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2013年3月10日(日)

稲船敬二さんをはじめ多数の開発関係者が登壇した“『ソウル・サクリファイス』共闘サミット in 秋葉原”の模様をお届け

文:皐月誠

 3月9日、東京都・ベルサール秋葉原にて、PS Vita用ソフト『SOUL SACRIFICE(ソウル・サクリファイス)』の発売を記念した試遊イベント“『ソウル・サクリファイス』共闘サミット in 秋葉原”が行われた。

『ソウル・サクリファイス』
▲開場の瞬間。開場前から、多くの人々がベルサール秋葉原に集まっていた。

 『ソウル・サクリファイス』は、稲船敬二氏率いるコンセプトが企画・開発、マーベラスAQLが開発を手掛ける共闘ACT。リアルなファンタジーの世界を舞台に、人間の欲望をテーマとしたストーリーが描かれる。プレイヤーは魔法使いとなり、“代償”を支払うことで手に入れた“力”を駆使して魔物と戦っていく。

 この中で行われたステージイベントの模様をお届けする。MCを務めたのは、タレントの椿姫彩菜さんとSCE広報の北尾泰大さん。その他、稲船敬二さんをはじめとして8名の開発関係者が登壇した。

『ソウル・サクリファイス』
▲北尾さん(左)と椿姫さん(右)。

■“『ソウル・サクリファイス』共闘サミット in 秋葉原”登壇者(敬称略)
【MC】
 椿姫彩菜(タレント)
 北尾泰大(宣伝/SCE)
【ゲスト】
 稲船敬二(コンセプター/コンセプト)
 伊藤亜紀子(プロデューサー/コンセプト)
 下川輝宏(ディレクター/コンセプト)
 岡村光(デベロップメントディレクター/マーベラスAQL)
 鈴木一徹(デベロップメントディレクター/マーベラスAQL)
 本村健太郎(プロデューサー/SCE)
 鳥山晃之(アソシエイトプロデューサー/SCE)
 菅野有造(クオリティマネージャー/SCE)

『ソウル・サクリファイス』
▲左から鳥山さん、伊藤さん、鈴木さん、岡村さん、稲船さん、本村さん、下川さん、菅野さん。

■開発テーマ

『ソウル・サクリファイス』

 稲船さんは最初に、本作の開発テーマを“みんなで楽しく遊んでもらう”ことだったと紹介。ただし、和気あいあいとした今までのゲームの1歩先を目指し、実際に生死がかからないゲームだからこそ命がけの駆け引きを楽しめるようにしたと語った。

 本作は市場の反響が高く、売り切れている店舗もあるとのこと。これについて稲船さんは、「売り切れって嬉しいですよね」とコメント。手に入れられず不満を覚えるユーザーも発生するため、喜ばしいばかりでもないと触れつつ、“全然ない”のではなく“売り切れている店舗もある”という状態なのでベストかもしれないと語り、笑いをこぼしていた。

 ゲーム開発において開発者自身の趣味を入れすぎるとユーザーが離れてしまうが、普通のものを作ってもいけないため、稲船さんは“王道なんだけれどちょっと違う”着地点を目指したとのこと。下川さんは矛盾した部分もある開発コンセプトについて、象徴的なフレーズを残したまま原曲を再構成する音楽のリミックスに近い形だと考えて制作を進めたという。

 椿姫さんから開発の苦労点を問われた下川さんは、数ある魔物のうちの1体であるケルベロスをピックアップ。本作にはファンタジー作品でおなじみの魔物が多数登場するが、それらはオリジナルの設定から大きくアレンジされている。ケルベロスの制作は開発序盤だったので試行錯誤を繰り返したが、完成したら本作における魔物の方向性が固まり、どんどん新しい魔物が作り出されたと語った。

 世界設定や個性的な魔物をゲームに落とし込んでいった鈴木さんも、完成したケルベロスを動かして本作のアクションをどのようにするべきかがわかったとコメント。また1つ1つに代償が必要となる本作のアクションについて、序盤は面倒を覚えるが、クセになってくると世界観がよりわかって深く楽しめると解説した。

■『ソウル・サクリファイス』制作の舞台裏

 稲船さんは、自身の“ゲームの作り方”について、印象的なシチュエーションから考えていくと明かした。『ソウル・サクリファイス』は、登場キャラクターが「ここは俺に任せて先へ行け!」と言うようなシーンをゲームシステムに組み込もうというのが出発点だったという。

『ソウル・サクリファイス』
▲例に同氏が愛好するゾンビ映画を挙げ、ゾンビの大群に銃を撃つ様を表現する稲船さん。出自がキャラクターデザイナーのため、ビジュアル優先で開発するという。

 次に、菅野さんがバランス調整の作業について紹介。ゲーム内の進行やプレイのバランスはもちろん、SCEのチューニングチームと強力して“共闘感”を盛り上げるとともに、コックピット(ユーザインターフェイス)から不満になる要素を削っていったと解説した。

 テストプレイ時、ストーリーモードのニミュエを倒せなくて苦労したという菅野さん。下川さんはそれを受け、プレイヤーの得手不得手がある中で、簡単すぎても難しすぎてもいけないが、それでいて入り込みやすくなければいけないとバランス調整の難しさを語った。

 当初の難易度は、鈴木さんが“ユーザーを殺す”という基本方針のもとに初見では絶対にクリアできないようなシビアな難易度で設計していたとのこと。稲船さんからは「“一徹バージョン”も売り出したらいい」という発言も出たので、もしかすると後にDLCとして配信されるかもしれない。

『ソウル・サクリファイス』
▲椿姫さんの「この中で一番うまいのは?」という問いかけに、満場一致で選出される鈴木さん。

→プロデューサー陣が語る開発の模様とは?(2ページ目へ)

(C)Sony Computer Entertainment Inc.

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データ

▼『PlayStation Vita SOUL SACRIFICE PREMIUM EDITION』
■メーカー:SCE
■発売日:2013年3月7日
■価格:29,980円(税込)
 
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▼『SOUL SACRIFICE(ソウル・サクリファイス)』ダウンロード版
■メーカー:SCE
■対応機種:PS Vita
■ジャンル:ACT
■発売日:2013年3月7日
■価格:4,900円(税込)

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