2012年12月12日(水)
この“週刊洋ゲー通信”では、1週間の間に海外のゲームメーカーやデベロッパーが明らかにした最新情報の中から、注目のトピックをまとめて紹介していく。
今回は12月1日から12月7日までに公開された新情報に加えて、日本時間で12月8日の土曜日(アメリカでは金曜の夜)に開催された“ビデオゲームアワード(VGA)”で明らかになった最新ニュースもお届けしよう。VGAでは大作ゲームの最新映像が続々と公開されたが、それらについての情報は、次回以降のこのコーナーで詳しくご紹介する予定だ。
アメリカのケーブルTVチャンネル“Spike TV”で毎年12月に放送されている“ビデオゲームアワード(VGA)”は、その年の最優秀ゲームが発表されるだけでなく、翌年に発売される超大作ゲームの最新映像がいち早く公開されることでも注目を集めているプログラム。
日本時間の12月8日に放送された同番組の中で、『アンチャーテッド』でおなじみのノーティドッグが現在制作中のPS3専用ソフト『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』の最新トレーラー映像が登場。この中で本作の海外での発売日が、2013年5月7日に決定したことが明らかになった。ゾンビが大量発生した世界で、中年男性ジョエルと少女エリーがサバイバルを繰り広げる本作は、ノーティドッグらしいドラマチックな表現によって、日本でも大いに期待が高まっているタイトルだ。現在のところ日本では2013年発売予定となっているが、海外での発売日が決定したことで、今後は日本でも新たな情報が発表されることを期待したい。
(参考サイト:PlayStation.Blog)
続いて“Spike TV”の話題をもう1つ。今年もこの番組で、海外の大手ゲームメディア編集者で構成された審査員たちによって選定された2012年の最優秀ゲームが発表された。『アサシン クリードIII』『ディスオナード』『風ノ旅ビト』『マスエフェクト3』という強力なライバルを抑えて年間最優秀ゲームに選ばれたのは、日本未発売のAVG『ウォーキングデッド:ザ・ゲーム』。
海外で圧倒的な人気を誇るTVドラマのゲーム化ということで、日本とは知名度が大きく異なるとは思うが、この受賞で日本でも本作に注目が集まることを期待したい。そして日本のゲームファンから見ると、賞の行方よりも何よりも、年間最優秀ゲームの発表がTV番組となって、ハリウッドスターのサミュエル・ジャクソンがその司会を務めるという、アメリカの状況そのものがうらやましく思えるが……。
(参考サイト:Spike TV公式サイト)
もう1つ“VGA”の話題をお届け。今年のVGAの中で、『ファントム・ペイン』と呼ばれるまったく未知の新作タイトルの映像が公開された。このゲームを制作しているのは“モビー・ディック・スタジオ”というスウェーデンのデベロッパーで、同社はアメリカの大手デベロッパーに勤務した経験のある“Joakim Mogren(ヨアキム・モグレン)”氏によって設立されたとのこと。
公式サイトによると、『ファントム・ペイン』はどうやらPS3/Xbox 360用ソフトとなるようだ。北欧の新興デベロッパーが制作している未知のゲームが、一体なぜ“VGA”という華やかな場で初公開されたのかという疑問について、インターネット上ではすでに、さまざまな憶測が飛び交っている。“ファントム(幽霊)”という意味深なタイトルを持つこの作品の、さらなる情報が明らかになるのは、いつの日だろうか?
(参考サイト:モビー・ディック・スタジオ)
ゲームアワードに続いては、音楽に関するアワードの話題をお伝えしよう。音楽の世界で与えられる最高の栄誉として、日本でも広く知られているアメリカの音楽賞“グラミー賞”の今年のノミネート作品が発表された。
この中の“映像作品向けサウンドトラックスコア”部門で、PS3専用のダウンロード配信ソフト『風ノ旅ビト』のサウンドトラックアルバムがノミネート! ゲーム音楽関連では2010年に、PCゲーム『シヴィライゼーションIV』のテーマ曲である“Baba Yetu”が、ボーカル付きインストゥルメンタル・アレンジ部門の最優秀賞を受賞しているが、サントラアルバムを対象としたこの部門では、これが初のノミネートとなる。
本作と並んで候補になっているのは、ジョン・ウィリアムスの『タンタンの冒険』や、ハンス・ジマーの『ダークナイト・ライジング』など、著名作曲家の手になる大作映画のサントラアルバムばかり。それだけに今回のノミネートは、ゲーム音楽の歴史に残る快挙と言えるだろう。気になる受賞の発表は、2013年2月10日となっている。
(参考サイト:グラミー賞公式サイト)
無敵の“ナノスーツ”を身につけた主人公プロフェットが、地球を侵略するエイリアンと多国籍企業の兵士たちを相手に三つ巴の戦いを繰り広げる人気FPSシリーズ最新作『クライシス 3』。
本作の北米での発売日が2013年2月19日に、欧州での発売日が2月22日にそれぞれ決定した。ちなみに日本ではそれより少しだけ遅れた3月7日に、PS3/Xbox 360/PC用ソフトとして発売される予定だ。また、エイリアンによって破壊されたニューヨーク市街が、緑の生い茂るジャングルと化しているという、本作のユニークな世界観を紹介するビデオ映像シリーズ“『クライシス 3』の七不思議”の制作も決定した。
『フロム・ヘル』『ザ・ウォーカー』といったハリウッド映画を演出した、アルバート・ヒューズ監督が手がけるという。この作品はゲームと同じ“クライエンジン 3”を使用したCG映像で表現されるとのことで、ゲームのプロモーションだけでなく、次世代のゲームエンジンとして注目されるこのソフトのパワーを伝える映像にもなりそうだ。
(参考サイト:『クライシス 3』アメリカ公式サイト)
ファンタジー映画の超大作『ホビット』の公開が日本でもいよいよスタートするが、この作品やその関連作である『ロード オブ ザ リング』の世界を舞台にしたPS3/Xbox 360用ダウンロード配信ゲーム『ガーディアンズ・オブ・ミドルアース』が、海外のPS Store/Xbox LIVEアーケードで配信開始された。
このゲームは“マルチプレイヤー・オンライン・バトル・アリーナ(MOBA)”と呼ばれる海外のPCゲームで人気の高いジャンルで、ガンダルフやゴラムといったキャラクターを操作して、5vs5のチーム対戦を繰り広げるという、オンライン対戦に特化した内容となっている。家庭用ゲーム機の場合はPCゲームと違って、バランス調整のためのパッチ配信に手間取ることが多いが、この作品では専用のゲームサーバーでゲームルールを管理することで迅速な修正を可能にするといった工夫が取り入れられているとのことだ。日本での配信予定は未定だが、対戦が大いに盛り上がりそうな内容だけに、日本でもリリースされることを期待したい。
(参考サイト:『ガーディアンズ・オブ・ミドルアース』公式サイト)
秘密防衛組織を編成して、地球侵略にやってきたエイリアンを迎撃するという往年のターン制SLGを『シヴィライゼーション』シリーズでおなじみのフィラクシス・ゲームズがリメイクした『XCOM エネミー・アンノウン』。
日本でもPC版がダウンロード配信されている他、海外ではPS3/Xbox 360版も発売中の本作に、DLC第1弾となる“スリングショット・コンテント・パック”が登場。このDLCには、3種類の新マップを使用した新たなミッションが収録されており、黒いスーツをビシッと着こなした中国マフィアの男が、エイリアンをピストルで迎え撃つというユニークな内容になっている。もちろん彼をスカウトして、XCOMの隊員にすることも可能だ。このDLCは6.99ドル(約560円)/560MSPで、海外ではすでに配信中となっている。
(参考サイト:『XCOM エネミー・アンノウン』“スリングショット・コンテント・パック”トレーラー(※リンク先はYouTube))
日本でも人気の高いファンタジーRPG『The Elder Scolls V:Skyrim(ザ エルダースクロールズ V:スカイリム)』に新たなコンテンツを追加するDLCは、これまでXbox 360とPCで配信されており、PS3版に関しては技術的な問題で配信が延期されているとのことだった。
発売元のベセスダ・ソフトワークスはこのほど、海外では12月4日からXbox 360版の配信が開始されたDLC第3弾“ドラゴンボーン”を、2013年初頭にPS3とPCで配信すると発表。また、PS3版では未配信となっているDLC第1弾“ドーンガード”と第2弾“ハースファイア”も、“ドラゴンボーン”に続いて順次配信を行うと発表した。
日本で配信されるかどうかは現在のところ未定だが、Xbox 360版は第1弾、第2弾とも海外からやや遅れて日本でも配信されているので(Xbox 360版“ドラゴンボーン”の日本での配信時期は未定)、PS3版の配信も大いに期待できるはずだ。PS3版のプレイヤーにとっては待望の情報だけに、今後の発表を楽しみに待ちたい。
(参考サイト:ベセスダ・ソフトワークス アメリカ公式ブログ)
今から20年以上前に『マニアックマンション』や『モンキーアイランド』といったAVGの名作を発表したロン・ギルバート氏が、現在制作中の最新作『ザ・ケイブ』。過去の作品と同様の連想させる横スクロール形式のAVGで、ユーモアたっぷりの語り口を持つこの作品のキャラクターたちを紹介する最新映像が公開された。
本作では、ユニークな仕掛けが満載された洞窟を、それぞれ異なる能力を持つ7組のキャラクターを切り替えながら探検することになるが、今回のトレーラーではそのうち、田舎男、科学者、僧侶、双子の4組が紹介されている。しかもこの映像で彼らを紹介するナレーターを、ゲームの舞台である“しゃべる洞窟”が務めているといったあたりは、いかにもロン・ギルバート氏らしい、とぼけたユーモアが漂っている。残りのキャラクターを紹介する第2弾トレーラーも、近日公開予定とのこと。本作はPS3/Xbox 360/Wii U/PC用ソフトとして、海外では2013年1月に発売予定だ。
(参考サイト:セガ・オブ・アメリカ公式ブログ)
海外のPS Store/Xbox LIVEでダウンロード配信されたファンタジーRPG『フェアリー:レジェンズ・オブ・アヴァロン』などの制作を手がけたフランスのデベロッパー、スパイダーズが現在制作中のSF・RPG『マーズ:ウォー・ログ』の最新トレーラー映像が公開された。
本作は火星の巨大なスラム都市を舞台にして、この星のもっとも貴重な資源である“水”を巡って独裁者と対決する主人公ロイの冒険を描く、アクションRPGになるという。しかも本作は、PS3/Xbox 360/PC用のダウンロード配信ソフトとして制作されているとのこと。実際のゲーム映像を使用したというこのトレーラーを見ると、かなり壮大なスケールで展開されることを予感させるこの物語が、一体どのような形でRPGとして表現されているのか、非常に興味をそそられるところだ。海外では2013年春に有料配信される予定とのことで、今後の続報に注目したい。
(参考サイト:スパイダーズ公式サイト)
通常のTV画面のように走査線を使用するのではなく、オシロスコープと同様の方式でモニター画面に光の直線を直接描き出す“ベクタースキャン方式”を採用した、世界で唯一の家庭用ゲーム機をご存じだろうか?
1982年に“ヴェクトレックス”という名前でアメリカで発売され、日本では“光速船”という名前でバンダイから発売されたこのハードと対応ソフトを、iPhoneやiPad上で完全再現するアプリ『ヴェクトレックス・リジェネレーション』が現在配信中だ。
専用モニターが本体と一体化したこのハードを完全再現するために、アプリ上の仮想の部屋に置かれた本棚からソフトの箱を取り出して、机の上のハードで起動するという、妙なこだわりがマニア心をそそる作りになっている。アプリ本体を無料でダウンロードし、当時発売された対応ソフトのパックを購入することでゲームがプレイできる他、なんと新規に制作されたゲームを個別に購入することも可能。なつかしさを感じるアラフォー世代から、新鮮な驚きを感じる今時の若者まで、ゲームの歴史に興味を持つ人にとっては見逃せないアプリだ!
(参考サイト:『ヴェクトレックス・リジェネレーション』公式サイト)
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