2013年4月24日(水)

『トゥームレイダー』国内発売目前レビュー! ファンの不安を称賛に塗り替えた圧倒的“ララ・クロフト”感【春のレビュー祭り】

文:イトヤン

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『トゥームレイダー』は、CERO Z(18歳以上のみ対象)のソフトです。
※18歳未満の方は購入できません。
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 4月末~6月上旬にかけて、電撃オンラインが注目するゲームのレビューを連日掲載していく特別企画“春のレビュー祭り”。第3回では、4月25日にスクウェア・エニックスから発売されるPS3/Xbox 360/PC用ソフト『トゥームレイダー』のレビューを、洋ゲー大好きライターのイトヤンがお届けします。

『トゥームレイダー』

■アクションアドベンチャーのお手本のような構成が素晴らしい!

 『トゥームレイダー』と言えば、トレジャーハンターのララ・クロフトが世界各地に眠る古代遺跡を探索し、発掘物を狙う悪人やトラなどの猛獣と対決する、アクションアドベンチャーゲームの人気シリーズです。ハリウッドでは、アンジェリーナ・ジョリー(今ではブラピの奥さんですね)主演の実写映画が2本も作られたので、ゲームは知らなくてもララ・クロフトというキャラクターは知っているという人も意外と多いのではないでしょうか。

 これまでにも報じられてきた通り、本作は過去の『トゥームレイダー』シリーズの設定をリセットして、ヒロインのララは大学を卒業したばかりで冒険とはまったく無縁の、21歳の若き考古学者という設定になっています。ある遺跡の調査に向かうため、ララはエンデュランス号に乗り込んで人生初の航海に出発しますが、途中で船が嵐に襲われて、一行は謎の島に漂着します。この島に隠された謎を解き明かし、無事に島から脱出するというのが本作の大きな目的になっています。

『トゥームレイダー』 『トゥームレイダー』
▲ララ・クロフトと言うと、両手に二丁拳銃を構えて、敵対する者どもを次々と撃ち倒すスタイルが印象的です。しかし、本作でのルックスは、日本のゲームファンにも親しみやすいものとなっています。可憐さと内面の強さをあわせ持った、甲斐田裕子さんによる日本語ボイスもピッタリ。

 筆者自身は過去のシリーズのファンでもあり、そのため正直を言うと、今回のリブートに関しては期待半分、不安半分というところでした。ですが、いったん遊び始めるともう、止めどころがぜんぜん見つからないぐらい、この世界にハマりこんでしまいました。結局、13時間ほどぶっ続けでプレイして、シングルプレイのストーリーモードをクリアしてしまったのです!

 物語に直接関係のないチャレンジなどは省略しているところもあるので、コンプリートを目指せば15時間以上は余裕で楽しめるのではないでしょうか(注:筆者は今回、ノーマルモードでプレイしました)。それに加えて、シリーズ初のマルチプレイ対戦モードも用意されているので、ボリュームはバッチリだと思います。

 さて、なぜ止めどころが見つからなかったのかというと、本作はゲームプレイの進行具合が非常にしっかりと計算されていて、遊んでいてもまったく飽きることがなかったからです。本作のシングルプレイには大きく分けて、“探索”、“戦闘”、“QTE(クイックタイムイベント)”という3つの要素が存在しているのですが、この3つのバランスが本当に絶妙なんですよね。

【探索】

『トゥームレイダー』 『トゥームレイダー』
▲ゲーム序盤のララは、謎の島で正体不明の敵に襲われて、生き残るためのサバイバルに必死。ですが、ゲームが進むにつれて、島の洞窟や廃墟を自分から積極的に探索する局面が増えていきます。

【戦闘】

『トゥームレイダー』 『トゥームレイダー』
▲正体不明の男たちに襲われたララは、武器を手にして反撃を開始します。当初は弓矢やピストルで戦うことになりますが、プレイが進むに従って使用できる武器がグレードアップできるようになります。

【QTE】

『トゥームレイダー』 『トゥームレイダー』
▲QTEと言うと、ネガティブなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、本作でのQTEの発生頻度は比較的少なめです。その代わり、ストーリーの流れにそって絶妙なタイミングで発生するので、思わず惹きつけられちゃいます。

 とにかく本作は、プレイヤーをゲームの世界へと誘導していくアクションの構成が、実に巧みなものとなっています。個人的には、アクションアドベンチャーゲームというジャンルのお手本と言ってもいいぐらい、完成度の高いものだと思いました。

『トゥームレイダー』
▲過去のシリーズに比べてサバイバル要素の強い本作ですが、ストーリー進行上の目標となる場所からやや離れた位置に、隠しダンジョン的な“シークレットトゥーム”が用意されており、探索や謎解きもじっくり楽しむことができるようになっています。

 そこで次のページでは、本作のゲームプレイの構成がどう優れているのかを、具体的に語っていきたいと思います。

→新たなアクションを気持ちよく習得!(2ページ目)

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データ

▼『トゥームレイダー』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC
■ジャンル:ACT
■発売日:2013年4月25日
■価格:オープン価格

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