News

2012年12月17日(月)

【電撃PlayStation】やればやるほどせつない物語──『WHITE ALBUM2』2大ヒロインの声優インタビュー

文:電撃PlayStation

前へ 1 2
WHITE ALBUM2 幸せの向こう側

■主人公・春希への想い

──そんな2人の中心となる主人公の春希ですが、彼の魅力はどんなところにあると思いますか?

生天目:抜群なタイミングで彼女たちが欲しい言葉をくれたりしてくれて、そういう部分が魅力的ですよね。

米澤:タイミングを計って声をかけるというわけじゃなく、自然にやっているのがスゴイですよね。

生天目:そういうところがモテるんでしょうね。

米澤:でも、だからこそ憎いという(笑)。

生天目:わかるわかる(笑)。春希って素直にほめられないキャラクターなんだよね。

米澤:そこが欠点でもあるってわかっているのに、惹かれてしまうんですよね。下心がなくておせっかい焼きで、そこが女の子が心を開くポイントなのかなって。

生天目:実際に春希みたいな男性がいたらどう?

米澤:私は春希君みたいなタイプに弱いかも。どんどん距離を詰められて「わぁわぁ」ってあわてているうちに、いつの間にか仲よくなりそうだなって(笑)。

生天目:そうだよね、春希って恋愛に対しては強引ではないのに、距離の詰め方が強引だからいつの間にか春希の居場所ができちゃうんだよね。そういう意味では、こっちから好きになっちゃうタイプなのかも。

米澤:でも彼は、じつはこっちのことを何も思っていないみたいな。雪菜は学園のアイドルなので、みんなから下心がある目で見られることが多かったと思うんです。だからこそ春希君みたいなタイプは今までにいなくて、好きになったのかなと。そういえば、生天目さんは最近は春希君よりも演じている中の人のほうが憎たらしくなってきたみたいですよ?(笑)

生天目:そうそう「水島大宙(※2)めっ」て(笑)。

米澤:大宙さんは春希君のセリフをしゃべっているだけで、春希君本人じゃないのに。

生天目:だって水島さんは、私と話すときはヒロインでは「かずさが好き」って言ってくれていたんですよ。でも、この間スタッフさんたちとご飯を食べたときに、水島さんが私から離れたところで、「かずさよりも雪菜のほうがいいと思うんだよね」って言っているのを聞いて……。私には「かずさが好き」って言っていたのに。それが原因で今でも水島さんを憎いです(笑)。

米澤:それはひどい。でも春希君を演じすぎて、水島さんに彼が乗り移ってしまったのかもね(笑)。

※2:本作の主人公、北原春希を演じられる声優。「大宙」は「たかひろ」と読むが、声優仲間からは「だいちゅう」と呼ばれることが多い。代表作は『コードギアス 反逆のルルーシュR2』のロロなど。

WHITE ALBUM2 幸せの向こう側

■台本に描かれていない心情をつかむ

──かなりのセリフを収録されたとうかがっていますが、収録時に苦労された部分はありますか?

生天目:私がかずさに対して思っていることと、演出家さんが思っていることはかなり近くて、演技はとてもやりやすかったです。でも『WA2』の台本は、ト書きとセリフのどちらにも自分の気持ちが書かれていないことが多いんですよ。自分に対してもウソをつくシーンもよくあって、台本そのままに書かれているセリフを言っても、どこか違う部分もあるんですね。そういう演技であったり表現の仕方については、よく話し合いました。1つのセリフをとってみても、どういう方向性の演技にしていくのかなどですね。かずさはとくに自分の感情を出せない部分が多いので、どう演技すればいいのか、かなり手探りなところもあったんです。スタッフが求めている部分を、綱渡りしている感じで演じましたが、それがとても楽しいんです。

米澤:雪菜は自分の意見を尊重するところもあれば、「私なんて……」と引いちゃう部分もあるんです。また、意外と計算高いところも(笑)。3人の関係を守るために、とんでもない行動をしてみたりとか。

生天目:学園のアイドルだから、女の子のやっかみをいっぱい買ってそうだよね(笑)。

米澤:ですよね。友だちは数えるほどしかいないみたいですし。雪菜は「私だったらこうするのに」という部分が全然通用しないキャラクターでした。

生天目:でも雪菜って女の子が憧れる強さを持っていると思う。芯がしっかりしている感じがして、とてもうらやましいな。逆にかずさは、男の子が好きそうなか弱さを持ってるんだよね。

米澤:なにげに自慢ですか!(笑)

生天目:いやぁ、雪菜とかずさは絶妙なバランスなんだなぁって。でも私は最初はかずさが悪者だと思っていたんだけどね(笑)。

──丸戸さん(※3)がPS3版では追加シナリオも手がけられていますが、もう収録は終わりましたか?

生天目:先日収録を終えました。詳しくは言えないですけど、追加シナリオはどうぞご期待ください。

米澤:追加シナリオがどういう内容なのか想像しつつ、発売日までのお楽しみに! とだけ言っておきます。

──『WHITE ALBUM2 同好会ラジオ』(※4)が配信中ですが、聴きどころをぜひ教えてください。

生天目:ラジオでは米澤さんがアイドルになるので、ぜひみなさんの力で持ち上げてください(笑)。

米澤:それだけだと語弊がありますよ(笑)。ラジオでは雪菜のようなアイドルを目指して「ライブができたらいいね」というコーナーがあるんです。ほかにもいろいろなコーナーがあって、雪菜とかずさがケンカするような感じで進めるコーナーや、大人に対しての不満を2人で話し合って、これは大人が悪い、リスナーさんが悪いと決めるコーナーもあります。決して私がアイドルになるコーナーだけじゃないです。

生天目:私的にはそのコーナーが一番楽しいです。ひとごとだからね~。

米澤:ずっとそればっかり言ってますよね。ほんとは生天目さんがアイドルになりたいんじゃ?(笑)

生天目:私がアイドルになりたかったのはずっと前で、今はもうあきらめています(笑)。でもその想いを、今は米澤さんに託しているんです。彼女を私は応援していくので、みなさんもぜひ応援メールをください!

──それでは最後に、PS3版の発売を楽しみにしている読者にメッセージをお願いします。

生天目:この物語は、やればやるほど切なくなる物語で、でも先に進みたくなるような物語です。さらに、『WHITE ALBUM』という名前のとおり、冬にプレイしていただきたいゲームになっています。ぜひ今年の冬を心待ちにしてもらえたらなと思います。

米澤:『WHITE ALBUM2』はとても長い物語でボリュームがあるんですが、全部が大切なところにつながっていくので、心してプレイしてもらいたいです。

生天目:演じるほうも体力を奪われますけど、プレイするほうも体力を奪われるよね(笑)。

米澤:細かい部分まできっちりと描写されている作品で、プレイすると絶対にのめり込んでしまうので、ぜひいろんな方にプレイしていただきたいです。

──この作品は普通の恋愛AVGと違って、フラれたほうのヒロインにも物語があり、狙っていた女の子とつき合っても、どこか罪悪感を感じてしまいますよね。

生天目:あの罪悪感はなんなのでしょうね?(笑)

米澤:プレイするとなんだか魂がけずられる感覚がありますよね。でもやっちゃうみたいな。この物語の着地点はどこなんだろうと、ぜひプレイして、心に深く刻み込んでください。

生天目:トラウマになるだけだったりして……。

米澤:いや、ぜひ楽しんでプレイしてください!!(笑)

生天目:もしトラウマになりそうだったら、ぜひラジオを聴いて息抜きしてください(笑)。

※3:本作のシナリオを手がけたシナリオライター。PCゲームを主な活躍の舞台としていたが、本作で初めてコンシュマーゲーム用に新シナリオを執筆。またライトノベル作家としても現在活躍中。

※4:インターネットラジオステーション〈音泉〉内で毎週金曜日に配信中のラジオ。パーソナリティは米澤さんと生天目さんが務めており、不思議なコンビネーションのトークは予測が不可能!?

※本記事は2012年9月27日発売の電撃PlayStation Vol.527掲載分を再掲載したものです。

WHITE ALBUM2 幸せの向こう側

 前回も紹介した、米澤さんと生天目さんのおふたりがパーソナリティを務めるWebラジオ『WHITE ALBUM2 同好会ラジオ』。先週金曜日に配信された最新回では主人公の春希役の水島大宙さんも出演、 息の合った3人のかけ合いに注目?

 さて明日12月18日は、シナリオ担当の丸戸氏にヒロイン5人を紹介していただきます。シナリオライター自らが語るヒロインそれぞれの魅力とは……お楽しみに! 製品版にセーブデータを引き継げる体験版も、PSストアで配信中ですよ~。(電撃PlayStation編集部 ねぎとろん)

(C)2012 AQUAPLUS

データ

関連サイト

前へ 1 2