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2013年5月9日(木)

『真・女神転生IV』はただのナンバリングタイトルではない! ファンだからこそ抱く“革新”への不安をディレクターの山井一千氏が払拭

文:電撃オンライン

■一撃死は『メガテン』の華!? バトルの難易度を設定可能にした理由

『真・女神転生IV』

──今回、携帯機でナンバリングタイトルを出すというのは英断だったと思うのですが、やはり葛藤などはあったのでしょうか?

 実は、ナンバリングは据え置き機でなければならないという感覚は、僕たち開発スタッフの中にはないんです。というよりも、キャラを育成するRPGなどのゲームって、携帯機にすごく向いていると思うんですよ。

 例えば『メガテン』なら、寝る前に悪魔合体を試して、満足のいく悪魔が作れたら寝ようとか、作った悪魔の強さを試したいからちょっとだけ遊んでみようとか、育成部分をかいつまんで遊びたい時ってありますよね。いつでもパッと始められて、やめる時はパタンと閉じればスリープ状態になる。携帯機なら、そういう楽しみ方を気軽にできると思うので、金子と一緒に企画を考えている段階から「出すなら携帯機で」と決めていました。

──ファンとしては、据え置き機で展開していたシリーズが携帯機に移ったことで、スケールダウンを心配してしまうのも仕方がないと思うのですが……。

 なるほど。とはいえ、据え置き機よりも苦労して作った部分もありますし、シナリオのボリューム的にもきっとご満足いただけるのではと自負してはいるんですけどね。

──ちなみに、シナリオに分岐があることは明言されているようですが……。

 ええ。分岐はありますね。今回、物語的なネタバレはあえてしないよう、細心の注意を払っているつもりなんですが、まぁ、パッケージのイラストをご覧いただいているファンの方には一目瞭然かもしれません(笑)。今までのシリーズのお約束はしっかり踏襲しているということで!

──“チャレンジクエスト”などのやり込み要素もありますし、個人的にはかなり長く遊べるタイトルだと思います。戦闘も歯ごたえありますしね。正直、難易度でもかなり変わってくる気もしますが。

 今回、戦闘の難易度を、通常の“新人”と、やさしくした“候補生”と分けて用意しているのには理由があるんですよ。実は、開発当初の段階では、通常の難易度もすごく下げて作っていたんです。

──えっ、そうなんですか? でも、それは正直ちょっと違うような……。

 ゲームをじっくり遊ぶのは面倒だって人でも、気軽に遊べるようにしたほうがいいのかなと。ただ、実際に作ってみてまったくピンとこなかったというか、「これはちょっと『メガテン』じゃないよね」ってことになりまして。やはり、スリリングな戦闘も本シリーズならではの醍醐味だという判断のもとに、途中で路線変更して一気に厳しくしました。

──おかげさまで、一撃死や二撃死という『メガテン』の醍醐味を、たっぷりと味わわせてもらっております(笑)。

 ただ、先ほどもお話した通り、今作はこれまで『メガテン』を遊んでいなかったユーザーさんにもぜひ手に取ってもらいたいと思っています。そのために難易度選択を可能にしましたので、シリーズのファンの方でも新規ユーザーさんでも楽しんでいただけるようになったかなと。ただまぁ、正直に言ってしまうと、「もう少しだけ簡単にしてもよかったかな」とは思っていますけど(笑)。

『真・女神転生IV』
▲プレスターンバトルの1つの完成形とも言える本作の戦闘システム。かなり歯ごたえがあるので、難易度選択ができるのはうれしい限り。

──バトルはかなり歯ごたえがあるって書かせていただきます(笑)。古きよきRPGが持っていた歯ごたえを踏襲しているとでも言いますか……。

 インターフェィスは時代に合わせてという話をしましたけれど、ここはあえて合わせないでというか、“おもしろいからぜひ挑戦してほしい”というエッセンスも盛り込んでおくべきだろうと考えたうえでの結論です。そのために、難易度選択も導入しているわけですから。

 難しいと感じた人は、ぜひ難易度を下げてプレイしてみてもらえればと思います。そこで戦術を学んで、上位の難易度に再挑戦していただければ。

──ちなみに、今回は“オススメ合体”っていうのもあって便利ですよね。

 そうですね。ストーリーだけを追いかけたい人のために、この“オススメ合体”を利用するだけでクリアできるようなバランスにはしているつもりです。

──それと、今回主人公が悪魔のスキルを習得することができるので、かなり強いですよね。戦闘で大活躍しています。

 そうですね。ちなみに悪魔からのスキル継承は、主人公をただ強化するための要素として採用したわけではないんですよ。

──と、言いますと?

 本来、悪魔って人間に悪い知恵を与える存在だと思うんですよ。余計なことを教えることも多いというか……。例えば聖書でいう知恵の実とか、悪魔が人間に戦争の仕方を教えたから、国同士が戦争するようになっちゃった、とか。そういう“悪魔のささやき”を要素として盛り込んだのが、“ウィスパーイベント”なんですよ。

──まさに“悪魔のささやき”なんですね。

 ええ。ですから、必ずしも強力なスキルを教えてくれるわけでもないっていう(笑)。僕、システムにもある程度、情緒的な設定とかが入っているほうが好きなんですよね。

──個人的には、悪魔との絆というか、認めてもらえたからこそ教えてもらえるものなのかなってとらえていたんですけど。

 そのとらえ方も、もちろん間違いではないですよ。逆に、結局のところ悪魔は悪魔でしかなくて、スキあらば主人公さえも取り込もうとしてるんだよと思っていただいても結構です。

『真・女神転生IV』
▲悪魔からスキルを継承できる“ウィスパーイベント”。よいスキルを習得できるチャンスであると同時に、悪魔を相手に何かを得るということの危うさが味わえる。

→ところで、“お祓い”には……?(4ページ目へ)

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データ

▼『真・女神転生IV』
■メーカー:アトラス(インデックス)
■対応機種:3DS(ダウンロード版)
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年5月23日
■価格:6,300円(税込)
▼『真・女神転生IV 限定モデル』
■メーカー:アトラス(インデックス)
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■発売日:2013年5月23日
■希望小売価格:25,880円(税込)
 
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