ベテラン声優陣の演技は一聴の価値あり！ 字幕派にも遊んでほしい『コール オブ デューティ ブラックオプスII（吹き替え版）』プレイレポート

文：イトヤン

■ベテラン声優陣の演技でキャラの個性がより鮮明に！

　『吹き替え版』の最大の魅力と言えば、ゲームに登場するキャラクターのセリフがすべて日本語となることで、その内容がより理解しやすくなるだけでなく、セリフの背後に隠れた感情までも、生き生きと感じ取れるようになることでしょう。特に本作では、これまでの『コール オブ デューティ』シリーズにも増して、魅力的な登場人物がそろっているだけに、その効果はひと際大きくなっています。ここでは、日本語吹き替えによってキャラクターの印象が、『字幕版』からどう変化したのかをお話していくことにしましょう。

　物語の前作にあたる『コール オブ デューティ ブラックオプス』をプレイした人なら、前作の主人公であるアレックス・メイソンをはじめ、主要なキャラが本作にも引き続き登場していることに気づくと思います。

　実は、そのうちの1人であるジェイソン・ハドソンは、英語版のキャストが交代しているのですが、『吹き替え版』では前作と同じ井上和彦さんが担当されているのが個人的には嬉しいところでした。もちろん、アレックス・メイソン役の堀内賢雄さんや、フランク・ウッズ役の小山力也さんも、前作からそのまま続投しています。

▲24時間戦えるタフな男の声といえば、もちろん小山力也さん。1980年代のフランク・ウッズに加えて、2025年の老いたウッズも演じる大活躍を見せてくれます。

　一方、2025年のミッションで主人公となるのは、アレックスの息子であるデイビッド・メイソンで、アメリカ軍の中ではコードネームの“セクション”（または階級の“少佐”）の名で呼ばれています。主人公らしい生真面目なしゃべりで演じているのは、藤 真秀さん。デイビッドの相棒であるマイク・ハーパーの声を演じる三宅健太さんのバンカラな口調とは好対照で、海外TVドラマのバディ物のような、陽気な掛け合いが楽しめます。このお2人に限らず、本作には洋画や海外TVのアテレコで活躍している声優さんが多く起用されており、ベテランの方々の声のお芝居を、安心して聞くことができます。

▲2025年のミッションで主人公となるデイビッド・メイソン。吹き替え音声を聞くと生真面目な好青年といった印象ですが、1986年の時点で7歳でしたので、実はもう40代後半だったりします。

　そして本作で主人公以上に重要な役どころなのが、2025年の世界で熱狂的に支持されているテロリストのリーダー、ラウル・メネンデスです。アメリカへ怒りを燃やす激情と、知的な計算高さをあわせ持つこの複雑なキャラクターを、白熊寛嗣さんが見事に演じています。『字幕版』をすでにプレイしている人なら絶対に忘れられない、妹ジョセフィーナの危機を前にして彼が大暴れする場面では、鬼気迫る絶叫を聞くことができますよ。

▲本作の開発スタッフも、その人物像には特に力を注いだという、ラウル・メネンデス。彼が持っている悪のカリスマとしての魅力は、吹き替え音声の力によって、いっそう印象的なものになっています。

　その他のキャラクターも、字幕版のオリジナル音声と聞き比べてみると、濃いキャラはさらに濃く、カッコイイ人物はよりイケメンに、といった具合に、吹き替え音声によってそのキャラの特徴がより強調されているという印象を受けました。

▲『字幕版』をプレイした人の間で、その豪快なカッコよさが話題を呼んでいる、アンゴラの反政府リーダー、ジョナス・サヴィンビ。吹き替え音声の力で、さらにインパクトが増した“濃い”キャラとなっています。

▲1980年代のアフガニスタンで、アレックスたちが出会う中国の軍人、ザオ。東洋系のキリッとした顔立ちの彼は、吹き替え音声の効果でよりイケメンに。ちなみに2025年に登場する老けたザオの声も、もちろん同じ声優さんが演じています。

　オリジナル音声を重視した『字幕版』がいいのか、それともゲームのあらゆる音声を日本語で楽しむことができる『吹き替え版』がいいのか。こればっかりはプレイする人間によって評価が大きく分かれるもので、結局のところは“それぞれの好みで”としか答えの出せない問いになります。

　ただ、幸いなことに『コール オブ デューティ ブラックオプスII』に関しては、『字幕版』と『吹き替え版』の双方が発売されて、プレイヤー自身が文字どおり“好みで”選択することができます。日本語音声のクオリティはここでご紹介したように、元のゲームの魅力をさらにアップしてくれる素晴らしいものですから、吹き替え音声に興味のある人はぜひ一度、プレイしてみてください！

(C) 2012 Activision Publishing, Inc. Activision and Call of Duty are registered trademarks and Black Ops is a trademark of Activision Publishing, Inc. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

データ

関連サイト

• 『コール オブ デューティ ブラックオプスII』公式サイト
• 電撃オンライン内特集ページ“電撃EXTREME EDGES”