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2013年3月6日(水)

『真・三國無双7』開発者インタビューの後編! 新アクションやモードに込められた開発意図から、馬呼びの誕生秘話を掲載

文:電撃オンライン

■武将を集めていくだけのモード!? 将星モード誕生の秘密に迫る

『真・三國無双7』

――やり込みの外せない要素として“将星モード”があると思うんですけど、こちらはフリーモードに加えてさらにもう1つのモードという形で開発されたのでしょうか?

鈴木:『6』からストーリーモードが勢力別になったので、キャラクターを成長させる別のモードを用意しないと、ストーリーモードだけでキャラクター全員を育てていくのは難しいというのが理由のひとつです。

宮内:さらに本作の武器は、ランダム要素になっているので、手に入れられる武器の種類は無限大。取捨選択をしたりカスタマイズしたりしていくのをストーリーモードに入れていくのは、ちょっとマニアックすぎると思います。

 ストーリーモードでのやり込みには合わないと最初から感じていたので、受け皿を用意する必要があった。そのために、開発初期から検討していました。

『真・三國無双7』

――このモードでは一般武将も仲間に入るということに驚きました。武将の数がものすごいことになっていましたね。

宮内:知らなかった武将を調べてもらって、三国志自体に興味を持ってもらうのも楽しいかなとも思ったためです。全部の武将を仲間にして、それをクリアの条件にしていくのは開発初期から決めていました。プレイアブル武将だけでなく、名前がついてる武将を全員集めるモードを作ろうと。

――ミッションで、ヴァリアブルカウンターで倒すとか、空中にある程度停滞させて倒すというのがあり、アクションの成長をプレイヤーに促すという意味合いもあるのかなと思ったのですが、そこはいかがでしょうか?

『真・三國無双7』

宮内:それもやり込みの話になってしまうんですけど、ただ単純に倒すだけじゃなくて「こういう倒し方をすると、こういういいことがあるよ」っていうのを、ちゃんと明示することで、ストーリーを味わいながら、変わった倒し方も試してほしかったんです。実際にレベルが上がっていくのを見ていけば、それを極めてみようかなっていうお客さんも出てきてくれる。

 それは将星モードでやっていただいても結構ですし、ストーリーモード中でも遊べる仕組みになっている。スキルは獲得した時にわかりやすく表示されるので、「何だろう?」って思って見ると、条件が隠さずに出ている。あれはユーザーの方に色々なプレイをやってみてほしいというメッセージ的な意味もあります。

■寝かしに寝かしていた新システムの馬呼び

――数ある新要素の中で、本作で一番入れたかった要素というのはどこでしょう?

『真・三國無双7』

鈴木:私はやっぱりifの要素です。ifの要素がないと、三国志というベースを扱っている以上は、ユーザーの皆さんが飽きてしまうと感じたので、本作で入れたかったんです。

宮内:今回どうしても入れたかったのは、すべての武将に固有に得意武器を設定するということと、無双乱舞を全武将に3タイプずつ用意するということです。この武将はジャンプ無双を持っているけど、こっちの武将は持っていないということなく、同じ操作、同じ仕様をすべての武将につけたいと思っていました。

――そちらは『6』の時から思っていたけれども、実装できなかった要素ですか?

宮内:前作『6』は、二つの武器を装備できたり、武器をチェンジするというヴァリアブル攻撃を入れたり、かなり大きな変更にチャレンジしたんですが、それによってどれだけの作業や調整が発生するか、見積もれなかったんです。

 結果として『6』の時は、各武将にジャンプ中の乱舞かR1の乱舞のどちらかしかだけ増やすことになりました。では、それでは理解しにくいので、『7』では絶対に全武将の無双乱舞を3タイプ用意したいと思ってました。

『真・三國無双7』

――ステージの描写にかなりこだわっているという話でしたが、遊んでいてステージがいつもより広くなったのかなという印象を受けました。

鈴木:サイズ的には『6』と近いはずです。

宮内:実は『5』と比べると『6』でステージのサイズを広げたんですが、『7』ではステージの密度を上げたいという意識がありました。本作では、先が見通せないような作りや、高低差をさらに多様化させて色んなルートで遊んでいただけるようになっているため、そう感じていただいたのかもしれませんね。

 『無双』シリーズの戦闘はおよそ60分で終わるようにデザインされているため、ステージのサイズ自体をあまり大きくしてしまうと、その時間が変わってしまうんです。関羽千里行のような特別なステージは別ですが、極端に縮尺を変えることは現状ではしないようにしています。

『真・三國無双7』

――馬呼びが進化したのは、開発サイドの中で仕様を変えようという意識が以前からあったのでしょうか?

宮内:実は『6』の時からの宿題だったんです。アクション担当のスタッフが、『6』の完成間際で「馬を呼ぶアイデアを持っているので、入れたい」と言い出したんです。「ずっとこのアイデアを暖めていたんです」と言っていたのですが、そんなことを言ってるタイミングでもなくて、当時は見送りました。今作『7』を開発してる時も、途中まで忘れていたんですよ。

――え? それは担当の方が忘れていたんですか!?

宮内:いえ、僕らが忘れていて、担当は暖め続けていました。今回言ってきた時には、デザイナーとすでに話をしてモーションも発注していたので。

(一同笑)

宮内:突然「以前に言っていた“馬呼び”ができました」と報告してきたんですが、今回も開発の後半だったんですよ。もっと序盤に言えばいいのに、仕様がまとまり、ストームラッシュやヴァリアブルカウンターの調整が終わったぐらいのタイミングでして!

鈴木:アハハハハ。

宮内:正直な話「お前……またかよ!」となったんですが、「でも今回のはもう動いてますから見てください」と言って、ボタンをピっと押したら馬がドーンと走ってきたのを見て、「よし、採用!」ってなりました。

――あのシステムがあるおかげで、馬がすぐ横にいても馬呼びして乗ってしまうという感覚になりました。

『真・三國無双7』

宮内:それでいいと思います。“ジャンプフェスタ2013”で出展した際には、その機能を初めて搭載したんですね。ただ、イベント後にTwitterやSNSで反応を見ると、「移動してる時に後ろから追いかけられたけど、乗ることができなかった」というのが多数ありました。

鈴木:馬が追いついてこないという意見が、多数あったんですよ。

宮内:そこで、12月23日の“ジャンプフェスタ2013”が終わった後から、馬が追いついて乗れるように変更できないか担当者と調整しました。

――確かに“ジャンプフェスタ2013”の試遊版をやった後に、体験会用のROMをプレイしたんですが、馬呼びの感覚が明らかに変わっていたのを覚えています。

宮内:完成間近だったので大変でしたが、何とか間に合いました(笑)。この修正の早さは、今の時代ならではですよね。以前だったら発売してお客様に届けた後、それらの反省を次回作に反映することになっていました。今は体験していただいたユーザーの方の声をダイレクトに拾えて、それをすぐに反映できる。本当にいい時代になったと思いましたね。

コラボや苦労については3ページ目で!

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データ

▼『真・三國無双7』ダウンロード版
■メーカー:コーエーテクモゲームス
■対応機種:PS3
■ジャンル:ACT
■発売日:2013年2月28日
■価格:6,600円(税込)
▼『電撃PlayStation Vol.537』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2013年2月28日
■定価:690円(税込)
 
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