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2012年12月21日(金)

「僕のカードゲーム人生の尊敬の対象です」ブシロード・木谷社長他『モンスター・コレクションTCG』関係者へのインタビューをお届け!

文:さくたろう

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――小笠原さんは今回の合宿で久々に『モンコレ』をプレイされたとのことですが、今の環境は4レベルのユニットを即時召喚できたりといろいろ変わっている部分もあると思います。最新の『モンコレ』をプレイされてみて、どうでした?

小笠原:最初は2レベルのユニットまでしか即時召喚できなかったんですけど、2000年に『モンコレ』が『1』から『2』になる時に即時召喚のルールを変えたんです。それでも3レベルのユニットが一部即時召喚できるくらいでした。その後、2008年の『神霊獣の咆哮』で一気に即時召喚可能な3レベルのユニットが増えたんですね。ですから今、4レベルのユニットが即時召喚できるのも、望んだ方向の1つではあります。それと、今はデックの組み方がかなりやりやすくなっているなと。“勢力”もわかりやすくていいですね。

――昔のデックは、さまざまなレベルのユニットがたくさん入ったデックというのも見かけましたが、今はかなりすっきりしていますよね。

加藤:それはですね、昔はユニットにはレベル1から10まであるんだから、全部作ってしまおうとしていたのが理由なんです(笑)。たとえばブロック2では、火水のユニットは偶数に、火聖のユニットは奇数にと分けてみたんですが、あとで奇数偶数で分けないほうが、いろいろなデックができるのではないかと思ったんです。それでブロック3では、ユニットを偶数レベルに統一してみたらどうだろうと、挑戦してみました。実際、偶数にレベルを統一することで、カード同士の横のつながりが多彩になって、意外といい形に落ち着いたなと。

稲垣:デックが組みやすくなっていい感じですよね。

加藤:2レベルがS、4レベルがM、6レベルがL、そして8レベルがLLとユニットのサイズを考えると、レベルはこれだけでも機能するんだなと。

――カードの枚数を見ると、ブロック2よりもブロック3のほうが枚数自体は少ないですけど、偶数だけのおかげでかなりデック自体が組みやすくなってますよね。偶数と奇数でレベルが合わないから、デックには入れづらい、なんていうカードもないわけですし。

加藤:要素を減らしたにもかかわらず、やれることが広がったというのは、かなり大きいですよね。

小笠原:それじゃあ、次は奇数だけとか?

加藤:奇数のみというのも考えたこともありますが、それはかなり難しいんですよ(笑)。

――ブロック3からブースターの収録枚数が100枚に統一されましたが、それはブシロードさんからの意見でしょうか?

加藤:はい。これはブースターの収録枚数が違うと、ショップの方がどれだけ仕入れていいかわかりにくいというのが、大きな理由です。それなら100枚に統一しましょうと。最初はクロスブースターまで100枚にするつもりはなかったんですが、どうせならと、こちらも100枚になりました(笑)。

小笠原:こういうショップの意見を取り入れていくというのは、富士見書房で販売していたころは実現できなかったことだよね。

加藤:TCGに関するノウハウやフットワークの軽さは、さすがブシロードさんだなと。

小笠原:富士見書房で販売していた当時は、商品発注をしながら、全国の大会を駆け回ったりとかしてたね(笑)。5月1日に会社に行って、2日の休日に大分に行きイベントを開いて、それが終わったら大阪でイベントを開き、次は岡山でイベントをやって、ゴールデンウィークの最終日の新幹線で東京に帰ってくるとか。それで翌日からは会社で通常業務が待っていたり(笑)。

加藤:今はブシロードさんがイベントを運営してくださっているので、僕らはゲストとして呼んでもらえるんですよ。でもその前までは僕らはスタッフとして参加していたんですよね。

杉浦:ジャッジで参加していたのはもちろん、会場設営も編集さんたちとしていましたから(笑)。

――来年2月に、ブロック1の強化パックがプロモーションカードとして配布されますが、これにはどのようなカードが収録されるのでしょうか?

加藤:強化パックには6種類のカードが収録されているんですけど、ここには、強めの“英雄”などのユニットカードが入っています。それぞれが特化したカードになっているので、それらを中心に組んでもらえれば、ブロック1のデックの底上げができるのではないかなと考えています。

――ちなみに“英雄”というタイプのユニットがそもそも登場したきっかけとは?

加藤:これはブロッコリーさんから『英雄王の星誕』を出すと決まった時に入れた要素なんです。以前にグループSNEが開発した『マグナ・スペクトラ』というTCGがあるんですけど、そこに“英雄”がいたんですね。で、そこから持ってきてみようかなと(笑)。でも、最初のころは“英雄”の強さをどのくらいにすべきか、かなり悩みました。それでも“英雄”を出すことで、同じレベルのユニットでも強さの幅をかなり変えることができるようになりましたね。

杉浦:それと、ゲーム自体を加速させたいというのも“英雄”を採用した理由の1つですよね。“英雄”は山札をけずることで場に出せるので、プレイ時間の短縮につながりますし。

加藤:最初は山札を増やすとか、いろいろなパターンも考えてみたんですけど、今の形が一番しっくりきました。

稲垣:“英雄”については、私もかなり採用を推しました。2008年にブロッコリーさんから『モンコレ』が発売される際に、最初の2セットは昔のカードの復刻だったので、『英雄王の星誕』から新しい『モンコレ』が始まるという空気を出したかったんです。加藤さんの考えでは、最初に復刻セットをやって、次に普通のセットを出して、1年後くらいに“英雄”を入れたセットを作りましょうという話でしたよね。

加藤:そんなに最初から“英雄”のこと言ってましたっけ?

稲垣:でも、それを1年前倒しさせてくださいとお願いして……。

加藤:そうだ、前倒ししましたよね、思い出しました!

稲垣:昔の『モンコレ』がある意味ライバルで、それと違う要素を見せていきたいなと。

加藤:さっき話した3レベルを即時召喚できるようにしたことも、そのことが大きかったですよね。

――(インタビュー中は)まだ温泉合宿は終わっていませんが、今回参加されてみていかがでしたか?

加藤:ゆるい感じと公式が一緒になって、すごく楽しい企画ですね。次もあるなら、ぜひ参加したいです。

稲垣:普段は『モンコレ』ができないけど、こういう機会にプレイしに来たという方もいらっしゃいましたよね。

杉浦:ガチのプレイヤーだけでなく、そういう方が来てくれたというのもいいですね。ユーザーと作り手が近いというのは、『モンコレ』のいいところだと思っているので、また機会をみてブシロードさんに開催していただけると、うれしいですね。

加藤:年に3回くらいはやってほしいですね(笑)。

小笠原:それなら1回は、(グループSNEが近い)兵庫の有馬温泉で(笑)。

加藤:有馬温泉なら、他のグループSNEのメンバーも参加できますね。

――それでは最後に、『モンコレ』ユーザーや、これから『モンコレ』を始めてみたいというユーザーに向けて、メッセージをお願いします。

小笠原:僕はもう『モンコレ』には直接かかわっていないので、若い人たちにお願いします(笑)。

加藤:それじゃあ(笑) 『モンコレ』は他のTCGと似ているところが少なくて、それらの経験や応用といったことが使いにくいゲームですけど、『モンコレ』ならではのおもしろさが詰まっているカードゲームだと思っています。すべてを理解するのはかなり大変だとは思いますが、運と技の両立したやりごたえのあるゲームになっています。また、50枚のデックをフルに使って戦えるというのもほとんどない要素ですし、目いっぱいゲームをプレイしたいという方は、一度触れていただければうれしいです。

稲垣:12月からは『モンコレ』公式サイトで初心者用のコラム連載を検討していますので、こちらも楽しみにしていてください。

杉浦:『モンコレ』はかなり独特なTCGですが、初心者にも楽しめるように工夫をこらしていきます。『モンコレ』は難しいと敬遠されている方も、ぜひ今の『モンコレ』をプレイしてもらえればなと。

――本日はありがとうございました。


 ということで、2回にわたってお届けしてきた“モンコレ温泉合宿”レポート&インタビューはいかがでしたでしょうか? 温泉に入っておいしいごはんを食べつつ、1日中『モンコレ』漬けというこの企画。宿泊型のイベントは、ブシロードとしては初のイベントとなりましたが、参加した僕自身もかなり楽しませてもらいました。

 また、ここ1年くらいで『モンコレ』を始めたという参加者も意外に多くて、『モンコレ』がこれからさらに盛り上がっていくという機運が感じられたのも、いちユーザーとしてはうれしいところですね。また次の機会がありましたら、ぜひ参加してみたいと思いますし、今回参加できなかった人も、次はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。ここでしか手に入らないプレイマットなどをはじめ、おみやげも盛りだくさんでしたし、宿泊費のモトなんて、簡単に取れるはず! 次の温泉合宿も楽しみにしてます!>ブシロードさん

 そして、最後まで記事を読んでくださった皆様に、プレゼントの告知があります! 現在ブシロードの金銀キャンペーンで手に入る、《夢魔の王妃リリス》と《夢魔の美姫リリム》の特製スリーブを、各1名様にプレゼント! 締め切りは2013年1月6日までですので、『モンコレ』ユーザーもそうでない方も、ぜひぜひご応募ください!

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