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2012年11月28日(水)

前作から確実におもしろくなった! 『アンチェインブレイズ エクシヴ』をプレイした編集&ライターがダンジョンRPGとしての確かな手ごたえを語る

文:キャナ☆メン

 フリューが11月29日に発売するPSP/3DS用RPG『アンチェインブレイズ エクシヴ』。本作の特集企画第3回では、編集&ライターによる座談会をお届けする。

『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』

 『アンチェインブレイズ エクシヴ』は、ダンジョンRPGという硬派な題材に、豪華クリエイターの手掛けるキャラクター性、ストーリー性を盛り込んだタイトルだ。キャラクターデザインには、ヤスダスズヒトさんや天野喜孝さんなど多彩な活躍を見せる15名のクリエイターが集結。さらに『グランディア』や『シャイニング・フォース イクサ』などのシナリオを手掛けた火野峻志さん、『ファイナルファンタジー』シリーズなど多数のゲーム音楽を手掛けてきた植松伸夫さんも、前作『アンチェインブレイズ レクス』に続き、シナリオとテーマ曲をそれぞれ担当している。

 そうそうたる顔ぶれが集う『アンチェインブレイズ エクシヴ』だが、はたしてゲーム内容はどうなのか? 発売前にPSP版をプレイした編集とライターが本音で語り合った。

【座談会参加メンバー紹介】

ごえモン:担当編集。好きなRPGは『グランディア』や『幻想水滸伝II』、『シャドウハーツII』など。“王道=普通、ではない”が持論で、しっかりと“王道”を体言しているRPGが好み。ダンジョンRPGはあまりプレイ経験がない。

キャナ☆メン:担当ライター。好きなRPGは『幻影都市』や『ウィッチャー2』など。世界観やストーリーの濃いRPGが好み。RPGは国産でも海外産でも気になったものをプレイする。

KAZUYA:ライター。好きなRPGは『マイト アンド マジック3』や『ザ エルダースクロールズ V: スカイリム』など。ロールプレイのできるRPGが好み。なのでオープンワールドやダンジョンRPGをプレイすることが多い。

【座談会テーマ】

・『アンチェインブレイズ エクシヴ』をプレイしたうえでの“本音”(1ページ目)
・着実に強くなる喜び+少しずつマップが埋まる喜び=ダンジョンRPGのおもしろさ!?(2ページ目)
・スキルによる育成要素の幅をさらに広げる“フォロワー”とは?(3ページ目)
・キャラクターの個性も千差万別、プレイヤーの好みも千差万別(4ページ目)

■『アンチェインブレイズ エクシヴ』をプレイしたうえでの“本音”

『アンチェインブレイズ エクシヴ』

ごえモン:さて、今回はダンジョンRPGである『アンチェインブレイズ エクシヴ』について語り合おうということで、RPG好きのキャナ☆メンとKAZUYAの2人に来てもらったわけですが、プレイしてどうでした? ……って、キャナ☆メンが真っ赤な目でこっちを睨んでますけど(苦笑)。

キャナ☆メン:……いや、睨んでませんよ。充血ですよ。このゲームがね、想像以上にボリュームがすごいので。1つのダンジョンを攻略するのに数時間かかるうえに、それが2つや3つじゃない……何度も朝日を見ているのに終わらない!

KAZUYA:2つや3つというかその倍以上だろ。しかし、ダンジョンRPGがボリューム多いのはある意味当たり前じゃないか? 派手なムービーや広告で大作感を打ち出すRPGより、実際には長く遊べるというのはダンジョンRPGで珍しくない。

キャナ☆メン:そうなんですが……意外と言ったら失礼なのですけど、本作がちゃんと“ダンジョンRPG”として楽しめたのでびっくりしています。パッケージとかゲーム情報とか、キャラクター性が前面に出ているので、ダンジョンRPGの皮を被ったキャラクター重視のRPGだろうと思ったら逆でしたね。……いや、逆でもないか。きちんとキャラクター性とゲーム性が両立しているというか。

『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』
▲ゲームはオーソドックスなダンジョンRPGがベースだが、随所にアニメーションやイベントCGが盛り込まれている。また、スキルマップや独自の“フォロワー”システムで、キャラクターの育成に幅があるのも特徴。

KAZUYA:俺は別の理由でびっくりしたな。実は前作のPSP版『アンチェインブレイズ レクス』も少しプレイしたんだが、『エクシヴ』は遊びやすさやバランスが全然違う。やっぱり初出の情報なんかに躍らされて、キャラクターと話を入れ替えただけのゲームだろうと思っていたら、確実におもしろくなってるよ

ごえモン:そんなに違うんですか?

KAZUYA:前作はわりと不親切だったところもあってさ。フォロワーのアニマがそろっていないとリンクスキルが使えないのに、フォロワーの入れ替えをする時にキャラクターの獲得したリンクスキルが参照できないとか、素材の採集に必要なアイテムが素材の種類によって違うとか。そういった不親切な部分は改善された。バトルのバランスも『エクシヴ』のほうがいいと思うよ。全体的に、プレイしていてストレスがすごく減ったね。

キャナ☆メン:確かに遊んでいてストレスはほとんど感じなかったですね。あと、1つ1つが長いダンジョン探索も、内部が変化に富んでいて飽きることもなかったですし。1階層目や2階層目のフロアにも後にならないと行けない場所があったり、モンスターの種類が多かったりといったところは、ダンジョン探索のモチベーションを保つ効果があったと思います。

『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』
▲ダンジョン内には罠やスイッチなどのギミックがあり、構造も複雑。ティターンは何らかの生き物の形をしているので、その形に沿ったダンジョンマップができ上がっていくのもおもしろい。

KAZUYA:だな。ところが『レクス』だとダンジョン内で扉を開けるのも妙に遅くてさ。そういう細かい部分でイライラしたからダンジョン探索を楽しむ余裕が減ってた(苦笑)。だけど今回はダンジョン探索に集中できたね。だから、前作をプレイした人が『エクシヴ』をプレイすると、まずは違いに驚くと思う。相変わらず、キャラメイクはできないけど……。

キャナ☆メン:ダンジョンRPGは、まずキャラメイクで数時間遊べる作品も多いですからね(笑)。でも『エクシヴ』の場合、主人公がドラゴン女を口説くシーンが最初にあって、私はそこで一気に世界観とストーリーに引き込まれたから、既存のキャラクターに不満を感じなかったですね。

『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』
▲“攻略すると1つだけ願いが叶う”ダンジョンである“ティターン”がゲームの舞台。登場人物たちはそれぞれ“願い”を抱えていて、その思いが交錯するドラマがストーリーの見どころ。

ごえモン:僕もストーリーやドラマを楽しんだので、キャラメイクをしたいって発想はなかったです。逆にストーリーを楽しもうとする時、プレイする前は「イラストレーターが複数いて世界観が壊れないかな?」と不安に思いましたけど。ただ、最近はそういったゲームが珍しくないこともあって、特に違和感なく受け入れられましたから。

KAZUYA:うーん、そうか……。とはいえ、俺も『エクシヴ』のストーリー自体はおもしろかったと思うよ。それぞれのキャラクターにドラマがありつつ、シリアスとコメディがバランスよく楽しめたし。ただ、ダンジョンRPGならキャラメイクがしたい、という欲があるんだよ、欲が(笑)。

ごえモン:なるほど(笑)。そういえば、ストーリー的には前作の続きではないんですよね? キャラクターがあの時はこうだった、ああだったと話す場面もないし、なんだかストーリー的には1作目をプレイしているような感じなのですが。

KAZUYA:ああ、前作とは世界観が同じだけど時代が違う話だからかな。パーティメンバーや敵の主要キャラクターが一新されているから、前作を知らなくても話について行けないことはまったくないと思う。ただ、世界を統べる女神“クリューネア”みたいに引き続き登場するキャラクターもいるし、パーティメンバーのディアーネが話す“家訓”なんかは、前作を知っていると「ああ、なるほど」って思うところだった。

『アンチェインブレイズ エクシヴ』 『アンチェインブレイズ エクシヴ』
▲ドラゴン族の王女であるディアーネ(左)は、前作の主人公ファング(右)の子孫でもある。「(決して)仲間を見捨てない」という彼女の家訓は、ファングの冒険を思い出させるセリフだ。

→着実に強くなる喜び+少しずつマップが埋まる喜び=ダンジョンRPGのおもしろさ!?

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