2013年7月3日(水)
その昔、“○○観察”の定番といえばカブトムシやクワガタ、アサガオなどで、多少変わり種でも銭亀や小魚の類でした。某有名学習雑誌の付録で“シーモンキー育成キット”なんぞついてきた日には、「これ猿じゃない!」などと叫んだのもよい思い出。子どものころからネットに触れられるような昨今では世代のギャップがあるかも知れませんが、“○○観察”って誰しも一度は体験するものですよね。
そんな懐かしくも美しい思い出を全力でちゃぶ台返ししてくれるのが、先日のインタビューで謎のアプリとして話題となったiOS/Android用アプリ『おやじ観察キット』です。『アルパカにいさん』に続いて、またもや珍妙なアプリをレビューすることになったライターMが、今年もっともバカバカしい育成ゲームの魅力をお届けしましょう。
▲博士と犬と子どもたちのイラストに注目。いかにも学習教材で登場しそうなシンプルなタッチが秀逸。満面の笑みでとんでもないキットを与える博士には、もはや悪意しか感じられません。 |
▲イベントシーンは絵日記風につづられていきます。それにしてもこの子たちは、もっと突っ込みどころがあるだろうに……。 |
タイトルからして腰が引けてしまう本作は、日本国内に生息するさまざまな“おやじ”たちを新種の生物に見立て、ケージに入れて飼育するという育成SLGです。
プレイヤーはケージに腐葉土などの床材を入れ、おやじの素と栄養剤を投入します。そして待つこと数分、地面から不気味な人面卵が生えてきて、さらに数分後には羽化して世にも奇妙な姿の“おやじ”が誕生。プレイヤーは、どこか哀愁が漂うけれど愛でる要素のない謎生物をフリック操作で回収することで、経験値を獲得したり図鑑に生態を書き加えたりすることができます。
基本的なノリはまさに学習教材。すっとぼけた顔をして、とんでもない飼育キットを提供してくださりやがった博士と、あまりの“コレじゃない”感に驚愕しつつも、いつの間にか飼育にハマってしまう男の子&女の子とともに、おやじマスターを目指すことになります。
▲回収コマンドを実行すると、“ピピー!”というホイッスルが鳴り響いて、おやじたちは律儀に整列。フリックすると、マンドラゴラのごとき奇妙な悲鳴を残して回収されていきます。ちなみに、意味もなくおやじを突いてみると、や~んと叫んで逃げ惑います。うん、これはかわいく……ない……。 |
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