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2012年12月14日(金)

【電撃PlayStation】語り合いたいという気持ちがあふれてくる作品を作りたかった──『WHITE ALBUM2』丸戸氏&なかむら氏インタビュー

文:電撃PlayStation

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■新たな視点で描かれる追加シナリオ

──話は変わりますが、丸戸さんとしては、雪菜とかずさのどちらが好みですか?

丸戸:個人的には雪菜が好きですが、だからといってシナリオで優遇したりとかはしていませんよ。

──ちなみに、雪菜のどの部分が好きですか?

丸戸:本質的にわがままなところでしょうか。主人公に尽くしているようで、じつは話を聞かなかったり、ガンコな一面があるんですよね。逆にかずさは、口では否定するようなことを言いつつも、好きな人のためにはとことん尽くしてくれたりするんです。

なかむら:丸戸さんはどちらかというと、手のかかる女の子が好きなんですよね(笑)。

丸戸:あとは計算高いというか、愚直じゃないところがいいですね(笑)。

──なかむらさんはどちらがお好きですか?

なかむら:私はかずさのほうが好みです。PS3版の制作にあたってあらためてシナリオを読み直しましたが、やっぱりかずさのほうに感情移入してしまう部分が多いんです。また春希のことを想う性格や、不器用なところもいいですよね。まあ、この作品には器用な人がほとんど出てきませんけど。

丸戸:前作も不器用な人たちばかりでしたよね。

──『WA2』といえば歌もはずせない要素ですが、シナリオと楽曲で協力した部分などはありますか?

丸戸:協力とは少し違うのですが、本作のシナリオを書いているときに、テキストでここに曲が欲しい、歌が欲しいと、ボーカル曲だけでも10曲くらいの指定を書いてみたんです。作曲を担当する下川さん(※3)は相当悩んだと思いますが、シナリオの返事が戻ってきたらボーカル曲が10数曲と、最初より増えていたんですよ。そしてPS3版の追加シナリオでは「フルオーケストラの演奏シーンがあるんですけど」って書いてみたら、実際に39人もの方に演奏していただけることになりました。

なかむら:そのおかげで、アクアプラス史上初となる、フルオーケストラの演奏となりましたよね(笑)。

丸戸:下川さんも、この曲にはぜひ期待してほしいとおっしゃっていましたよ。

なかむら:ちなみにPS3版用の追加曲のCDは、『WA2』のサントラ全3巻の購入特典になります。

──追加シナリオの話が出ましたが、こちらについて語れる範囲でいろいろとお聞きしたいです。

丸戸:本作の追加シナリオは、賛否両論あるかもしれませんが、主人公から離れたヒロインがどうしているのか、主人公の側にい続けるヒロインがどうなるのか、というところに踏み込んだシナリオになります。これまで描かれなかった形になっているので、ぜひ楽しみにしていてください。

※3:アクアプラスの代表取締役で、本作のプロデューサーを務める下川直哉氏。サウンドの作曲という形でも制作にタッチしており、丸戸さんと熱意をぶつけあいながら『WA2』を作り上げた人物。

WHITE ALBUM2 幸せの向こう側

──ちなみに『WA2』をPS3に移植するという話を聞いたときの感想はいかがでした?

丸戸:じつはPC版の発売前あたりから、コンシューマでも出したいという話は聞いていたんです。ただ、本当にコンシューマで出せるのかというのが不安でしたが、下川さんが「大丈夫、『WA』もコンシューマ化したから」と意気込んでいて(笑)。

なかむら:ゲームの内容が内容だけに、"そういうシーン"をカットしてもゲームとして成立するのかと、丸戸さん同様に最初は不安でした。でも、私が担当するグラフィック部分に関してならば、シナリオよりは移植に関しては大丈夫なのかなと(笑)。

──新規イベントCGもかなりの数ですよね?

なかむら:もとの作品のシーンにCGを追加したものもあれば、追加シナリオでももちろん描いています。

──本作では前作同様にモーションポートレートを採用していますが、その点に関してはいかがですか?

なかむら:本作は立ち絵のバリエーションが多くて、移植をするといっても元の素材をそのまま使うのではなく、モーションポートレート用にデータの差し替えが必要になるんですね。データを作っていただいたのもそうですが、調整を担当したCGスタッフには「本当にありがとう」とお礼を言いたいです。

丸戸:そういえば僕はまだ見ていないのですが、"揺れる"っていう話を聞いたんですが?

なかむら:作品の性質上、派手ではありませんけど揺れていますよ(笑)。

──現在Webラジオとして配信されている『WHITE ALBUM2 同好会ラジオ』(※4)に、丸戸さんが監修という形で深くかかわられているとのことですが。

丸戸:そうですね。でも監修というよりも、メール職人という形でかかわっています。

──そういえば、第0回と第3回の配信で丸戸さんのメールが読まれていましたね。

丸戸:最近は生天目さんに罵倒されるのが快感になりつつあります(笑)。それと、次にメールを送るときは200文字以内に収めてと言われたので、どうやってまとめようか頭を悩ましている最中だったりします。

──なかむらさんはWebラジオは聞かれました?

なかむら:仕事の合間によく聞いています。声優さんの声からキャラをイメージすることも多いのですが、このWebラジオは内容がいろいろとね(笑)。

丸戸:たしかにあのWebラジオから、雪菜とかずさをイメージするのは難しいかもしれない。ゲームのキャラクターが出ているわけではありませんからね。

なかむら:まだ発売前なのでWebラジオでは言えないことも多いですけど、発売後はもっとおふたりもはじけるんじゃないでしょうか(笑)。

※4:インターネットラジオステーション『音泉』で、毎週金曜日に配信中。パーソナリティは雪菜役の米澤円さんと、かずさ役の生天目仁美さん。米澤さんをアイドルに育成するコーナーなどがある。

WHITE ALBUM2 幸せの向こう側

■『WA2』の決定版となる全部入り

──PC版では書籍やデジタルノベルなど、さまざまな関連作品が登場しましたのも印象的でした。

なかむら:じつはそれらのほとんどは、今回のPS3版にすべて収録される予定です。

丸戸:ほかにもWebで販売していたドラマCDや無料配布していた小説も、本作には収録されます。これはPS3のディスクに収録されていて、ゲーム本編の進行度に応じてそれらが開放されていく形です。ですから、特典を先に読んだり聞いたりしてネタバレしてしまう、ということもないのでご安心を。

なかむら:収録されている小説は音楽や効果音、背景が追加されていて、すでにお持ちの方でもあらためて楽しめる内容になっています。

──最後に、ファンへのメッセージをお願いします。

丸戸:僕の作業はすべて終了しているので、発売が延びることはないと思います。ぜひご期待ください。

なかむら:PS3版は楽しみにしている方を裏切らないデキになりますので、ぜひ楽しんでください。

※本記事は2012年10月25日発売の電撃PlayStation Vol.529掲載分を再掲載したものです。

 冒頭でも触れましたが、本作の体験版がPSストアで配信中となっていて、これがセーブデータが製品版に引き継げるうれしい仕様! この週末にぜひ体験してみては? また本日金曜日はWebラジオ『WHITE ALBUM2 同好会ラジオ』の配信日でもあります。下の関連サイトにリンクを貼ってありますので、興味がある人はこちらもどうぞ。(電撃PlayStation編集部 ねぎとろん)

(C)2012 AQUAPLUS

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