2013年5月6日(月)
PS3『ケツイEXTRA』トークステージではMAGES.が企画中の新作STGもポロリ? 特典のBDでは前人未到の領域にトッププレイヤーが挑む
5月5日、東京都・秋葉原UDX Galleryにて“Xbox 360専用ソフト『怒首領蜂 最大往生』発売記念祭り 完”が開催された。ここでは、そこで行われたステージイベント“『ケツイ』スペシャルトーク”の模様を紹介する。
『ケツイ ~絆地獄たち~』とは、2003年にケイブよりリリースされたアーケード用弾幕STG。MAGES.のゲームブランド・5pb.より、家庭用移植作品『ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA』のPS3版が7月25日に発売される。このステージにはケイブの浅田誠プロデューサーとMAGES.の盛政樹プロデューサー、鷺岡潮ディレクターが登壇した。なお、アリカの三原一郎 代表取締役副社長が出演者の間近で写真を撮り、(主に盛プロデューサーへ)プレッシャーを与えていた。
▲右に見切れているのが三原副社長。STGマニアはごぞんじの通り色々なことがあった各社だが、生暖かく見守りたい。 |
■PS3版『ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA』の内容は?
PS3版の本作は、Xbox 360版をもとに、ほぼそのまま移植されているとのこと。ただし、スフィンクス(2面ボス)のキャタピラの修正や、クレジット投入音の追加など、細かな改善が行われる。
細部の調整についても『ケツイ ~絆地獄たち~』のトッププレイヤーである鷺岡ディレクターが、相応のこだわりとセンスで尽力している。しかしトッププレイヤーならではの問題もあるようで、盛プロデューサーは「うますぎて、遅延があっても力でねじ伏せてしまう」と語っていた。なので、調整にあたっては他の開発スタッフや外部のデバッグ会社からも意見を採っているという。
移植度については、盛プロデューサーいわく「普通に遊ぶ分には問題ないレベル」とのこと。付け加えて、「三原さんは何か言うと思うけど」と苦笑交じりのコメントも重ねていた。なお、開発に関して盛プロデューサーはノータッチだという。
本作の初回限定版には、Xモードのアレンジサウンドトラックと、並木学さんの手によるステレオバージョンのオリジナルサウンドトラックが同梱される。これらに加えて同梱されるのが鷺岡ディレクターによるプレイ映像が収録されたBDだ。
▲BDに収録予定の映像を上映。画面左にはシーンごとの解説、画面右にはマップの全景が表示されている。 |
プレイ映像は、表2週では前人未到の6億点を目指し、裏2週では“もっとすごい映像”を予定して目下収録中とのこと。盛プロデューサーはこの特典について、「商業ベースで攻略映像を収録したBDがリリースされるのは恐らく世界初」とコメントした。なお、BDはプレス費が高額なため、限定版への同梱という形でしかリリースできないという。プレス費については浅田プロデューサーからも、ケイブが自社で発売した攻略DVDをBDにまとめてリリースする企画があったが、コストの問題で諦めざるを得なかったと語られた。
今回の収録には、高精細な映像でキャプチャできる専用の機材が新たに用意されているという。BDにはプレイ動画だけでなく、『ケツイ ~絆地獄たち~』の代表的なテクニック“空ロック”の解説動画や、プレイしている手元の映像も撮影する予定があるそうだ。
なお、公式な『ケツイ ~絆地獄たち~』の攻略映像が収録されたソフトは、INHがリリースしたDVDと、アリカから発売された3DS用ソフト『ケツイ デスレーベル』に同梱されたDVDがこれまでに存在する。しかし今回のプレイは従来から大幅にパターンが刷新されていて、かなり異なる内容になっているらしい。鷺岡ディレクターは、「ケツイは他のSTGと違ってパターンががらっと変わるので、見比べるとおもしろいかもしれない」と語っていた。
■全一プレイヤー・鷺岡さんがディレクターになった経緯
もともとは、一介の『ケツイ ~絆地獄たち~』プレイヤーに過ぎなかった鷺岡ディレクター。Xbox 360版『ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA』や『バレットソウル ‐弾魂‐』の時点ではテストプレイヤーとしてデバッグに参加していたが、『バレットソウル ‐弾魂‐』のダウンロードコンテンツ第2段“バージョンB”を開発していたころに、盛プロデューサーの一存によって、「『ケツイ』の全一でなくなったらクビ」という条件で入社することになったという。
本来は『バレットソウル ‐弾魂‐』に続くMAGES.のオリジナルSTGのディレクターを任されていたのだが、未経験の鷺岡さんに新規タイトルは荷が重かったため、PS3版『ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA』で経験を積むことになったという。浅田プロデューサーは、「ゲームの全一プレイヤーが、ゲームを好きすぎてゲーム会社の社員になって、好きなゲームを作っている」と感慨深げにコメントしていた。
そこまでこのタイトルに傾倒した理由を浅田プロデューサーが聞くと、鷺岡さんは「頑張れば頑張るだけ、攻めたら攻めるだけ(ハイスコアが)伸びる」ためとコメント。奥深い『ケツイ ~絆地獄たち~』のスコアシステムと、その研究のやりがいが最大の魅力だという。
なお、ここで存在がほのめかされた“MAGES.のオリジナルSTG第2弾”は、現時点では何も明かせないとのこと。しかし、明かせないということは“生きた企画”ということだろう。今後の展開も気になるところだ。
ちなみに、MAGES.には現在“高橋名人”こと高橋利幸さんが在籍している。盛プロデューサーは“名人”の新旧交代、あるいは新旧2人の“名人”としての活動も企んでいるらしい。
→常軌を逸した盛プロデューサーの“Xbox 360愛”とは?
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