2013年3月13日(水)
バンダイナムコゲームスから3月14日に発売されるPSP用ソフト『ソードアート・オンライン -インフィニティ・モーメント-』。その情報を毎週紹介する特集企画“ソードアート・トゥデイ”の第15回をお届けする。
本作は、電撃文庫の小説シリーズ『ソードアート・オンライン』を題材にしたRPG。原作者・川原礫先生による監修のもと、小説やTVアニメで描かれなかったオリジナルエピソードが展開する。原作では75層で終了してしまった浮遊城《アインクラッド》編だが、ゲーム版では76層から100層攻略までの物語が描かれ、進め方によってはマルチエンディングになる。
特集第15回は、サンプルROMを遊んだライターのレビュー2回目をお届けする。今回は、MMORPGを長年プレイしたライターMが実際にプレイして判明した数々の要素も紹介する。明日発売の本作を待ち望んでいるファンはお見逃しなく!
こんにちは。ライターMです。レビューの依頼をいただいた時、真っ先に「アニメ原作のキャラゲーならさぞかしユル~く遊べるのでしょう?」などと思ったのですが、フタを開けたらまあビックリ。ヌルいキャラゲーどころか細部まで徹底的に作り込まれたガチのRPG、しかもMMOのテイストをほぼ完全に再現しているじゃないですか。
筆者の場合、お仕事で約10年間ほどMMORPGに携わってきたので、今回はムダに長い経験を踏まえて書かせていただきます。ゲームの原作である『ソードアート・オンライン』がどのような作品で、『ソードアート・オンライン -インフィニティ・モーメント-』がどのような物語なのか? そのあたりはソードアート・トゥデイの過去記事をご覧あれ(いきなり丸投げ!?)。
プレイヤーは主人公・キリトとなって、ヒースクリフ撃破後も終わることなく続くゲームの謎に挑みます。なぜか《アルヴヘイム・オンライン》編の登場人物であるリーファ(キリトの妹・直葉)が登場したりと、原作ファンにしてみれば賛否両論な部分もありますが、ifの世界を描いたスピンオフ作品と受け止めればこの上なく楽しめる一本です。
▲筆者としてはリーファちゃんと一緒に冒険できるというだけで即買い! 原作者監修というだけあって、イベントのセリフ回しも違和感なし。想像を絶する作り込みっぷりといい、制作スタッフはかなり原作とMMORPGに精通していることが伺えます。 |
▲パートナーとの連携やNPCとの共闘もアリ。本物のMMORPGだと他人とのコミュニケーションが煩わしいという人や、生活時間帯が合わないという人にもオススメです。 |
肝心要のゲーム部分ですが、現実世界の時間にこそシンクロしていないものの、プレイ中はゲーム内でも時間が流れて、フィールドの様相も朝昼夜と時間経過に合わせて変化します。オープンワールド形式で描かれる広大なフィールドでは他のパーティ(もちろんNPC)も激闘を繰り広げていて、時には共闘(レベル上げの手伝い)を依頼されるといったイベントも発生。モンスターには生息域やアクティブ&ノンアクティブなどの性質も細かく設定されていて、ダンジョンの奥深くには凶悪な“NM(ネームド・モンスター=手強い特殊モンスター)”も潜んでいたりします。
バトルはオートアタック形式で、ゲージに応じてソードスキル(いわゆる必殺技)を発動したり、パートナーとタイミングを合わせたスキルチェイン(連係攻撃)も可能。ヘイト(敵対心)や位置の概念も取り入れられているので、パートナーと盾役をスイッチ(入れ替え)して、敵の背後に回り込んでダメージボーナスを狙うといった戦い方も楽しめます。
そして大きな見どころとなるのが、複数パーティが入り乱れて戦う大規模ボスバトル! フラグとなるクエストをすべてクリアすると攻略会議が発生して、攻略組のパーティとともにボスの待ち受けるエリアへと突入します。この一連の流れが盛り上がることこの上なし。戦闘中は他パーティからの支援も受けられるので、まるで他のプレイヤーと遊んでいるような一体感も味わえます。
本作ではエリアが切り替わるごとにデータがセーブされるため、原作と違っていつでも中断可能。ナーヴギア越しに脳幹を焼かれる心配もないので(!?)、オフラインでMMORPGの雰囲気を味わいたいとか、手応えのあるRPGを求めている人には最適です。ただ、自由度が高すぎるせいか、クエストの手順や目的を見失いやすいといった難しさは否めません(チュートリアルやヒントメモはあるものの更新頻度は低め)。
何よりも、チャットを通じて他のプレイヤーに相談するというリアルタイムでの情報共有がないため、ある意味ではMMORPGよりも難しいかもしれません。また、オートマッピング機能はダンジョンのみで、広大すぎるフィールドで迷ったり、重要なポイントを見逃す可能性もあります。目視と記憶頼みの探索となるので、マップを覚えるように注意しないと大変かもしれません。
▲気になると言えば、休憩時のヒロインのセリフ。他意はないのでしょうけれども、「もう少し一緒にいさせて」から始まって、夜明けに「またひとつ思い出が増えました」とか言われた日には、某有名RPGの「夕べはお楽しみでしたね」を思い浮かべてしまうじゃないですか(え? それは筆者の心が汚れているから!?)。 |
(C)川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project (C)2013 NBGI
※画面は開発中のもの。
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