2013年1月31日(木)
この“週刊洋ゲー通信”では、1週間の間に海外のゲームメーカーやデベロッパーが明らかにした最新情報の中から、注目のトピックをまとめて紹介していく。
今回は1月19日から25日までの期間に明らかになった新情報の中から、9個の話題をお届けしよう。今週は大手パブリッシャーのTHQに関する衝撃的な話題が飛び込んできたが、その一方では2013年期待の新作ゲームについての、明るいニュースも届いている。日本のゲームファンも目が離せない海外ゲームの最新動向は、このコーナーでチェック!
『オブリビオン』や『スカイリム』といったタイトルが日本でも人気のファンタジーRPG『The Elder Scrolls』シリーズは、“タムリエル”と呼ばれる異世界が舞台となっている。このタムリエルの世界に多数のプレイヤーが集結して冒険できるPC/Mac用のMMORPG『ザ・エルダースクロールズ・オンライン』の開発が、現在進行中だ。
そしてこのほど、今後数カ月以内に開始される本作のベータテストに参加を希望するプレイヤーの事前登録が、公式サイトで開始された。国籍などの制限は特にないため日本からでも応募できるが、実際のプレイは英語、フランス語、ドイツ語の3カ国語となり、どの地域から当選者が選ばれるかは、あくまで開発側の都合によるとのこと。また、この募集に合わせて、プレイのイメージを実写とCGで表現したシネマティック・トレーラーも公開された。帝国の首都シロディールを巡る攻城戦の中、ゲームに登場する3つの勢力が互いに出会うという内容が、ハリウッド映画を思わせる壮大なスケールの映像で描き出されている。ファンタジーファンはこちらも必見だ!
(参考サイト:ベセスダ・ソフトワークス アメリカ公式ブログ)
ゾンビが大量発生した南の島を舞台に、生存者たちが力を合わせてサバイバルを繰り広げるホラーFPSシリーズ第2弾『デッドアイランド:リップタイド』。本作の実際のゲームプレイの様子を、開発者の解説音声付きで収録した、9分を超えるプレイ動画が初公開された。
本作では生存者たちの隠れ家にゾンビが大挙して襲撃してくるとのことで、これに対抗して生存者側は、隠れ家の入り口にフェンスを張って防御を固めたり、墜落した戦闘ヘリなどから重機関銃を回収して隠れ家に据え付けたりといった準備が可能になっている。他にも、水上をボートで移動するなどの新要素が多数描き出されており、この動画を見れば実際にプレイするのが待ち遠しくなるはずだ。本作はPS3/Xbox 360/PC用ソフトとして、北米では4月23日、その他の地域では4月26日に発売の予定となっている。日本での発売は未定だ。
(参考サイト:『デッドアイランド:リップタイド』ゲームプレイ初公開フルバージョン(※リンク先はYouTube))
警察官の主人公が、消防士や建設作業員などさまざまな職業に扮して、ヘリコプターやパトカーなどの“働く乗り物”を乗りこなす、『レゴ』シリーズ初のオープンワールドACT『レゴ シティ:アンダーカバー』。Wii U専用ソフトとして発売される本作の最新プレイ映像が、海外での“ニンテンドーダイレクト”配信に合わせて公開された。
本作はタイトルからもわかるように、“レゴ”で築かれた大都市が舞台となっているが、今回の映像では農場など田舎の風景も登場しており、多彩なロケーションや職業が用意されていることがよくわかる。オープンワールドACTならではの自由度の高いゲームプレイと、フルボイスで生き生きと動き回るミニフィグたちのユーモラスなやりとりが楽しめそうだ。本作は海外で3月18日に発売される他、時期は未定だが日本でも発売予定だ。
(参考サイト:『レゴ シティ:アンダーカバー』トレーラー(※リンク先はYouTube))
スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンといったDCコミックのスーパーヒーローたちが、文字どおり驚天動地のバトルを繰り広げるFTG『インジャスティス ゴッド・アマング・アス』。このほど公開された本作の最新トレーラー映像で、スーパーマンの宿敵として日本でも実写映画などでおなじみのヴィラン(悪役)、レックス・ルーサーの参戦が明らかになった。
悪の天才ではあるが生身の人間のレックス・ルーサーがスーパーヒーローたちと対戦するにあたっては、なんと全身をパワードスーツに身を包んでの登場となる。今回発表されたトレーラーは“バーサス(対決)”と銘打たれており、レックス・ルーサー以外にも、さまざまなヒーローたちが激突する瞬間が紹介されている。本作はPS3/Xbox 360/Wii U用ソフトとして、海外で4月16日に発売予定だ。
(参考サイト:『インジャスティス ゴッド・アマング・アス』バーサス・トレーラー(※リンク先はYouTube))
ジェームズ・キャメロン監督による傑作SF映画『エイリアン2』の公式な“続編”として制作されているFPS『エイリアン2:コロニアル・マリーンズ』。本作の最新トレーラー映像で、原作映画の世界観を忠実に再現しているそのディテールが明らかになった。
人間の胸を食い破って出現するエイリアンの幼生“チェストバスター”や、自動的にエイリアンを迎撃可能な“セントリーガン”と呼ばれる機関銃など、映画ファンの記憶に残るアイテムが、最新トレーラーに次々と登場。そしてトレーラーのラストでは、映画でリプリーが操縦してエイリアンクイーンと一騎打ちを繰り広げた、黄色いボディのパワーローダーも姿を見せている。
映像ではパワーローダーの操縦者による一人称視点も見られるが、ゲーム中で実際にプレイヤーがパワーローダーを操縦してエイリアンと格闘戦を繰り広げることができるのか、気になるところだ。本作はPS3/Xbox 360/PC版が海外で2月12日に発売される他、Wii U版も発売される。日本での発売は未定だ。
(参考サイト:ギアボックスソフトウェア公式サイト)
空中都市“コロンビア”に幽閉された女性エリザベスと、彼女を救出にやってきた私立探偵ブッカーが大冒険を繰り広げるFPS『バイオショック インフィニット』。3月26日に予定されている海外での発売日に合わせて、現地ではさまざまな特典が用意されている。
2月12日からはAmazonの電子書籍サービス“Kindle”で、本作の前日譚となる英語版小説『バイオショック インフィニット:マインド・イン・リボルト』の配信が開始される。この小説では20世紀初頭の超科学で生み出された空中都市コロンビアでの生活の様子や、本編の物語にも関係する各勢力の争いなどが描き出せるという。
この小説は2.99ドル(約270円)で有料配信される他、海外のAmazonで購入したユーザーは無料でダウンロードできるとのこと。さらに、主人公の能力を上昇させるアイテムや、ゲーム内通貨などを封入した“産業革命パック”が、海外での予約特典として用意されているという。日本でも本作はPS3/Xbox 360用ソフトとして4月25日に発売されるが、こうしたアイテムが日本でも入手可能になることを期待したい。
(参考サイト:『バイオショック インフィニット』アメリカ公式サイト)
原因不明の疫病が蔓延し、秩序が崩壊したアメリカ大陸を中年男性のジョエルと少女エリーが旅するサバイバルACT『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』。PS3専用ソフトである本作は海外で5月7日に発売されるが、北米と欧州でそれぞれ2種類の限定版パッケージが発売されると発表された。
まず北米では、170ページ超のハードカバー・アートブックや、PSNのアバターやサントラアルバムのDLCコードが封入された“サバイバル・エディション”と、同内容にジョエルとエリーのリアルなフィギュアなどを追加した“ポスト・パンデミック・エディション”が発売される。
一方、欧州ではキャンバス地の布ケースにミニアートブックやDLCコードを封入した“ジョエル・エディション”と“エリー・エディション”が発売される。これにはミニポスターやコントローラのデコレーションシール、そして『リトルビッグプラネット』で使用できるリビッツのコスチュームデータといったグッズがジョエルとエリーの2バージョン用意されて、それぞれのパッケージに封入されるとのこと。
このように海外では豪華なグッズが用意されているわけだが、同じく5月に発売予定の日本でも、こうした限定版が登場するのか気になるところだ。
(参考サイト:PlayStation.Blog(北米版))
(参考サイト:PlayStation.Blog(欧州版))
FPSの人気シリーズ最新作『コール オブ デューティ ブラックオプスII』に、4種の新対戦マップや新たなゾンビモードを追加するDLC第1弾“レボリューション”が登場する話題は、以前のこのコーナーでお伝えした。
このDLCが海外のXbox 360向けに1月29日より先行配信されるのに合わせて、ユニークなCMキャンペーンが開始された。その内容は、ボリュームたっぷりのこのDLCを遊び尽くすのに忙しいあなたに代わって、“代理人”があなたの用事を済ませてくれるというもの。
この代理人に扮しているのがなんと、映画『アルマゲドン』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』に出演した個性派俳優、ピーター・ストーメアだというのだからオドロキだ。コワモテの彼がどのように代理人を務めるのかは、リンク先で公開されているCM映像でぜひチェックしてほしい。それにしても、ぜんぜんゲームの内容について触れないCMにハリウッド俳優を起用するあたり、海外のスケールの大きさには圧倒されてしまう。
(参考サイト:『コール オブ デューティ ブラックオプスII』アメリカ公式サイト)
『セインツロウ』『WWF』などの人気シリーズで知られるアメリカの大手パブリッシャー、THQは以前より経営危機が伝えられていたが、2012年12月にアメリカ連邦破産裁判所に対して“チャプター11”と呼ばれる民事再生手続きを申請し、事実上の倒産状態となっていた。そしてこのほど、同社資産の競売が行われ、同社のゲームタイトルや傘下のデベロッパーが他のゲームメーカーにに分散して売却されることが決定。これによりTHQは20年以上の歴史に幕を閉じることとなった。
ここで気になるのは各ゲームタイトルの行方だが、人気のクライムACT『セインツロウ』と、同シリーズを開発しているヴォリション、それに加えて核戦争後のロシアを舞台にしたFPS『メトロ』シリーズの権利は、ドイツのコッホ・メディアが獲得した。コッホ・メディアの傘下には、『デッドアイランド』で知られるディープシルバーがあり、『セインツロウ』と『メトロ』は今後、ディープシルバーのもとでシリーズが継続されるとのこと。
また、第2次世界大戦を描いたPC専用RTS『カンパニー・オブ・ヒーローズ』と、このシリーズを開発しているTHQカナダは、セガが獲得。さらに、北朝鮮に占領されたアメリカを舞台にしたFPS『ホームフロント』は、THQと共同で続編を開発中のクライテックが自ら権利を取得した。
興味深いのはユービーアイソフトで、同社はTHQモントリオールを買収したのだが、このスタジオは『アサシンクリード』などを制作していたスタッフが移籍して設立したもの。元の鞘に戻る形となったわけだ。またユービーアイソフトは米国の人気アニメをRPG化した『サウスパーク:スティック・オブ・トゥルース』も獲得している。この他、未発表のゲーム『エヴォルヴ』の権利をテイクツー・インタラクティブが1,000万ドル(約9億円)以上の高額で落札したと報じられており、このゲームの内容が気になるところだ。
このようにTHQの人気タイトルが他社に買収される一方で、『ダークサイダーズ』と同シリーズを開発したヴィジル・ゲームはいまだ売却先が見つかっていない。他にも『レッドファクション』など、売却先の見つかっていないゲームはいくつかあり、今後数カ月以内に売却の手続きを進めるとのこと。このように先の見通しが不透明なタイトルもあるとはいえ、近日中の発売を目指して開発が進んでいたタイトルはいずれも売却先が決定したのは何よりだ。今後は新たな態勢のもとでゲームが完成し、我々ゲームファンのもとに届く日が来るのを楽しみに待ちたい。
(参考サイト:コッホ・メディア公式サイト)
(参考サイト:セガ公式サイト)
(参考サイト:クライテック公式サイト)
(参考サイト:ユービーアイソフト アメリカ公式サイト)