News

2013年5月29日(水)

海外メディアも高評価の『サイコブレイク』――木村雅人プロデューサーに気になるアレコレを突っ込みまくる!!

文:電撃オンライン

前へ 1 2

■すべてはユーザーを楽しませるために! 『サイコブレイク』を作るうえでのこだわり

――部位欠損の表現はどのように調整されますか?

 我々の作り方として、何か最初に制限を設けてその制限内で許されるものを作るということはせず、まず最初に突き抜けたものを作ろうとしています。なので、今は部位欠損がどうこうということはあまり意識していません。

 ただ、部位欠損が入ることによって多くの方に楽しんでいただけなくなるとか、マイナスになってしまうようなことは本意ではないので、のちに表現を調整する場面があるかもしれません。

――デモの冒頭では、チェーンソーを持った男が逆さ吊りにされている死体をゴリゴリ切り裂き、上半身だけ引きずっていくシーンがありましたが、こちらが変わる可能性はありますか?

 あると思います。その時だけカメラを明後日の方向に向けるとか、いろんな表現方法が考えられますよね。

――ちなみにあの「ゴリゴリ」という効果音は、どういうものを基準にして作られているのですか?

 直感的に「今、こうなったな」ということが伝わるような音を目指して作っています。作り方としては、実際に何かを切ったり叩いたりして録っている音もありますし、音の素材集から拾ってきたものを改造して使っているところもあります。

――本物の肉とか叩いてそうですよね。

 いろいろやってますよ(笑)。Tango Gameworksのオフィスに小さいサウンドブースがあるんですけど、そこに鉄板を敷いて靴を鳴らしたりとかしていますね。

――チェーンソーを持った男に追われるオープニングのシーンで、ベッドの下にアイコンが表示されていましたが、あれはなんでしょうか?

 今回のデモではロッカーの中に入って敵をやり過ごしましたが、本作では“隠れる”という要素があります。あのシーンでベッドの下に潜るということもできたのです。

――ベッドの下に隠れても敵をやり過ごせていたのですか?

 あのシーンに限れば、潜れるだけで特に意味はないです。例えば、ザコ敵に追いかけられた時に弾がなくなって「さあどうしよう」となった場合に隠れてやり過ごすことができたりします。

――近接戦闘もあるとおっしゃっていましたが、どのようなことができますか?

 場面によっていろいろなことができるのですが、いわゆる“ナイフクリア”ができるような、ナイフだけで相手を倒すアクションもあります。

――デモの最後のほうで、主人公がいきなり血しぶきの洪水に飲まれてワープするのはどういう意味ですか?

 今回すごく大事にしていることとして、それがはたして現実なのか、それともどこか別の世界なのかが分からないようにしています。分からないがゆえに怖いし、そこから抜け出さなければいけないと考えますよね。こういった出来事はいろいろなシーンで起こるのですが、この世界ではなんでも起こりうるし、どんなことでもできるという可能性の幅を大事にしたいと思っています。

――では、なぜ洪水が起こったのかも分からないわけですね。

 そうですね。あの時点では分かりません。

――小屋で無数に湧いてくるゾンビと戦うシーンは以前とあわせて2回見ましたが、トラップを仕掛けながらある程度はその場で対応しても、なぜかそのあと地下に降りていくのはなぜですか?

 そこは実際にプレイしていただくのが一番いいのですが、今回“トラップ”という要素を入れたことによって、何かクリアすべきハードルがあった時にクリアする方法がいくつか出てくるようになっています。

 冒頭でチェーンソーの男に追われているところもそうですが、例えば私のクリアの仕方と、三上のクリアの仕方と、また別のスタッフのクリアの仕方とではみんな違うんです。このシーンでいえば、あれ以上やってしまうと何か答えを示すような形になってしまうので、「こんなやり方もありますよ」ということを軽く見せるのに留めました。

『サイコブレイク』

――ゾンビが無限に湧いてきて、そのうち銃弾が尽きてクリア不可能になるということではないんですね。

 そうですね。条件しだいで進行不可能になってしまうような理不尽な仕様はありません。絶対にクリアする方法は見つかります。

――ホラーなので明暗のくっきりした絵作りにしたいというお話がありましたが、今回改めて見て「画面がすっきりしていない」と思ったんですね。日本のゲームは画面がつるんとしてきれいなことが多いので、そこは狙われたのかなと。

 アートディレクターの片貝(※片貝直紀氏)はさまざまな怖い場所を用意していて、例えばチェーンソーの男に追いかけられるシーンは、ごちゃごちゃしてジメジメして気持ち悪い。「ここからすぐ抜け出したい!」と思うような嫌悪感のある場所を狙って、ああいった雰囲気になっています。

 場所によってはすごくクリーンで、訪れたことがない新しい場所なのに、なぜか不安がこみあげてくる場所などもあります。その時に感じてほしい怖さであったり、我々が表現したい怖さによって、シチュエーションがたくさんあると思ってください。

『サイコブレイク』

■気になる次の展開は? 次世代機についても言及!

――次世代機についてですが、現行機は解像度が720Pで次世代機は1080P。それに最適化するとなるとテクスチャの容量などが大きくなりますよね。その結果、どのような形でコンテンツを供給するのでしょうか。ディスクの数が増えるのか、それとも一部ダウンロードみたいな形で差分を拾うのでしょうか?

 そこに関しては現在議論している最中なので、今の段階でこうなりますということは言えません。

――PS4では動画が共有できるといったソーシャルの要素が謳われていますが、その点についてはいかがですか?

 今まさに「次世代機でどんなことができるんだろう」ということを、我々自身も妄想し始めたところです。その中でいろいろなアイデアが出てくるとは思うのですが、現時点では言えることはありません。

――さっきおっしゃられていたように“プレイヤーごとのミッション攻略の方法”という共有の仕方は考えられそうですね。

 もしそうなっても、考え方の基本には“ユーザーのゲーム体験を妨げない”ことがあります。ネタバレしておもしろくなくなるとか、怖さがなくなってしまうとかはしたくはありませんね。

――海外のプレイヤーはけっこうPCゲームにシビアになってると思いますが、PC版ではユーザーインターフェイスを変更する用意をしていますか?

 PC版にも、もちろんさまざまな対応をしていきます。PC版だからやりづらいとか、おもしろくないとなっては意味がないので。

――ゲームプレイビデオはいつ頃公開になる予定ですか?

 おそらくE3周辺でプレイ映像は出るはずです。

――次の具体的な進化が感じられるのはいつ頃になりますか?

 E3以降も各種イベントでデモを公開していく予定です。今回お見せしたE3版のデモにプラスαでいろいろなシーンが追加されていくので、そちらを見ていただければと思います。

『サイコブレイク』

(C)2013 ZeniMax Media Inc. Developed in association with Tango Gameworks. PsychoBreak, Tango, Tango Gameworks, the TA logo, Bethesda, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.

データ

関連サイト

前へ 1 2