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2013年5月12日(日)

【電撃対戦企画】『ヴァンパイア リザレクション』のリベンジマッチを開催! 綾野プロデューサーと読者プレゼントを賭けた戦いの行方は!?

文:電撃オンライン

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■ユニークな“オーバーザショルダー”やチュートリアルが生まれた理由とは!?
今だから語れるスペシャルインタビュー

――先ほどは、GGPOについての解説、ありがとうございました。『ヴァンパイア リザレクション』のオンライン対戦は非常に快適にプレイできるのですが、どういう仕組みになっているのかわからなかったので、これでスッキリしました。

【電撃対戦企画】

 GGPOは、『STREET FIGHTER III 3rd STRIKE ONLINE EDITION(以下、ストIII ONLINE EDITION)』などに搭載しているのですが、だんだんノウハウが蓄積されてきて、『ヴァンパイア リザレクション』では、ユーザーからかなり高い評価をいただけています。対戦に特化したシステムだけあって、効果が出たかなと思っています。

――今後もGGPOは他の格闘ゲームでも採用していくのですか?

 GGPOにも長所と短所があるため、ソフトとの相性によると思います。『スパ4』の通信システムにも、“巻き戻らない”という長所がありますから。ただ、GGPOという選択肢が増えたのはとてもいいことだと思っています。

――ソフトについてお聞きします。発売後のユーザーの反響はいかがですか?

 オンライン対戦が非常に快適ですという反響がすごくあり、驚いています。もちろん、開発段階では、十分に精査していたんです。東京と大阪間や、東京とアメリカ間でつないでテストをしたり、あえて回線速度を遅くしてテストしたり、検証に検証を重ねて、その状態で快適にプレイできたという結果が出ていました。でも、それが逆に半信半疑になってしまって、「これで本当に大丈夫なのか?」というドキドキ感はありましたね。

――うまく行きすぎていて、不安になってしまったわけですね。

 はい(笑)。さすがにユーザーさんすべてのネット環境で検証したりはできませんので、万が一ということがありますから。力を入れただけあって、こうして高い評価をいただけているのは非常にうれしいですね。

――他にユーザーさんから意見や要望などはありましたか?

 初代『ヴァンパイア』と、『ヴァンパイアハンター2』、『ヴァンパイアセイヴァー2』を収録してほしかったという声が届いています。作ると決まったわけではないのですが、僕としては『ヴァンパイア リザレクション』の流れで、すべてのタイトルを収録したものを作りたいなとは思っています。

――メディア向けイベントでも、複数タイトルを出すと、対戦するユーザーが散ってしまうんじゃないかと説明されていましたよね。

【電撃対戦企画】

 そうですね。『ヴァンパイア リザレクション』を作るにあたり、まずは『ヴァンパイアセイヴァー(以下、セイヴァー)』が人気のあるタイトルだということは真摯に受け止めました。そのうえで、『ヴァンパイアハンター(以下、ハンター)』も未だに対戦しているプレイヤーがいるということで、この2タイトルに絞ったんです。基盤も、もっとも人気のあるものに絞っています。

――綾野さんから見た『ヴァンパイア』の魅力を教えてもらえますか?

 初代『ヴァンパイア』が出た時、僕は中高生ぐらいだったんです。恐らくですが、カプコンの先輩方は当時『ストリートファイターII(以下、ストII)』を超えようという意味で『ヴァンパイア』を作ったんだと思うんです。人間じゃないキャラクターたちを使うことで表現の幅が広がっていますし、アニメーションパターンも『ストII』よりも多いですし。ちなみに僕は当時『ヴァンパイア』を見て、「カプコンやるなぁ」と、上から目線で思っていました(笑)。

――そんな『ヴァンパイア』の後『ハンター』が登場しましたが、こちらはいかがでしたか?

 『ヴァンパイア』では、目押しコンボはやらずに、デミトリを使って地上と空中でカオスフレアを撃って遊んでいました(笑)。でも『ハンター』でチェーンコンボが登場し、目押しコンボをよりカジュアルにしたんだなと感心しましたね。

 『セイヴァー』では、“ダークフォース”というキャラクター固有のシステムが登場しました。当時『ストリートファイターZERO2』など、キャラクターが一定時間パワーアップするシステムが格闘ゲームの中で流行っていたんですが、そこで『ヴァンパイア』シリーズにも“ダークフォース”が登場したのはおもしろいなと思いましたね。開発者目線でも、いろいろと学ぶことが多いタイトルでした。

――今は『ヴァンパイア リザレクション』のプロデューサーになられたわけですが、当時を振り返っていかがですか?

【電撃対戦企画】

 まさか『ヴァンパイア』を売る側になるとは、夢にも思っていませんでした! 当時100円玉をつぎこんでいてよかったなと思います(笑)。

――当時の『ヴァンパイア』の思い出などはありますか?

 僕はどの格闘ゲームでも新キャラが好きなんですよ。『ヴァンパイア』ではまずデミトリ、『ハンター』では新キャラのレイレイを使っていました。なので、セオリーからすると、『セイヴァー』では新キャラのリリス、キュービィ、バレッタ、ジェダのどれかということになる。キュービィを選んだのですが、ちょっとしっくりこなくて、結局レイレイに戻ったんですよ。他の格闘ゲームも含めて、シリーズを持ち越して使っているのは、レイレイだけですね。

――『セイヴァー』のレイレイはしっくりきましたか?

 最初は、『ハンター』より低空ダッシュ大パンチの出が遅いじゃん! と思って、それでキュービィを選んだんですよ(笑)。でも『セイヴァー』のレイレイには『セイヴァー』のよさがあることに気付いて、レイレイに戻りました。

――『ヴァンパイア リザレクション』では、さまざまな画面タイプを選べますが、その中でひと際特徴的なのが“オーバーザショルダー”だと思います。これを導入したキッカケを教えてもらえますか?

【電撃対戦企画】

 『ストIII ONLINE EDITION』で画面タイプを選べるようにしたんですが、あれがおもしろいなと思ったんです。でも、『ストIII ONLINE EDITION』の画面タイプでは、格闘ゲームの上達という観点から、ちょっと実用性が足りないなとも考えていました。

――そこで“オーバーザショルダー”が登場したと。

 ベガ立ち(※格闘ゲーマーの間でよく使われる言葉。ベガのように腕を組んでゲームを見守ること)だと本当に客観的に見られるんですよ。自分のプレイをベガ立ちしながら見ることってないじゃないですか。自分のリプレイを“オーバーザショルダー”で見ると、新たな発見があると思うので、ぜひ試していただきたいですね。実用性が高いと思います。まぁ、ゲーセンの思い出補正かもしれないんですけどね(笑)。

――“オーバーザショルダー”はどなたの発案なんですか?

 北米の開発の発案です。最初に提案を受けて、「メッチャおもしろいじゃん!」と思いました(笑)。北米ではあまりゲーセンの文化がないと思うんですが、よくあれを思いついたなと感心しました。

――筐体が海外でよく見るキャビネットタイプになっているのも、北米発案だからなのでしょうか。

 そうですね。イラストのイメージも含め、北米を意識した作りにしています。

――BGMについてですが、『ヴァンパイア リザレクション』のメニュー画面で流れるのはモリガンステージのもの、『ハンター』ではデミトリステージのものですよね。この2つのチョイスは、看板キャラクターのステージのBGMということで非常によくわかるのですが、『セイヴァー』がレイレイステージになっているのには何かこだわりがあるのでしょうか?

 あれは、僕の個人的な趣味ではないんですよ(笑)。北米の開発から「リミックスを作りたいんです!」と強い要望を受けたので、GOサインを出しました。

――あと本作はチュートリアルがユニークな作りですよね。まずキャラクターのしゃべりがおもしろくて、読み物としても楽しいです(笑)。キュービィみたいに、複数同じ種族がいるキャラクターは、別の個体が別の個体に戦術を教えるというシチュエーションですが、デミトリなどは自分で分身を出して特訓をするという作りで(笑)。あれも北米の開発の方の発案なんですか?

【電撃対戦企画】

 そうですそうです。あれは僕も最初見た時びっくりしました(笑)。

――内容もすごいですよね。『セイヴァー』のオルバスのチュートリアルで、序盤からいきなり「我々の戦略は、ウォータージェイルなくしては語れない」と言い出して、泡ハメの練習をさせられるという(笑)。

 日本で作っちゃうと、もっと基本的なシステムを重視した、個性のないものになると思うんですが、あれはアメリカならではの発想なんだなぁと思いましたね。僕だったら多分あぁはしないですね(笑)。あと見どころは、タイトル画面の豆知識ですね。

――あれは見ていて楽しいですね! でも、いつも「ガロンの母親はガロンを生んですぐ死んだ」という豆知識ばっかり出ませんか?(笑)。

 あれは実はランダム表示じゃないんですよ。だから絶対に最初はガロンの母親の話が出るんです。あれをランダムにしてほしいという要望もきています。

――ぜひランダムにしていただきたいです(笑)。あとは要望の話が出たので、個人的にお願いがあるのですが、今後アップデートで、オンライン対戦のステージセレクトがデフォルトでランダムになる予定はありませんか?

【電撃対戦企画】

 まず大きなアップデートを、4月12日に行いました。これで不具合の修正やアーケード待ち受けの実装などに対応しています。このアップデートには、その修正は入っていませんが、1回のアップデートでユーザーの皆さんのご要望にお応えできるとは思っていません。ユーザーの声次第で、アップデートを実施しようと考えているところです。

――何卒よろしくお願いします。綾野さんもPS3版でオンライン対戦していると公式サイトのインタビューで読んだのですが、出没時間はいつごろなんですか? なかなかマッチングしないなと思いまして……。

 会社からつないでいるので、真昼間と深夜ですね。ただ、最近は『スパ4』のアップデート作業があるため、少し頻度は落ちています。申し訳ありません。

――なるほど、今度はその時間に接続してみます! それでは最後に、ユーザーに向けてメッセージをお願いできますか? 特に、昔『ヴァンパイア』を遊んでいたけど、まだ本作を買っていない人が結構いると思いますので、そういう人に向けてメッセージをもらえるとうれしいです。

 『ヴァンパイアハンター』って、カプコン内で史上最高に売れたアーケード基盤なんですよ。インカムも過去最高の記録を持っています。その勢いを考えると、昔やっていたけど、今は……という人はかなりいると思うんですよ。そういう人にこそ、ぜひもう一度触ってみてくださいと言いたいですね。それが新作につながると……信じています!(笑)。

 チュートリアルを触ってもらえれば、昔やっていた動きを思い出してもらえると思いますので。オンライン対戦も盛り上がっていますから、ぜひ対戦をしましょう!

【電撃対戦企画】
▲「まだ購入していない人にも、昔を懐かしみつつ、ぜひ楽しんでいただきたいです」と語っていた綾野さん。心の奥底に眠っているファイティングスピリッツを起こして、熱いバトルを繰り広げてみては?

 というわけで、なんだかんだで、今回も内容の濃かった【電撃対戦企画】。いろいろな意味で、内容が濃くなかった時があるのか?という突っ込みが出そうだが、そこはスルーしていただきたい。

 なお、カプコンさんから読者プレゼントとしてPS3/Xbox 360『ヴァンパイア リザレクション』をそれぞれ5名分いただいた。下記の応募フォームにアクセスして、必要事項や記事の感想などをご記載のうえで、奮って応募してほしい。なお1敗したということで、電撃オンライン蔵出しのゲーム関連グッズ詰め合わせセットも、若干名用意する。読者プレゼントの応募締切は5月19日23:59。

【プレゼントに応募する】

 部屋を出ようとして、カネキングを綾野さんが呼び止める。ともに戦った戦友として、写真を撮ろうというのであった。しかし、そのまま笑顔で写真を撮っても、記事的におもしろくない。その時、ドクターZのメガネがきらりと光った。

ドクターZ「前回の『DmC Devil May Cry』でやったように(こしょこしょこしょ)」

綾野P「よし、それで行きましょう!」

【電撃対戦企画】 【電撃対戦企画】

 ……パッケージイラストのオマージュですが、かなり不気味です。では、また次回の対戦で!

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データ

▼『ヴァンパイア リザレクション』ダウンロード版
■メーカー:カプコン
■対応機種:PS3
■ジャンル:FTG
■発売日:2013年4月17日
■価格:2,300円(税込)

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