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2012年12月26日(水)

2012年の俺的ベストゲーム! 年末年始に遊んでおきたいゲームを厳選! レビュアー:ウォルフ中村【電撃PSプレゼンツ この冬はこれで遊べ!】

文:電撃PlayStation

ウォルフ中村

『電撃PlayStation』のレビューコーナーで、毎号さまざまなタイトルをプレイしているゲームの目利きたちが選んだ、ぜひ遊んでおきたい2012年のゲームとは? 今回は、ベテランレビュアー・ウォルフ中村が選ぶ“今年の5本”をお届けしましょう。


 『電撃PlayStation』でレビュー記事を担当しているウォルフ中村です。さっそく、2012年に『電撃PlayStation』でレビューを担当したタイトルの中から、5本をピックアップして紹介することにしましょう。

 個人的な趣味で“マイナーかもしれないけれど、楽しめるタイトル”という基準で選ばせてもらいました。そのため、日本ゲーム大賞の年間作品部門で大賞を受賞した『GRAVITY DAZE 重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』や、同じくゲームデザイナーズ大賞を受賞した『風ノ旅ビト』はあえて選んでいません(ちなみに、前者は文化庁メディア芸術祭の優秀賞なども受賞していまして、後者はサウンドトラックがゲーム音楽として初めて第55回グラミー賞にノミネートされました)。『みんなのGOLF 6』『龍が如く5 夢、叶えし者』『リトルビッグプラネット PlayStation Vita』といった“誰でも知っているメジャー作品”も同様ですので悪しからず。

そんな私が選んだのは……まずはPS3のタイトルから。


『レイマン オリジン』
(PS3/ユービーアイソフト/2012年4月25日配信)
『レイマン オリジン』

 1996年に発売された『レイマン』(プラットフォームはPSなど)は、“完成度の高いアクションゲームなのに、日本では知名度の低い作品”として私の記憶に残っています。その後も何作か発売されたものの、いつの間にかシリーズ自体がフェードアウトしていった、という印象です。しかし2012年、最新作がユービーアイソフトの創業25周年記念という形で復活しました。それがこの『レイマン オリジン』なんです。

 内容は横スクロールの2Dアクション。操作方法は、方向キーで移動、×ボタンでジャンプ、□・○ボタンで攻撃、L・Rボタン(どちらでも)でダッシュと、オーソドックスな作りになっています。ボタンの組み合わせによって踏みつけ攻撃やしゃがみ攻撃、溜め攻撃なども繰り出せます。ゲームを進めていくと、ダイブや壁走りといった特殊なアクションも覚えていくのですが、そういった場面は“ここで存分に練習してください”と言わんばかりのステージ構成になっているので、誰でも無理なく習得できることでしょう。

 水中を泳いでいくステージや蚊(飛行機?)に乗って戦うSTGステージなども登場しますが、これらもオーソドックスな操作方法を採用しているため、とまどうことはないはずです。ちょっとしたクセはあるものの、操作感も問題はありません。ステージ内には1回だけダメージを無効化してくれるアイテムも落ちていますし、難易度は万人が楽しめるレベルだと思っていいでしょう(ステージのクリア条件には含まれない収集要素があり、これに挑戦すると一気に難しくなるのですが)。

 ただし、それはあくまでもゲーム中盤までの話。終盤は難易度がかなり高くなります。ステージの開放条件に関係してくるため中盤までの収集要素も無視できなくなりますし、その先には非常に難易度の高い強制スクロール面なども待ち構えているのです。

 最初に紹介したように、この『レイマン オリジン』は25周年記念作品。それにちなんで、日本では2,500円(税込)という特別価格で販売されています。このことを考えると、仮に中盤までしか楽しめなかったとしても「元は取れた」と思えるのではないでしょうか。中途半端な勧め方に思われるかもしれません。でも、「仮にクリアできなくても、十分に楽しめる」と言えるだけの上質なアクションゲームであることは確かなのです。年末年始に集中してプレイすれば、クリアできるかもしれませんしね。


『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』
(PS3/スパイク・チュンソフト/2012年9月20日発売)
『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』

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『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 MLBで投手として活躍したカート・シリング氏(ボストン・レッドソックス時代は松坂大輔、岡島秀樹両投手と同僚)が設立した38 Studios。そこのデビュー作が、この『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』です。

 内容はオープンワールド型のアクションRPG。いわゆる“洋ゲー”なのですが、ゲームシステム的にも、操作性的にも、物語的にも、日本人でもほとんどとまどうことなく楽しめる作りになっているのが特徴です。

 多彩な行動が取れるにも関わらず、操作方法もシンプル。行ったことのある場所にワープできる“ファストトラベル”という機能や、不要なアイテムをまとめておける“ジャンク”という項目も便利です。使わなくなった武器やいらないアイテムを片っ端から“ジャンク”に送っていくことでアイテム管理が楽になりますし、町に着いた際は“ジャンク”内のアイテムをまとめ売りすることだってできます。

 敵を倒す方法も、正攻法で正面から戦ったり、隠密行動を取って背後から暗殺したり、遠距離から魔法を撃ったりと、さまざまなものが用意されています。マイキャラにはメイン武器とサブ武器を装備させられるのですが、それぞれの攻撃ボタンが異なっているから戦闘中でも簡単に切り替えられます。ポーズメニューを開けば武器そのものも変更できるので、状況に応じて戦い方を変えることも可能というわけです。なにより、動きが軽快なこともあって戦闘自体が楽しいんですね。

 レベルアップ時に入手できるポイントは、スキル(錬金術や開錠といった能力)、アビリティ(戦闘時に役立つ能力)、ディスティニー(基本能力を上げるカードの入手)に割り振ることができるので、好みのタイプに育てられるのもうれしいところ。ただ、ある程度進めるとマイキャラがかなり強くなってしまうため、敵が弱いと感じられるかもしれませんが……。

 いろんな戦い方はできるし、マップの使い勝手はいいし、サブクエストは町ごとにたくさん用意されているし、海外で有料配信されたダウンロードコンテンツ(新規エリア、新規クエスト、ユニーク武具セット)は最初から入っているしと、さまざまな魅力を持っている『キングダムズ オブ アマラー:レコニング』。

 細かく見ていくと、装備画面などでカーソルが上下にループしないとか、視点変更ボタンの使い勝手が微妙だとか、いろいろと気になる点は出てきます。それでもアマラーというファンタジー世界での生活は楽しいと思えますし、すんなりと楽しめる“洋ゲー”という点からも、埋もれさせるにはもったいないタイトルなんです。

 なお、38 Studiosは2作目の制作中に破産してしまったようで、現在は存在していません。そのため、追加コンテンツや続編が出る可能性は限りなく低いでしょう。本当に残念なことです。ただ、もともと1人用のRPGであり、パッケージ内で完結してもいますので、これから遊ぼうと思っている人は純粋に楽しめばいいだけの話。日本での発売元は、皆さんご存知のスパイク・チュンソフトさんですから、安心して冒険の旅に出られると思います。

→つづいては、PSPのあの名作が登場!?(2ページ目へ)

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データ

▼『レイマン オリジン』
■メーカー:ユービーアイソフト
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■配信日:2012年4月25日
■価格:2,500円(税込)
▼『俺に働けって言われても』
■メーカー:イースマイル
■対応機種:PSP
■ジャンル:RPG
■配信日:2012年4月5日
■価格:1,000円(税込)

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