2012年12月1日(土)
『シークレットゲーム』最新作『リベリオンズ』がPSPで2013年3月に登場! 中澤工氏&寺月恭一氏の最速インタビューをお届け!!
イエティから、PSP用ソフト『リベリオンズ Secret Game 2nd stage(以下、リベリオンズ)』が2013年3月に発売される。
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本作は、2011年3月にWindows PC用ソフトとして発売された『シークレットゲーム CODE:Revise』のリメイク作。ディレクションに中澤工氏、シナリオにはチーム月島(月島総記氏、日向もやし氏、月島トラ氏)という『ルートダブル -Before Crime * After Days-(以下、ルートダブル)』の制作陣が参加。原作スタッフも全面的に制作に協力しており、最高の環境下で『CODE:Revise』を進化させている。
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移植にともない、シナリオの8割をチーム月島の手により一新。原作には2つのルートが存在したが、『リベリオンズ』では完全新規のルートが追加されている。既存のルートも、1つ目はよりおもしろくブラッシュアップされつつ、結末を変更。原作をプレイ済みであっても息をのむ物語を体験できる。
2つ目のルートに至っては、シナリオをほぼ一新。意外性だらけのまったく予想不可能な展開が繰り広げられる。全体のシナリオボリュームは約2倍にアップされ、新規ルートは予想外の内容と衝撃の結末がユーザーを待ち受けている。
初報となる今回は、原作のプロデューサーを務めた寺月恭一氏と移植のディレクションを手掛ける中澤工氏にインタビュー。気になる移植の経緯や進化のポイントについて伺った。(※インタビュー中は敬称略)
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寺月恭一氏:ゲームブランド・FLATや天然素材の代表兼プロデューサー。作品のプロデュースの他、作詞を手掛けるなどマルチな才能を持つ。
中澤工氏:レジスタ所属のゲームクリエイター。最新作は、巨大な研究所で起きた事故の謎に迫るサスペンスAVG『ルートダブル -Before Crime * After Days-』。
■“制約”という壁を越えた先にでき上がる極上のエンターテイメント
――まずは寺月さんに伺います。そもそも、2006年に発売された同人ゲーム『キラークイーン』はどのような経緯で制作されたのでしょう。
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▲寺月恭一氏 |
寺月恭一(以下、寺月):私自身、AVGが好きなゲームユーザーでしたので、ゲームを作る際には“本当におもしろいAVGを作りたい”という気持ちがあったんです。そこで、シナリオをお願いした健速氏に相談したところ「極限状態を描いたサスペンスものをやりたい」とご提案いただきました。そこが始まりでしたね。
――『キラークイーン』は、元々、商業やコンシューマを意識して作られたものなのでしょうか?
寺月:商業やコンシューマはまったく考えていませんでした(笑)。なので、イエティさんからお話をいただいた時には、本当に驚きましたよ。しかも商業のPC市場ではなく、いきなりコンシューマでしたからね。
――2008年8月に発売されたコンシューマ版『シークレットゲーム -KILLER QUEEN-』ですね。これはどういった経緯で中澤さんが移植を担当することになったのでしょう。
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▲中澤工氏 |
中澤工(以下、中澤):お世話になっているイエティの方から「同人ゲームにものすごいゲームがあるよ」と、『キラークイーン』を手渡されたことが始まりでした。
寺月:「プレイすれば絶対にハマるよ」と、かなりハードルを上げていただいたそうですね(笑)。
中澤:はい。でも実際にプレイしたら見事にハマってしまいました(笑)。自分が今まで携わってきたゲームには“サスペンスもの”が多かったのですが、ここまで極限の状況を描いたものはなかったんですよね。『キラークイーン』をプレイしたことで「やっぱりサスペンスものはおもしろい!」と刺激を受け、『ルートダブル』を制作することになったんです。それぐらいの原動力をもらっていますね。
寺月:大変光栄です。
――中澤さんが特に本シリーズに惹かれた部分というのはどこでしょうか?
中澤:お互いが殺し合いをしたり、極限状態から脱出するために協力をしたりするもの自体は映画などにもよくある題材です。しかし、本シリーズは各キャラクターが持つ“PDA”に“ナンバーが素数のプレイヤー全員のクリア条件を満たす”などのルールが課せられているので、駆け引きの要素が非常に色濃く出ているんです。そこが好きですね。
寺月:確かに、ただ生き残るためのサバイバルをするのではなく、かといって人間ドラマだけではなく、駆け引きと人間の深層心理を描いているのが本シリーズの魅力ですね。
中澤:はい。全員が生き残ることができない状況で、どういった選択が最善になるのか、その展開を予想しながら読み進めるのがとにかく楽しかったですね。
――最初からルールを明確にするなどプレイヤーに多くの情報を与えつつも、一方で、個人のPDAにどのようなクリア条件や機能が隠されているのか、そこを想像するのもおもしろいですよね。
寺月:このシリーズにはゲームに登場するプレイヤーはもちろん、その世界観の性質上、作り手側にも多くの制約があるんです。その制約をどんな意外な方法で乗り切るか……そこに注目してもらえたらな、と。
中澤:“制約”というハードルを越えて、極上のエンターテイメントを完成させたことは本当にすごいことだと思います。
――コンシューマへの移植の際は、残酷表現という面での制約も大変だったのではないでしょうか?
中澤:そうですね。前作の時はデリケートな時期と重なったこともあり、マスターアップ直前までCGやテキストを変更していました。だからといって、自主規制ばかりしてもコンシューマ版を発売する意味がなくなってしまうので、ギリギリのところを探っていました。
寺月:ストーリーの内容が変わった部分も、逆に「こういう方法なら死の運命を回避できるのか」ということがわかったりしておもしろかったですよ。
――中澤さんが『シークレットゲーム』の原作である『キラークイーン』を移植するにあたり、特に重点を置かれた点はどこでしたか?
中澤:第一には“スポットがあまり当たらなかったキャラクターに見せ場を作りたい”ということでした。『キラークイーン』には個性的なキャラクターが13人も登場しており、それぞれが異なるPDAを持っているので、さまざまな可能性を想像することができるんですよね。誰と誰を組ませて誰と誰を敵対させるのか。その部分を少し変えただけで、まったく違う展開になるはずなんです。
寺月:確かに。
中澤:はい。それは寺月さんも考えていらっしゃったので、キャラクターをシャッフルして違うドラマを作ってみようと思い至ったんです。そして、もう1つ。原作は“生き残る”ということが最終目標だったので“デスゲームの主催者側への対抗”までストーリーを描こうと思いました。
寺月:本作をプレイしていただいた方に“デスゲームの終焉”というもっともわかりやすい形でのカタルシスを与えたかったんですよね。
(C)FLAT/イエティ/Regista
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