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2012年11月14日(水)

ネタバレ注意! 中世から現代まで続く“アサシン教団”と“テンプル騎士団”の戦い──そして舞台は『アサシン クリードIII』へ

文:イトヤン

“アサシン教団”“テンプル騎士団”の戦いの起源とは? 

 アサシン教団とテンプル騎士団の起源は、遠く人類発祥の時期までさかのぼると考えられています。一説によると、かつてこの2つの組織は人類に対して同じ理想、同じ希望を共有していた時期もあったと言われています。しかし今では、人類が進むべき方向に対して彼らが抱いている思想は、大きく食い違ったものになっています。

 アサシン教団は個人が自由に選択する権利を何よりも尊び、他人を支配しようとする暴政と常に戦ってきました。その戦いの手段として、彼らは人々の中に溶け込み、決して目立つことなく彼らの敵を倒す暗殺者=アサシンとなったのです。“真実はなく、許されぬものなどない”──この言葉が“アサシンの信条(クリード)”として受け継がれてきました。

『アサシン クリードIII』

 一方のテンプル騎士団は、自分たちが人類をより善い方向に導くことができると信じています。そのためには大衆の自由意思にまかせるのではなく、規律と秩序によってコントロールしれなければならないと考えているのです。

 古来より、人知れず戦い続けてきたこの2つの集団は、12世紀になって明確な組織の形を取るようになります。1つはヨーロッパの神殿騎士団、そしてもう1つは、それに対抗する中東の暗殺教団です。

■中世盛期シリアのアサシン“アルタイル”の戦い

 11世紀の終わりから13世紀にかけて、中世ヨーロッパの騎士たちは、聖地エルサレムの奪還を旗印に掲げて、中東のイスラム勢力を繰り返し攻撃しました。この遠征軍は“十字軍”と呼ばれています。

 1129年、騎士修道会としてローマ教皇に承認されたテンプル騎士団は、聖地エルサレムを巡礼するヨーロッパの人々を保護するという名目で中東の地に乗り込みます。しかし、彼らの真の目的は別にありました。エルサレムのソロモン神殿に眠る超古代の遺物“エデンの果実”を確保することです。

 一方、アサシン教団はシリアのマシャフに山岳城砦を築いて、ヨーロッパの騎士たちとイスラム勢力の双方に、その名声と悪名を轟かせていました。

 1191年、マシャフのアサシンを率いる大導師アル・ムアリムは、若きマスターアサシン“アルタイル・イブン・ラ・アハド”に、ソロモン神殿から“エデンの果実”を回収するよう命じます。アルタイルは、その傲慢さゆえに任務に失敗しますが、彼に同行したアサシンが、エデンの果実の秘宝である“エデンの林檎”を持ち帰り、アル・ムアリムに手渡しました。アルタイルはマスターアサシンの地位を失い、名誉挽回のための暗殺任務に赴くことになります。

『アサシン クリード』
▲写真は『アサシン クリード』より。若さゆえの傲慢さが目立ったアルタイルでしたが、大導師アル・ムアリムとの対決といった数々の苦難を経験することで、伝説のアサシンとして語り継がれる大人物になっていきます。

 9名の人々を暗殺したアルタイルは、その過程で驚くべき真実を知ることになります。“エデンの林檎”が持つ“他人を支配する力”に魅入られた大導師アル・ムアリムは、密かにテンプル騎士団に通じていて、自分の邪魔になる人々をアルタイルに暗殺させていたというのです!

 マシャフに戻ったアルタイルは、自分の師である大導師アル・ムアリムと対決し、エデンの林檎の持つ力に苦しめながらも彼を倒しました。

『アサシン クリード』
▲写真は『アサシン クリード』より。マシャフのアサシンたちから尊敬を集めていた大導師アル・ムアリムは、“エデンの林檎”の力が持つ誘惑に負けて、アサシンの信条から反した道に堕落してしまいます。

 マシャフの新たな指導者となったアルタイルは、林檎を巡るアサシンたちの内乱に苦しめられながらも、世界中に広がるアサシンたちのネットワークを築き上げます。そして老人となったアルタイルは、マシャフの地下に秘密の書物庫を建設し、その中に林檎を隠すと、自身もその中で永遠の眠りに就いたのです。

→最強のアサシン、エツィオ・アウディトーレ(3ページ目)

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