2013年2月7日(木)
――今回は比較的、新しめの作品からキャラクターが選ばれていますが、どのような流れで選んでいったのでしょうか。
小菅:格闘ACTというジャンルを選んだ時、同時に“スタイリッシュ”というキーワードもあげていました。テンポよく、爽快なアクションを重視したいと思い、それに見合うキャラクターを考えたところ、平成の作品には条件とマッチするものが多かったんですよね。
もう1つの理由は、“ストーリー”のコンセプトである“善悪ニ陣の決戦”という部分です。作品やキャラクターを選ぶ際に、ファンの人気の高さを重視することも多いのですが、今回は“善と悪の対立”が際立つものを優先して選びました。
本作はキャラクターごとにストーリーを用意することが決まっていたので、ダークヒーローにも主人公的な立ち位置でのストーリー性が必要だったんです。悪として、個性的なキャラクターばかりなので、ぜひVICE勢のストーリーも楽しんでほしいですね。
大塚:“VICE(悪)勢のストーリーもあるよ”と聞くと、隠し要素やオマケのように感じてしまうかもしれませんが、本作は善悪18ヒーロー、どれもメインとなります。結果として、18人分すべてのストーリーを楽しもうとすると、100時間以上はかかる大ボリュームとなっています。作る側としては大変でしたが、ぜひじっくりと楽しんでほしいですね。
坂本:一時期は、悪側のステージを多少減らすという考えもあったのですが、本作のコンセプトとして善悪を対等に扱うべきだという結論になりました。本当に大変でしたが、見ごたえがあるストーリーになったと思います。
▲善悪を対等に扱うというコンセプトは、キャラクターの選定にも大きく影響したという。 |
――ストーリーや世界観に関する見どころは、どこになりますか?
武田:『コンパチヒーロー』シリーズならではの、作品を超えたキャラクターのやり取りですね。『ガンダム』が『ウルトラマン』を助けたり、逆に戦ったりと、クロスオーバーの部分は本当に楽しいです。
坂本:悪側にもしっかりと目線を置いた部分は珍しいと思いますし、それでいて、とてもおもしろいですね。VICE勢のダークヒーローは基本的に一枚岩ではなく、自分勝手に動くので、JUSTICE勢とは違う思惑が飛び交う部分に注目してもらえればと思います。
大塚:JUSTICE勢はJUSTICE勢で、ヒーロー同士で誤解があったり、作品の垣根を越えて友情が芽生えたりと、とにかくいろいろな事件が起きるので、全キャラクターのストーリーは見てもらいたいです。原作の熱いセリフが、本作ならではの絶妙なシチュエーションで出てくるので、そこも見どころです。
小菅:メインキャラの半分が悪役で、ゲーム内容も対等に扱われているケースはあまりないので、それを踏まえたストーリー展開を楽しんでいただければと。
余談ですが、“ストーリー”のコンセプトが“善悪二陣の決戦”なので、ゲーム全般にそれが色濃く反映されていることもあり、実は『JUSTI-VICE HEROES(ジャスティヴァイスヒーローズ)』というタイトル案で、ほぼ決まりかけた時期もあったくらいです。
▲善悪それぞれに、本格的なストーリーが展開。また、作品の枠を超えたクロスオーバーのお話も魅力的だ。 |
――それでは最後に、本作に期待するファンへメッセージをお願いします。ディレクターである坂本さんにはゲーム部分の魅力を、トータルプロデューサーである小菅さんには、シリーズ全体をまとめる言葉をいただきたいと思います。
坂本:バトル部分が苦手な方でもカードで逆転できると言うのが、本作ならではのおもしろ味の1つで、シンプルに楽しいと感じられる形になったと思います。
今回の開発では、大塚さんからいただいた“突き抜けた感じ”という言葉を常に意識していました。カードバトルの“ジャッジメント”や“フィニッシュ必殺技”のド派手な演出、“ストーリー”のとんでもないボリューム感やバトルのスピード感と、どの部分も突き抜けて作りましたので、ぜひ楽しんでほしいと思います。
小菅:バンダイナムコゲームスとスパイク・チュンソフトさんがタッグを組んだ、渾身の一作になっています。18人のヒーロー全員のストーリーを楽しむだけでもじっくり遊べますし、さらにキャラクターやデッキをカスタマイズして対戦する部分も白熱します。1人で育成やカード収集、物語を楽しむRPG的なゲームとしても、2人で対戦ツールとして楽しむ格闘ACTとしても、どちらに興味があっても楽しんでいただけるゲームなので、ぜひプレイしてください
――新生『コンパチヒーロー』シリーズの今後については、いかがですか?
小菅:2013年になりまして、新『コンパチヒーロー』シリーズとしても、2年目となります。横スクロールのヒーローアクション『グレイトバトル フルブラスト』、3Dダンジョンを冒険するヒーローRPG『ロストヒーローズ』、そして今回のドラマチック格闘ACT『HEROES’ VS』と、かつてのシリーズのようにいろいろなチャレンジをしてきました。
特にボイス演出は、ファンの方それぞれの思い入れもあるので、これまでのシリーズでは慎重に対応していた部分がありましたが、『HEROES’ VS』では原作のキャストをほぼ再現したフルボイスバトルを実現できました。こういった部分は、シリーズを重ねることで実現できた部分でもあります。
ファンの皆さんの期待に応えるべく、引き続き頑張っていきますので、これからも『コンパチヒーロー』シリーズの応援をよろしくお願いします。
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※画面は開発中のもの。
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