは、フランスのルイジアナ植民地南部と隣接する地域でした。

 こうして18世紀中頃、1750年代の北アメリカ大陸にはイギリス、フランス、スペインの植民地が存在していました。やがてこの3国は北アメリカ大陸の覇権を巡って争うことになるのです。

→英仏による本格的な戦争の始まり(3ページ目)

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