2013年6月18日(火)
【ほぼ毎日特集】『じゃがりこ』がよく売れる場所やシーズンは? 18年の歴史秘話を掲載(第2回)
1995年に発売され、長きにわたって支持を受ける人気のお菓子『じゃがりこ』。その開発秘話や人気の秘密を探るため、発売元であるカルビーを取材してきました。
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このコーナー“俺得取材旅”は、電撃オンラインの“ほぼ毎日特集”の2回目となる企画記事で、編集者のそみんが個人的にピンと来たものを取材してくるというもの。ある意味で職権濫用的に、自分が好きなものを気ままにインタビューしてくるという、まさに“俺得”な記事となっております。
今回の取材対象は、カルビーが発売するロングセラーのお菓子『じゃがりこ』について。“食べだしたらキリン(きり)がない”のキャッチコピーでも有名なこのカップスナックは、1995年10月の発売以来(初期は新潟でのテスト発売。全国展開が完了したのは1998年頃)、ずっと高い人気を誇る大ヒット商品です(2012年度の売り上げは285億円だったとか)。1995年は自分が大学に入学した年で、ゼミや講義の合間にロータリーで『じゃがりこ』の“サラダ”や“チーズ”をカリカリ食べていた思い出があります。
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▲2013年5月時点でのベーシックラインは、“サラダ”、“チーズ”、“じゃがバター”、そしてコンビニ限定の“たらこバター”。この他、期間限定の商品も発売されている。 |
カップ型なのでカバンに入れて持ち運びやすく、からりとしたポテトスティックは手でつまんでも汚れにくく、何よりちょっと固めのカリカリ食感がたまりません! つい最近も期間限定の“アボカドチーズ”(セブンイレブン限定商品)や『お・と・な じゃがりこ カマンベールチーズ』(期間限定商品)をおいしくいただいたことですし、趣味と実益を兼ねて取材に行ってきました。
インタビューのお相手は、じゃがりこ事業部の部長である小泉貴紀さん。『じゃがりこ』について8年以上もマーケティングにかかわってきた方ということで、いろいろな思い出話や開発エピソードをお聞きしてきました。
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▲小泉貴紀さん。カルビーのマーケティング本部 じゃがりこ事業部 部長を務める。 |
【『じゃがりこ』インタビュー記事 もくじ】
・初期の『じゃがりこ』はカップ型だけでなく箱型も検討されていた!?
・大ヒットの理由は耳に残るCMなどを含めた“4つのP”! その正体は?
・『じゃがりこ』らしさって何? なんと食感と“サラダ”の味は18年変わってない!
・人気グッズの“フタ”や揚げたて『ポテりこ』の誕生秘話を掲載
■初期の『じゃがりこ』はカップ型だけでなく箱型も検討されていた!?
――まずは定番的な質問ですが、『じゃがりこ』がどのような経緯で生まれたのかについて教えてください。
いくつかの段階があるんですけど、大元をたどると1992年に行った社内での需要開発に関するプロジェクトになります。当時、弊社の『ポテトチップス』などをはじめ、お菓子と言えば袋菓子が主流でした。袋菓子の市場が成熟している中、新たな分野での需要を開発するための流れの中で、『じゃがりこ』の原点となるアイデアが生まれたんです。
――具体的には、どのようなキーワードをもとに開発していったのでしょうか。
“いつでもどこでも、みんなで楽しく手を汚さずに食べられるスナック菓子”です。これは、ワークショップを開いて、“これからのスナック菓子に求められること”を話し合った際に出たキーワードでした。これを出発点に具現化していった結果、『じゃがりこ』になっていったんです。
もう1点、開発初期から意識したのが、“女子中高生”というターゲット層でした。従来、スナック菓子のメイン層は男子中高生と、お子さんがいらっしゃる主婦の方だったので、そことは違う需要を開拓することを意識していました。だから、女子中高生のカバンに入れても不自然じゃないようなお菓子というコンセプトで開発していきました。
――なるほど。だからコンパクトで持ち運びやすいカップ型になったんですね。
ありがたいことに、今ではカップ菓子といえば『じゃがりこ』というイメージで認識していただいてますが、最初から今の形だったわけではありません。そもそもは『じゃがスティック』という商品名で、1994年2月にテスト発売をした際は、お菓子としてなじみがある箱型と、飲み物としてなじみはあるもののお菓子としてはチャレンジとなるカップ型の2種類を用意しました。
パッケージの形だけでなく、スティックの形や長さも違いました。今のような丸い形ではなく、四角いスティックで、長さも今の2倍くらいありました。
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▲『じゃがりこ』の誕生秘話が楽しめる、パッケージライブラリー。初期にはカップ型ではなく、箱型での案もあったとのこと。 |
――なぜ、今の形へと改良されていったのでしょうか。
食感の問題や、長すぎて食べにくいといった声があったんです。そこで、それを反映して1995年にもう一度テストを行いました。箱型は、容器サイズはそのままで、より食感をよくするために形を丸くしました。一方、カップ型のスティックは、よりコンパクトになるように四角いまま短くし、カップの形も短く太く調整しました。
こうして、箱型とカップ型の両方のいいところを生かして、1995年10月、新潟で初代『じゃがりこ』が発売になったんです。その後、約3年をかけて全国展開を完了した流れですね。
――カップ型になった決め手は、どこだと思いますか?
カップ型の利点として、1回開けたらすぐにつまんで食べられるよさがあります。箱型の場合は、外箱を開けて、中の包装袋を開けてと、ちょっとだけ面倒な部分があります。箱型には箱型のよさがありますが、『じゃがりこ』に関しては“いつでもどこでも楽しめること”に特化して考えていたので、カップ型との相性がよかったんだと思います。
こういった開発秘話については、公式サイトである“じゃがりこWeb”のパッケージライブラリーで閲覧できます。
――“じゃがりこWeb”にはさまざまな豆知識が掲載されていますが、『じゃがりこ』の商品名の由来(※)が開発者の友人のリカコ(利加子)さんだと知ってビックリしました。その他、“食べだしたらキリンがない”というキャッチコピーなど、いろいろと遊び心が盛り込まれてるのが印象的です。
※『じゃがりこ』の商品名の由来:新しく作ったじゃがいものお菓子を、開発者の友人のリカコ(利加子)さんがおいしそうに食べているのを見て、“じゃがいもりかこ→じゃがりかこ→じゃがりかこ→じゃがりこ”という言葉を思いついたという。
当時の開発担当者がダジャレ好きで、その流れが今も生きています。大元のキャッチコピーは「“やめられない とまらない”で親しんでいただいている『かっぱえびせん』のように多くのお客様に末永く愛されるスナック菓子になりたい」という思いから生まれました。おいしいだけでなく、楽しい気持ちにもなってもらえたらうれしいという、我々一同の気持ちが、遊び心につながっているのかもしれません。
そういった部分が何年もかけて定着していって、今の『じゃがりこ』らしさになっていると思います。Webが普及し始めた頃、『じゃがりこ』の新商品を買ったお客様がブログでダジャレの部分をいじっていることが多くて、やっぱり『じゃがりこ』にとって遊び心は本当に重要なんだなと再認識しました。
10周年を記念して、2005年からはデザインバーコードを採用しましたが、これもお客様に好評ですね。
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▲見た目的にも楽しめる、コミカルな演出がされたデザインバーコード。商品名をもじったダジャレが書かれていることも多い。 |
――こういったダジャレの出来に関する判定は厳しかったりするんですか?
基本は“楽しさ”の部分なので、そんなに理詰めでシビアには考えていませんね。基本的には、各商品の企画担当者が提案するような流れです。
ちなみに『じゃがりこ』のパッケージには、キリンがしゃべるダジャレと、デザインバーコード上のダジャレと、2種類のダジャレが書かれています。このうち、キリンがしゃべるほうは、“その商品がどんな味なのか”を盛り込むように意識しています。それに対してデザインバーコードのほうは、特に縛りなしで、純粋にダジャレがおもしろいものを優先する形にしています。
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▲パッケージに掲載された2種類のダジャレは、それぞれ違う方向性で考えているという。 |
■大ヒットの理由は耳に残るCMなどを含めた“4つのP”! その正体は?
――小泉さんにとって『じゃがりこ』の一番の魅力はなんだと思いますか? また、ヒットの理由はどこにあったのでしょうか?
なんといっても中心にあるのは食感ですね。カリカリした歯ごたえある食感は、約18年を経た現在もなお真似されてない部分であり、これが『じゃがりこ』の最大の魅力であり、強みであると思います。
ヒットの理由については、これは私なりの解釈なんですけれども、“4P”がうまく回ったことが大きかったと思います。
――“4つのP”ですか。具体的には?
最初のPはPRODUCT(プロダクト)、すなわち『じゃがりこ』という“製品”そのものがよかったことだと思います。それまでにない食感のお菓子であり、ちゃんと生のじゃがいもを使って工場ごとに品質の出来栄えをチェックして改良していくという、非常にクオリティが高い製品を作ることができました。
次にPRICING(プライシング)、つまり価格設定の部分ですね。発売当時、スーパーなどの店頭で特売される際に、“税抜で100円”とうたえるぐらいの価格設定に調整しました。“手に取りやすい価格”を意識したことで、より多くのお客様に食べていただくことができたと思います。
そしてPLACE(プレイス)=場所ですけど、これは売り場の部分に関する話です。当時、カルビーの中でも営業大転換と言われた時期でもありまして、問屋さん主体の影響から、よりお客様に近いスーパーなどの店頭を起点とする営業活動にシフトしていく時期でした。店頭でのフェイシング(※)を効果的に行うことができたため、『じゃがりこ』にとって追い風になったと思います。
※フェイシング:商品陳列の際の最前面(フェイス)の数を設定すること。売れる商品をたくさん前面に出して売上を増やす他、前面に出す数を絞って品ぞろえの豊富さを前面に出すなど、マーケティングで重要になる要素。
最後は、PROMOTION(プロモーション)のPで、特にテレビでのCMの効果が絶大でした。今でもお客様から「耳に残っている」という声をいただくんですが、“じゃーがーりーこーじゃーがーりーこー♪ じゃがりこじゃがりこじゃがりこ♪”という独特のリズムで『じゃがりこ』を食べるCMは、本当に大きな反響をいただきました。
こうして、プロモーションが気になったお客様がお店に行くと、効果的なプレイスで手に取りやすいプライスの『じゃがりこ』が置かれているわけです。もちろん、プロダクトのところはきちんとしたクオリティで提供している……と、4つのPがうまくかみあったと思います。
これらに加えて、ファンサイトの“じゃがり校”など、お客様とのコミュニケーションを継続してきたことなどから、『じゃがりこ』のロングセラーにつながったんだと思います。
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▲会員制のファンサイトの“じゃがり校”のメンバーは、新商品の開発への参加・協力なども行っている。 |
■『じゃがりこ』らしさって何? なんと食感と“サラダ”の味は18年変わってない!
――長い歴史の中で、『じゃがりこ』はどのように変わってきたのでしょうか。
2007年くらいに新しいイノベーションを起こしていこうということで、いくつかの活動をプラスした経緯があります。
1つ目は、『じゃがりこ』というブランドの再規定でした。1995年の発売から時間がたったこともあり、現代に合わせたバージョンでブランドの価値を規定し直そうと考えました。簡単に言うと、“『じゃがりこ』らしさとは何か?”の判断基準を作った形です。
例えば、お客様から“『じゃがりこ』をもっとたくさん食べたい”という声をいただくことが多いんですけど、そうなると当然社内では“大きめの袋タイプにすればいいじゃないか”というアイデアが出てくるわけです。でも、それは絶対やめようと。
――大きめの袋だとボリュームが出てうれしい気もしますが、ダメなんですか?
『じゃがりこ』の価値は、食べやすさ、携帯性の部分で規定されてますので、そういった特徴を損なうような形にするわけにはいきません。こういった判断基準として、ブランドの価値を規定した形ですね。
ちなみに、昨年の10月からレギュラーサイズの120%のボリュームの『じゃがりこLサイズ』をコンビニ限定で発売しましたが、もちろんカップ型のパッケージです。
――たしかに“らしさ”を守ることは大事ですね。
2つ目の試みは、商品のラインナップの拡張でした。当時のベーシックラインは、“サラダ”、“チーズ”、“じゃがバター”、“ジャーマンポテト”の4つだったんですけど、4つ目の味がなかなか定着しなかったんですよ。今も定番として定着している“サラダ”、“チーズ”、“じゃがバター”と比べて、4品目はどうしても時間とともに販売が鈍化していく流れだったので、思い切って4品目は“期間限定品”と位置づけて、レギュラーである3つの味を活性化させるためのものとしてラインナップを変更しました。
そして3点目が、ロイヤルユーザーの育成を目的としたファンとの交流に関する対策です。初期はお手紙などでのやり取りでしたが、Webの重要性が増してきた時期でもあり、リアルタイムでの交流ができるというメリットも含めて、ファンサイトの“じゃがり校”の展開を考えました。
いろいろと考えたんですが、お客様にとって一番うれしいのは自分たちで新商品を作れることだと思い、“じゃがり校”ではそういう展開を盛り込みました。2009年発売の“カルボナーラ味”から始まり、“フライドチキン味”、“チーズカレー味”、“えだ豆チーズ”、“ホタテ醤油バター”と、さまざまな新商品が“じゃがり校”から生まれてきました。
――ロングセラー商品であればあるほど、どこかのタイミングで展開を見直すことが大切なんでしょうね。
何をどう変えるかと考えた時に、急に何かをやるのは難しい部分があります。期間限定品については、定番品ではないという決めごとにしたことによってチャレンジができるようになり、おもしろさが出てきたという現象ですね。
――ちなみに、定番品の味は随時改良しているのでしょうか。それとも、ずっと変えずにいるのでしょうか。
レギュラーの3つの味で言うと、“チーズ”と“じゃがバター”は時代によって変えてきました。その一方で、“サラダ”は1995年の発売以来、まったくいじっていないですね。正確に言えば、“サラダ”については変える必要がなかったということですね。
実は売上的に、圧倒的に“サラダ”が突出して高いんですよ。レギュラーの3つの味の売り上げを100とすると、常に“サラダ”が50以上を占めて、残り半分を“チーズ”と“じゃがバター”が半々ぐらいの感じです。やや“チーズ”のほうが売り上げが高い部分はありますが、ほとんど同じですね。
――“サラダ”、“チーズ”、“じゃがバター”のどれが一番おいしいのか論争になることがありますが、売り上げ的には“サラダ”なんですね。個人的には“サラダ”派ですけど、小泉さんはいかがですか?
思い入れで考えると、“チーズ”ですね。『じゃがりこ』の顔であり、看板になっているんですけど、これがやっぱり時代時代で苦戦する時がありまして……。レギュラー落ちにはさせたくないと思い、なんとかしてあげたいと試行錯誤しながら今に至る感じです。
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▲最初は“Oh!”、あとから“ジワジワ”と2段階の味わいが楽しめるのが特徴の『Oh!じゃがりこ』。現在は“わさび醤油”と“マスタード”が販売中。 |
――味ではなく、食感の部分は昔と比べて変えているのでしょうか。
変えていませんね。もちろん、生のじゃがいもから作っているので多少のバラツキはありますが、作り方自体は変えていません。やはり食感の部分も、『じゃがりこ』の“らしさ”の部分だと思いますから。
ただ、食感とは違う部分で新たな試みをした派生品として『Oh!じゃがりこ』という商品があります。通常の『じゃがりこ』は手が汚れないように、生地に具材を練り込む形にしているんですけど、『Oh!じゃがりこ』はお酒のおつまみにもなるような少し大人向けの商品としているため、ポテトスティックの表面にも味付けをしています。普通の『じゃがりこ』よりも味が強く、ちょっと変わった味わいを楽しめますので、ぜひ一度試してみてもらえればと思います。
■人気グッズの“フタ”や揚げたて『ポテりこ』の誕生秘話を掲載
――これまで『じゃがりこ』に携わってきて、思い出深いエピソードがありましたら教えてください。
15周年記念商品を考えていた時、メンバーとさんざん話し合ったんですけど、本当に特例的に、ダジャレから“感謝のキムチ(気持ち)味”にしたことが思い出深いです。普段はダジャレではなく、味のおいしさを優先で商品を考えていくんですけど、この時だけは15周年の記念ということで、例外的にインパクト優先としました。味よりも先にダジャレを決めたのは、この商品が初めてでしたね(笑)。
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▲2010年に15周年記念として発売された“感謝のキムチ味”。ピリ辛で美味な期間限定商品だった。 |
それからもう1つ印象に残っているのが、今もコンビニ限定で販売している“たらこバター”です。これがもう爆発的に売れまして、2010年10月にチェーン限定・数量限定で発売したところ、約2週間で完売しました。その後、2011年にも期間限定商品として再販したところ、この時も販売終了期間を2カ月延長するほどの大人気となり、2012年6月からは新定番としてコンビニ限定販売でレギュラーとなりました。
4つ目の枠としてさまざまな味に挑戦しましたが、さすがにもう定番に残れる味は限界に来ているだろうと、私に限らず全員がそう思ってる時期でした。そんな中、この“たらこバター”が大ヒットしたんです。
――たしかに“たらこバター”は、コンビニ専売ではありますが、完全にレギュラー枠となっていますね。個人的には、毎年の春の時期に発売される梅味も、準レギュラーのように感じています。
2008年の“ほんのり梅味”から始まり、去年の春は“おいしそ梅”、今年の春は“よろこぶ梅”と、期間限定ものとして定着してきてますね。
――ちなみに“グラタン”などの期間限定商品は、何度か再販されていますが、同じ名称の場合は味も同じなのでしょうか。
基本的には改良しています。以前のものと食べ比べて劇的に変わっているとは限りませんが、せっかくもう1回作るチャンスがあるなら、よりおいしくしたいという気持ちがありますので。以前に発売した際にリサーチした情報を加味して、よくなかった部分は改善する形になっています。
――地域限定のおみやげ商品にもユニークなものが多いと思いますが、最近のもので注目商品はなんですか。
昨年の秋に日本海地区限定で発売した“贅沢カニだし味”が好調です。
――カニの身が入ったディップソース付きで、800円ぐらいする高級なやつですね。食べてみたいんですが、近所では売っていないんですよね……。こういった地域限定品を手に入れやすい方法はありますか?
ショッピングサイトに通販として取り扱っていただいている場合もありますが、そこはおみやげ商品ですので、できるだけご当地で購入していただくのがうれしいですね。どうしても欲しい時は、弊社のオフィシャルなアンテナショップ“Calbee+(カルビープラス)”にお越しいただくと、地域限定の商品を扱っています(※)。
※地域限定の商品を扱っています:すべての地域限定の商品を扱っているわけではありません。なお、“贅沢カニだし味”は“Calbee+(カルビープラス)”では扱っていません。
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▲“Calbee+(カルビープラス)”は日本全国で6店舗が展開中。左から東京・原宿竹下通り店、東京(浅草)・東京ソラマチ店、北海道・新千歳空港店となり、この他に沖縄・沖縄国際通り店、東京・東京駅店、東京(お台場)・ダイバーシティ東京 プラザ店が展開。東京ソラマチ店は5月21日にオープンしたばかりの新店で、“じゃがりこのフタ”の限定品など、ここでしか買えない限定グッズも取り扱っている。 |
――“Calbee+(カルビープラス)”といえば、揚げたてのポテトスナックが食べられることでも有名ですね。通勤中に東京駅を経由するので、たまに東京駅店に寄り道して『ポテりこ』を食べるんですけど、やっぱり揚げたては格段にうまいですね!
『ポテりこ』はある意味、スナック菓子の枠を超えた冷凍食品事業としての挑戦ですね。一時期は一部のショッピングサイトで、テスト的に一般流通をしていたこともあります。
――ちなみに現在、一般でも購入することはできますか?
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▲『じゃがりこ』の弟的な存在ともいえる『ポテりこ』。アンテナショップで熱々の揚げたてを楽しむことができる。 |
基本的にテストケースとなりますので、流通の規模は小さいです。“Calbee+(カルビープラス)”で食べていただく形になりますね。
ちなみに、ほとんどの店舗の『ポテりこ』は“サラダ”だけなんですけど、それに加えて新千歳空港店では“チーズ”、沖縄国際通り店では“チーズ”やさつまいも味の『スイートポテりこ』を楽しめます。店舗によって限定のホットスナックが用意されていることもあるので、旅行の際などはぜひ、各地の“Calbee+(カルビープラス)”にも足を運んでみていただけると楽しいと思います。
――“Calbee+(カルビープラス)”では、たくさんの関連グッズも多数発売されてますよね。個人的には『じゃがりこのフタ』(※)がお気に入りです。
※じゃがりこのフタ:開封した『じゃがりこ』にセットできる、開閉機能がついたフタ。アンテナショップの“Calbee+(カルビープラス)”やカルビーオンラインショップで発売中で、それぞれデザインが異なる。なお、カルビーオンラインショップでの取り扱いは期間限定となる。
あれは元々、商品ではなく、お客様へのお礼用だったんですよ。今は公式サイトなどでアンケートを行っていますが、昔は普通に手紙としてたくさんの方からファンレターをいただいており、そういった方へのお礼として作ったグッズなんです。
――フタというアイデアはどこから生まれたんですか?
いろいろと理由はあるんですけど、1つの狙いとして“次も『じゃがりこ』を食べてほしい”という隠しテーマがありました。ノートやペンのようなグッズだと、次に『じゃがりこ』を食べてくれる気になるかどうかわかりませんが、フタをもらったら、そのフタを使うために『じゃがりこ』を食べたくなるじゃないですか(笑)。
――その気持ちはわかります! フタをもらったら、使いたくなりますから(笑)。
そういった出発点から、店頭でのプロモーションでもフタを使うようになり、アンテナショップなどでも販売するような流れになっていきました。このフタは本当に人気が高く、“Calbee+(カルビープラス)”で一番多く売れている人気のグッズとなっています。
■『じゃがりこ』にとって特別なのは●●県!? よく売れる場所やシーズンとは?
――個人的な興味なんですけど、『じゃがりこ』の人気が特に高い地方や県はあるのでしょうか?
具体的な数字を出せるわけではありませんが、感覚的なところでいうと、関東圏は新しい味の引きが強いですね。期間限定などで新しい味が発売されると、売れ行きがよくなります。
逆に地方や都市部から離れると、定番となるレギュラーが強い印象です。“サラダ”や“チーズ”、“じゃがバター”の人気がとても安定しています。
あとは特例として、新潟県は『じゃがりこ』全般の人気が高いですね。
――新潟県ですか? そういえば、先ほどの話では日本で一番最初に『じゃがりこ』を発売したのも新潟県でしたね。
やっぱり、『じゃがりこ』が生まれた場所ですから、何かと特別な部分があるみたいなんですよね。新しい味の『じゃがりこ』をテストする時も新潟県で行うことがありますし、そういう人気が培われてきた土壌があるんでしょうね。
――ちなみに、暑い時とか寒い時とか、『じゃがりこ』の売れ行きが上がるシーズンなどはあるのでしょうか。
『じゃがりこ』の特徴である“持ち運びやすさ”のおかげだと思いますが、皆さんが旅行や帰省をされるようなシーズンは売り上げが跳ね上がりますね。
――ああ、なるほど! 自分も新幹線などで長時間を移動する時は、食べやすい『じゃがりこ』をつまむことが多いです。袋菓子よりもテーブルに乗せた時に安定しますし。
そういう効果もあって、ゴールデンウィークとかお盆とか年末とかに売れますね。ちなみに申し訳ないお話ですが、今年の5月には『じゃがりこ』が売れすぎて、久々に品切れを起こしてしまいました。
――そんなに売れたんですか! その理由はなんだったんですか?
『じゃがりこ』が品切れになることは本当に珍しいケースなんですが、今回は複合的な要素があったと考えています。
1点目は、『じゃがりこLサイズ』に関する誤算です。通常サイズとLサイズが店頭に並んだ際、我々としてはどちらか1種類を買うと予想していたんです。お客様が10人いらっしゃったら、5人が通常サイズ、5人がLサイズというように、お客様の総数は変わらずにばらけると思っていました。片方が伸びれば、片方が落ちるだろうと。
ところが実際は、10人のお客様が通常サイズ、別の10人のお客様がLサイズというように、それぞれのサイズに別のお客様がつき、商品の競合がないという結果になったんです。
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▲通常サイズよりもロングでラージな『じゃがりこLサイズ』。コンビニ限定で、“サラダ”と“チーズ”が発売中。 |
――Lサイズはどのような層に支持されたんですか?
ボリュームが多いということで、若い人が多いですね。やっぱり10代20代って、たくさんの量を食べますから、Lサイズを喜んでいただけたようです。
もう1点として、ちょうどこの春はメディアに取り上げていただく機会が多く、『じゃがりこ』という商品がWebや雑誌に掲載されることが多かったのが理由だと思っています。正直なところ、『じゃがりこ』はロングセラー商品なので、特別なプロモーションはしていなかったんですけど、セブンイレブンさんとの共同企画である“アボカドチーズ”の評判がすごくて、各所で話題になっていました。
それに加えて、4月下旬に放送されたテレビ番組『お願い!ランキング』のお菓子総選挙のスナック菓子部門で『じゃがりこ サラダ』が2位にランクインした効果も大きかったと思います。ここ最近、『じゃがりこ』を離れていた方も、テレビなどで『じゃがりこ』という文字を見て、「久々に食べてみようかな」と思い出すきっかけになったと思います。
■マニアには常識!? いつも目を閉じているキリンが目を開いた幻の味が存在
――『じゃがりこ』はこれまで、ものすごい種類の味が発売されてきましたが、新しい味を採用する際の決め手や理由はなんですか?
お客様が食べたい味かどうかという軸と目新しさ、この2つの軸を見て判断してます。奇抜な目新しさだけではお客様が食べたいと思いませんし、その一方でお客様が食べたい味はけっこう無難な形になりがちなので、目新しさが必要となります。これらのバランスを見たうえで判断してくようにしていますね。
――素人考え的には納豆味みたいに奇抜なものを考え付きつつも、実際に出たら食べるかと言われると……。
奇抜さだけではダメで、最終的にはおいしいかどうかが重要になりますから。
例えば、最近発売した“アボカドチーズ”は、我々にとって非常にチャレンジした味でした。これまではフルーツ素材みたいなものを使ったことがなかったんですが、非常に評判がよかったです。こういった味の広がりの部分は、これからもチャレンジしていきたいと思います。
常に我々は2年先の味を考えてやっています。『じゃがりこ』のスティックに練り込む粒の開発や分量の調整には時間がかかることもありますし、今だけでなく、少し先を見て動く形ですね。
――ちょっと余談になりますが、『じゃがりこ』ファンがニヤリとするような豆知識的などがあったら教えてください。
細かい部分ですが、『じゃがりこ』のフタを開けると、ポテトスティックが1本ずつタテに入っているからつまみやすく、見た目的にもぎっしりと詰まっているように感じると思います。これについては改良の歴史がありまして、初期はポテトスティックの並び方がもう少し不ぞろいで、スカスカ感があったんですよ。
それを大きく改良したのが2000年で、ポテトスティックをキレイに整列充填できるように調整しました。これにより、ポテトスティックが1本ずつタテに並んで入るようになり、つまみやすくなりました。
もう1点の改良がパッケージのリサイズで、フタを開けたらすぐにポテトスティックがつまめるように、お菓子とフタの間の上部空間を狭くしたんです。他のお菓子を食べる時にちょっと意識してみていただけるとわかると思いますが、『じゃがりこ』の上部空間はかなり狭いので、それによってダイレクトにお菓子をつまみやすくなっています。
味だけでなく、パッケージのデザインなども時々リニューアルしていますので、そういう部分にも注目して『じゃがりこ』を楽しんでもらえるとうれしいですね。
――なるほど。今度から『じゃがりこ』を食べる時に注意して見てみます。
その他の豆知識として、マスコットキャラクターのキリンは基本的に目をつぶってるんですけど、例外的に目を開いたことがあります。
そもそも、なぜ目を閉じているかというと、『じゃがりこ』を食べてなごんでるからなんですね。噛めば噛むほど味が出る『じゃがりこ』を、目をつぶってじっくりと味わっているという設定なんですけど、2008年にセブンイレブンさん限定で発売した“激辛インドカレー味”の時だけは、さすがにこの辛さだったらキリンも目をつぶっていられないだろうということで、目を開けました。
――たしか店頭でも、“激辛注意”という注意書きがあった覚えがあります。
本当に珍しいケースですね。どうしても目を開けたキリンを見たい方は、『Oh!じゃがりこ』のパッケージを見ていただければと思います。このシリーズは“わさび醤油”と“マスタード”など、揮発性がある刺激的な味付けになっているので、キリンも思わず目が開いちゃってます。
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▲カップ型では非常に珍しい、キリンが目を見開いた“激辛インドカレー味”。カップ型以外では、おみやげ商品となる東京限定の“華麗なカレー味”、『Oh!じゃがりこ』シリーズのキリンも目を開いている。 |
――次はどんな味で目を開くのか注目しようと思います。
そう簡単には開かないので、気長にお待ちください(笑)。
――それでは最後に、『じゃがりこ』の今後の展開について教えてください。
先ほどもお話したように、『じゃがりこ』自体の価値の中心に“食感”があることは間違いないと思っています。ただ、これからさらに成長していくうえで、それだけでいいのかというと、もっとプラスをしていくべきだと考えています。だから現在、『じゃがりこ』らしさを大事にしつつ、機能面や特色面の拡張・強化をしていこうという取り組みをしている最中ですね。
そういった取り組みの中で、ようやく芽が出てきたものの一例が『じゃがりこLサイズ』です。これまでたくさんの要望をいただいていた「もっと食べたい」という量の満足について、うまい形でサイジングを拡張できたと思います。
また、複数の小袋がつらなったカレンダー商品についても好調です。これは親子など家族で一緒に食べる時に分けやすい機能をプラスした形で、よい評価をいただいています。
『Oh!じゃがりこ』では、手が汚れないような作りを前提としながら、スティックの表面をコーティングする味付けをプラスした形です。
こういった例のように、『じゃがりこ』の根幹を損なわない形で、かつプラスの機能を強化していくという取り組みを、今後も行っていきます。
――いろいろなお話をありがとうございました。先ほど15周年のお話が出ましたが、今年で18年目と考えると20周年ももうすぐの気が……。20周年のスペシャルな味の記念商品にも期待しています!
たしかに、意外と20周年が近いんですよね。まだ何も考えてないんですけど(笑)。とはいえ『じゃがりこ』というブランド自体、おいしさと一緒に楽しさもご提供していく商品なので、楽しくやりたいと思っています。
“じゃがりこWeb”では定期的に“じゃがりこリサーチ”というアンケートを行い、皆さんの声をお聞きしています。ファンサイトの“じゃがり校”なども含めて、いつも本当にたくさんの方々からご意見をいただき、本当にありがとうございます。今後も『じゃがりこ』をお楽しみいただき、公式サイトなどを通じて、応援やご感想などの声をいただけるとうれしいですね。
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