2013年3月30日(土)
――まず、どのような立場で制作にかかわられているかを教えてください。
Caroline氏(以下、敬称略):リードゲームプレイデザイナーとして、Davidがシナリオをおこした初日からゲームデザインにかかわる部分のアドバイスをしています。また実際にゲームに落とし込んだ際のチューニングも行っています。
――レベルデザインにとどまらず、全体を統括されているのですか?
Caroline:ええ。なかでもステージというよりコントロールを重点的にチェックしています。グラフィックチームとも連携して、実際にキャラクターを動かしたときに意図したゲームプレイになっているか、それに合ったステージになっているか、などを統括して見ています。
――先ほどのDavidさんのインタビューでは、前作以上に文字や記号のないインターフェイスを目指しているとのことでしたが、それをゲームに落とし込むにあたって苦労した部分はなんですか?
Caroline:一番難しかったのは、幅広い層がプレイできるコントロールを実現すること=直感的なプレイを可能にすることです。そのうえでカジュアルなプレイヤーにとって自然な操作ができるよう心がけました。重要なのは画面の中の情報だけで操作がわかるようにすることです。それが難しかったですね。
――試遊で特徴的だったのは、ジョディとエイデンの操作をいつでも切り替え可能なことでした。エイデンの存在は開発するうえでキーポイントだったと思いますが、そのゲームプレイの魅力とは何でしょう。
Caroline:エイデンを操作して一番楽しいのは“透明な存在“”かつ“力を持っている”ことで、人間以上の力で環境に影響を及ぼすことが可能です。2012年に公開したSWATを襲うシーンもそうですし、今回紹介した、実験室のおばさんにイタズラをしたりといったシーンがまさにそうですね。
――時にはエイデンがプレイヤーの手を離れて暴走することもあるのですか?
Caroline:ネタバレになるのであまり言えないのですが、エイデンは驚きに満ちた存在です。時にはジョディの意に反した行動をとることもあります。試遊で体験していただいた研究所のエピソードは、ジョディとエイデンが協力する形で進行するシーンでしたが、他のシーンではジョディにとって思いもよらない行動をとることもできるんです。
もちろん基幹となるストーリーの範囲内だけでなく、それ以外の部分を散策することも可能です。それによって、ジョディのことをより知ることができるようなものを発見できるかもしれませんね。
――今回のプレゼンテーションで公開された映像の中では、選択肢もいくつか登場しました。選び方によっては物語の展開、さらにはエンディングなどに影響を及ぼすこともあるのでしょうか。
Caroline:もちろんです。『HEAVY RAIN』と同じく、そのとき選んだ判断はリアルの人生と同様、のちのちのストーリーに影響します。前のチェックポイントに戻って選ぶことも可能ですし、自分の選んだ選択のままに先へ進めていっても問題ありません。
――今回も『HEAVY RAIN』と同様に、違った展開を見るために何周もプレイが楽しめそうですか?
Caroline:ええ、もちろん(笑)。
――これからどのような部分のブラッシュアップを行っていく予定ですか?
Caroline:ひたすらゲームテイストの調整、細部の調整ですね。あとはテストプレイも繰り返していきます。現在の完成度は85%~90%といったところですが、最後の10%が本当に難しいのです。
――ゲームプレイを統括するお立場として、まず本作のどのような部分を楽しんでほしいですか?
Caroline:エイデンの操作、そして全体を通して体験できる新しいゲームプレイですね。新しい物語、新しい体験に期待してください。
ジョディは特別な女の子ではありますが、女性として共感できる部分も多く、普通の女性の成長物語としても楽しめる側面があると思います。プレイヤーがジョディの人生に共感を覚えてくれることを期待しています。
2003年にプロデューサーとしてQuantic Dreamでのキャリアをスタートし、David CageとともにHeavy Rainの開発に従事。彼女の貢献とその知識・経験がタイトルに生かされたことにより現在のQuantic Dreamの個性ある開発スタジオとしての地位が確立される。
(C)Sony Computer Entertainment Europe. Developed by Quantic Dream.
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