2012年12月20日(木)
妖怪たちとのバトルはシンボルエンカウント方式で、とってもシンプル。攻撃ボタンをポンポンとリズムよく押すだけで、わりとカンタンにコンボが決まるので、アクションが苦手な人でも安心です。
妖怪が強くなってくると、これに“筆しらべ”を駆使することとなります。相手の弱点にしたがって、複数ある“筆しらべ”を使い分けて戦うのですが、これがまた単調になりがちな戦闘にバリエーションを与えてくれるので、なかなかに楽しい!
ボス戦では、とくに“筆しらべ”が攻略のカギになります。イッスンのアドバイスをしっかりと耳をかっぽじってよォく聞いて、ここぞという時に“筆しらべ”をぶちかましてやりましょう!
普段のフィールドでも“筆しらべ”を活用して、水の上を進んだり、空間を超えてみたり、風を吹かせてパズルのような道を解いたりと、やることが満載! “筆しらべ”そのものを鍛えたりなど、成長要素も豊富なので、RPG的にも楽しめる作品となっています。
▲【一閃】まっすぐに線を描くだけで、どんなものでも真っ二つ! 硬い岩を切れる他、攻撃にも大活躍。 |
▲【画龍】なくなったものをよみがえらせる筆しらべ。空に星を描いたり、おばあちゃんのなくなった物干し竿を復活させたり……。 |
▲【光明】空に丸を描くだけで、夜が昼に! 失われた太陽さえ形にしてしまう、太陽神アマテラスだけのとっておきの筆しらべです。 |
さて、いろいろ語って参りましたが、『絶景版』で必見ポイントと言えば、アマテラスの力によって大いなる力が開放され、周囲の土地へと一斉に命が芽吹く秘技“大神降ろし”のシーンに尽きるかと! 『大神』を遊ぶんだったらとりあえずこれは見とかないと、というこの“大神降ろし”なるシーンが、本作には度々登場します。
ひとまず最初の“大神降ろし”だけでも、『絶景版』で見ていただきたいです。ゲームをスタートさせて2時間もあればたどり着けるのではないかと思われます。涙が出るほどの美しさとは、まさにこのこと!! 『絶景版』になってその美しさは筆舌に尽くしがたい感動の一瞬となりました。
▲気持ち的には何に似てるかっていうと、アレです。J●東●本の「そうだ、京都行こう」のTV-CMで春に桜、秋に紅葉の絶景が突然テレビに出てきて「うわーぁ……」と言葉を失う、あの一瞬に限りなく近い気がします。 |
自身が操作する“筆しらべ”でもって、自然をよみがえらせる瞬間の快感と達成感を、是非あなたも味わってみてください。
操作感といえば、そうです、『絶景版』はPlayStation Moveにも対応しています! これで遊べば“筆しらべ”の、筆持って書いてる実感がグンとアップ。テレビがそれなりに大きければ、それこそもう、年末のお寺で“今年の漢字”を書きつけてるお坊さんみたいな感覚が味わえていいですね。
▲堂々と、書く! 書く! 書く! |
最近ではすっかりタブレットやスマホが定着して、画面をなぞって線を書くなんてことは当たり前になってしまいましたが、6年前はシステムとしてなかなか新鮮だった記憶があります。そう考えると、今や端末を持っている誰もが日常的に“筆しらべ”でもって、小さな世界を動かしてるのかもしれませんね。
さて、好き勝手に語ってきた『大神 絶景版』の私はここが好きスペシャルコラム、いかがでしたでしょうか……。
で・も! 正直まったく語り足りないわけです! 惚れるしかないだろっていうピロウトーク・スタイリッシュ・メンなウシワカさんのこともあれば、たわわな乳がたゆんたゆんしちゃって大変なツヅラオさんのこともあるし、スズメのお宿のことも書けてないし、コロポックルの話もできてないけど、それ全部話してたら夜が明けちゃうよベイビィ☆ ってなもんでですね。そこまで書き尽くしてる時間があったら、私は今すぐこの編集部から自宅に戻って、こたつに入って『絶景版』をプレイしたいわけですよ!
だからもう、ここはいっそ! あなたも観念してダウンロードするかソフトを購入して遊んでみてください! そうすればわかるはずです。私がここまで書き連ねてきたおよそ4,200文字が何の意味もなさないということが。作品からあなた自身が受け取るものだけが、ただすべてであるということが。
▲とにかく気持ちがほこほこしてしまうのです。 |
とにもかくにも、こんな疲れがちな世の中ですから。ぜひ年末年始、ちょっとのんびりゲームでもして過ごそっかな、という方には本当に『絶景版』をオススメいたします。こちら、価格もお手頃となっておりまして費用対効果もバツグンです。シナリオのボリュームが素晴らしいので、本当に長ーく遊べます。
そして個人的に「ただ走ってるだけで楽しくて、うれしい」なんてゲームは、あまりたくさんはないと思うのです。その世界にいるだけでうれしいだとか、やさしい気持ちになれるだとか。走っていても、立ち止まっていても……アマテラスの小さな動きの1つ1つが、遊んでいる私たちの心にほっこりとしたあたたかさを届けてくれます。例えば、遊んで小休止を入れて、そのへんにコントローラを置いて、キッチンにお茶を取りに行って帰ってくると……っていうだけでもね、ほっこりしちゃうんですよ。アマテラスが、そこに待っててくれるから。
▲すっとぼけてるけど、だからこそいとおしくて、やさしくて、つよいのです。 |
この作品の中には、失われかけている日本の美しさがたくさん詰まっているような気がします。四季の美しさ、花の美しさ、草木の美しさ、そして――信じることの尊さ。
遊んでいると、ふと昔、おばあちゃんが言っていたことを思い出したりもするのです。「やおよろずのいろんなものに、神様はいて、あんたを見守っとるんだよ」と。何気ないことだけど、最近ではなかなか子供たちや若者に理解してもらいにくい感覚のように思います。
『大神』には、そういう懐かしくて大切なもの、私たち日本人がずっと古来から神話やおとぎ話の形で語り継いできたものが凝縮されて詰まっています。一度『大神』をプレイされた方も、ぜひ『絶景版』をダウンロードされてみてはいかがでしょうか?
そして、ぜひ言ってあげてください。
「おかえりなさい、アマテラス」と。(サガコ)
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