2013年2月19日(火)
――続いては登場キャラクターと各エピソードへの印象について教えてください。まずは主人公の森田賢一からお願いします。
賢一はすごく真面目で、普通にカッコいい人だなと思いました。プレイ前は、全然顔が出てこないからどんな人か謎だったんですけど、プレイしていたら、結構ストイックと言うか自分を持っている印象で、とっつぁん(※5)にも心を折らずに相手をして……折れたりもするけど、いいやつそうだなって思いました。
※5……法月将臣。作品中の重要キャラクターで、賢一は「法月のとっつぁん」と呼んでいる。
――次はヒロインの日向夏咲について教えてください。
▲7年前に行方不明になった友だちを向日葵畑で待ち続ける健気な女の子。 |
なっちゃんは、プレイする前にパッケージを見て、本当にかわいい娘だなと思っていました。見た目も一番タイプだったんです。プレイ中も、本当におしとやかで、女の子があこがれる女の子の代表みたいな娘で、守ってあげたくなるようなかわいい娘なんですけど、“恋愛できない義務”(※6)を課せられているんです。
プレイ中は、“恋愛できない義務”ってなんでだろうって……実はヤバイ人なんじゃないかと思って戸惑いました。でも、そこも『車輪の国』の魅力なんですよね。なっちゃんの章は最後のほうにあるので、プレイ中はずっと「なんで恋愛できないんだろう?」って考えるんです。もしもなっちゃんが……なんかね……そういう人だったらどうしようって、気になって気になってしょうがなかったです。
※6……登場するヒロイン3人には、それぞれ、異性との接触を禁止される“恋愛できない義務”、親の決定には絶対にさからえない“大人になれない義務”、定められた時間になると、特殊な薬品を服用して強制的に眠らなければならない“1日が12時間しかない義務”が国によって課せられている。特別高等人を目指す主人公・賢一は、最終試験と称して彼女たち3人の“更正”を命じられる。
――一番最初にエピソードが展開する三ツ廣さちについてはいかがでしょう?
▲為替で生計を立てている元気な娘。主人公とはよくウマが合う。 |
“恋愛できない義務”や“大人になれない義務”って、なんとなく想像したり考えたりできたんです。でも、さちの“1日が12時間しかない義務”が「なんで起きていられないの?」と一番予想もつかなかったものでした。義務だけじゃなく、まなちゃんの存在もそうですけど、さちの章が一番謎が多かった気がします。さちはすごく明るくて、活発で、天真爛漫な娘なのに、触れちゃいけないところに触れた時のギャップがすごくて、一番、感情ゆにゅう? ……輸入?
――移入ですね(笑)。
感情移入できました(笑)。一番アツい章だったし、さちの“自分とちゃんと向き合って決着を付けるところ”とかに、心を動かされました。
――では大音灯花はどうですか?
▲あかべぇそふとつぅさんおなじみの“大音姓”を持つヒロイン。ツンデレ。 |
灯花は、ツンデレって言うんですか? ツンツン? 私、見た目も賢一に対する態度とかも、全然タイプじゃなかったんですけど(笑)、灯花の章は、家族関係のエピソードだから妙にリアルで、すごく切なかったです。ずっと、なんでこの人はこんなに向日葵ばかりの夏なのに、長袖を着ているんだろう? と思っていたし、最後もすごく泣けました。
家族ドラマみたいで感動できたので、灯花ちゃんは一番最初は好きとか思わなかったけど、皆さんから人気の理由もわかって、愛が芽生えてきました。実は、バッドエンドを初めて見たのが灯花の章だったんです。それがすっごい切なかったから「灯花、ごめん!」って思って、次からは慎重に何も聞き逃さずやろうって思いました。
――続いて、南雲えりについて教えてください。
▲特別高等人の試験に遅刻をしてしまう困った娘。遅刻はダメ、絶対! |
え? えりもですか!
――最初にあれを見た時、どうでした?
最初に見た時は、この娘は誰? って思いました(笑)。賢一と同じく試験を受けます、みたいな感じで出てきた人ですよね、えりって。突然現れて突然消えたから、「ちょっと待って、あなたもう終わり?」って、重要なキャラになりそうな設定と見た目だったから、「この娘は押さえておこう」って思った瞬間にいなくなっちゃって。でも、そのおかげで特別高等人を目指すことと、この世界はこんなにも厳しいんだってわかりました。
――プレイヤーの心を冒頭で掴んでくれるいいキャラクターなんですよね。PC版発売当時は、あたかもヒロインかのように公式サイトに載っていました。そうしたら、あんなことになって。
攻略ヒロインきた! って、賢一と一緒に特別高等人を目指していくのかと思っていたら、まさかの……。でも、さっきも言いましたけど、『車輪の国』の厳しさを理解できたのは、えりのおかげです。
――では……樋口璃々子についてはいかがでしょうか?
▲公式サイトでも存在が明かされていないキャラクター。 |
やっぱり一番重要なキャラで、パッケージにもちゃんと伏線があったんだと驚きました。●●●●●れるところとかも、早い段階で●●●と思っていたから、全然気付かなくて。あと、璃々子との怪しいシーン? あれをちょうど電車でやっていたので、「うわぁー!」ってなりましたね(笑)。今まで感動→感動で来ていたから、「うわぁー」って。そういう意味でも、忘れられない存在です。
――電車の中で『車輪の国』をプレイしていたんですか?
ソフトをもらってからは、何日までに終わらせようって目標を決めてプレイしました。でも、やり始めると先が気になるからずっとやっていたくて。プレイ時間も長いから、いっつもやっていたんですよ。電車でもやっていたし、PSPだから、レッスン中のちょっとした休憩時間にもやっていたし、その時の私は間違いなく『車輪の国』にいましたね(笑)。
――自分の中で“プレイする義務”を作っているかのうようですね。では、法月のとっつぁんについてはいかがでしょう?
▲特別高等人。主人公の試験官となる。そのボイスに注目だ。 |
とっつぁんは、何度も取材で言っているんですけど、なんでこんなに冷酷で、怖くて、恐ろしいのに、こんなに安心感があるんだろうってずっと考えていて、気になって気になって広報の方に相談したら「それは声だよ」って言われて……「それだ!」って。さとう雅義さんの声に安心感があったんだとわかりました。もし違う声優さんがやっていたら、きっと「なんだよコイツ」と思うキャラクターのはずなんですけど、声のおかげで憎めないんです。声も好きなんですけど、ちょいちょい名言というか、愛のある名言、人生の教えみたいなものを言ってくれるんですよ。
――ものすごく厳しい教えなんですけど、説得力があるのでぐうの音も出ないんですよね。
そう! ちょっと人間味があるんだなって、ところどころで思わせてくれる憎めない人ですね。
――とっつぁんがお好きということですが、『車輪の国、悠久の少年少女』の法月編はプレイされましたか?
実は『車輪の国』本編をクリアした直後に、ルイズ(※7)に「おもしろいよ! コレはやったほうがいいよ!!」ってそのまま貸しちゃったんですよ。あまりに感動したので、「お願い、やって!」ってすぐ貸しちゃって……。
※7……ルイズ・スフォルツアさん。アフィリア・サーガのメンバーの1人で、池袋店に在籍。
――おもしろいゲームをプレイすると、誰かと語り合いたくなりますよね。
そうなんです。だから、ゲームの趣味が一番合うルイズにオススメしました。そしたら、「気になってたんだ」と言ってくれたので、すぐにPSPの限定版を貸して、布教しちゃいました(笑)。
→誰かの死ではなく、人と人の絆で感動を演出するシナリオが魅力(3ページ目)
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