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2013年2月18日(月)

最初は“少年探偵団モノ”だった? 『エーコと【トオル】と部活の時間。』で第19回電撃小説大賞<金賞>に輝いた柳田狐狗狸先生を直撃

文:てけおん

――【トオル】を出したのはなぜですか? まさか人体模型とは思いませんでしたが。

 エーコ自体があまり自分のことをしゃべらずに、自分から行動するタイプでもないので、彼女の過去などを掘り起こしてくれる人間が必要だと感じたんですよ。

――あえて彼(?)を人体模型にしたのはなぜですか?

 ああいうキャラクターにしたことで、エーコが気負いを感じないだろうと思ったんです。それと、最初に少年探偵団的な物語を考えていたことも関係あるかもしれません。

――と言いますと?

 学校内で犯罪の調査に対して、一番有効そうな科目は理系の科目かなと思ったんです。理系の象徴で印象深いものは何かと考えたら、人体模型になりました。

――で、【トオル】君が生まれたということなんですね。これって正体は……。

 それは皆さんで考えてください(笑)。

――はい(笑)。

 はっきりさせずに読者の皆さんのご想像にお任せするという形で(笑)。

――【トオル】の正体も気になりますが、エーコの趣味も気になります。エーコってアニメが好きなんでしょうか?

 特には考えてないですけど、そうかもしれません。

――いろいろなキャラクターとのやりとりを見ていたら、アニメを見ているんだな、とうかがわせるような描写がありましたよね。技の名前とか……。

 最初は中学2年ぐらいの設定だったので、中2病的なところを出してみたかったんです。

――ラストに少しゾクリとするような描写が織り交ぜてありましたけど、あの部分については、最初からそうしようとしていたのですか?

 そうですね。最初からそうしようとは思ってました。

――ラストをひねった理由を聞かせてください。

 書き手から「こうだ」とはっきりした形にしたラストにしてしまうよりは、読んでくれた人が自由に考えてもらえるようなラストにしたほうがおもしろいんじゃないかと。

――執筆にはどれくらいかかっていますか?

 前回の募集時に短編を書いて、それが4次選考で落ちたんですけど、その中心となっていたキャラクターと設定だけもう1回使って長編にしているんです。キャラが決まったうえで、半年ぐらいですね。

――どの部分に一番力を入れましたか?

 ストーリーですね。1回書き上げてから、一番盛り上がるところを生かすにはどうしたらいいか悩みました。

――お気に入りのシーンはどこですか?

 クライマックス部分の決着がつくシーンと、【トオル】君の頭を虫眼鏡で●●しているシーンがお気に入りです。

――●●しているシーンもお気に入りなんですね(笑)。

 だいぶ方向性が違うと思うシーンではあるんですけど、おもしろいシーンと悲しいシーンの中から1つずつということで。

→創作を始めたきっかけや、続編の話なども(3ページ目へ)

(C)柳田狐狗狸/AMW
イラスト:MACCO

データ

▼『エーコと【トオル】と部活の時間。』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2013年2月10日
■価格:620円(税込)
 
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