2013年6月3日(月)

『マインクラフト』のデベロッパーが放つ本格魔法バトルSLG『スクロールズ』に注目! 『クライシス3』の最新DLCも登場【週刊洋ゲー通信】

文:イトヤン

 この“週刊洋ゲー通信”では、1週間の間に海外のゲームメーカーやディベロッパーが明らかにした最新情報の中から、注目のトピックをまとめて紹介していく。

 今回は5月25日から5月31日までの間で明らかになった新情報の中から、9個の話題をご紹介。世界最大のゲームショーであるE3が目前に迫り、今週は嵐の前の静けさといったところだ。大作ゲームのDLCに関する情報や、急速に人気が拡大しているインディーズゲームの新作など、バラエティに富んだ話題をお届けしよう!

(※参考サイトのリンク先は海外サイトの場合があります)

■『ラスト・オブ・アス』で3種類のDLCが入できるシーズンパスがリリース! 海外では体験版も配信開始

 寄生菌の流行によって秩序が崩壊したアメリカを舞台に、中年男性のジョエルと少女エリーが危険な旅を繰り広げるPS3用のサバイバルアクション『The Last of Us(ラスト・オブ・アス)』。『アンチャーテッド』のノーティドッグが開発を手掛けるこのタイトルで、3種類のDLCを入手できるシーズンパスがリリースされることになった。

 このシーズンパスを購入すると、ゲームの発売後にリリースされる3種類のDLCを個別に購入するのと比較して、約30%のプライスダウンになるとのこと。ちなみに3種類の内訳は、1つがシングルプレイの追加ストーリーとなり、残りの2種類は追加マップなどのマルチプレイ用コンテンツになるという。さらにシーズンパスの購入者には特典として、アイテムの組み立てや治療のスピードがアップするボーナススキルや、約90分のメイキング映像などがプレゼントされる。

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 また本作では、『ゴッド・オブ・ウォー:アセンション』の購入者を対象に、体験版がダウンロード配信することが告知されていたが、海外では5月31日よりこの体験版の配信が開始されている。ちなみに国内での体験版の解禁日は、発売日(6月20日)の1週間前となる6月13日とアナウンスされている。

(参考サイト:PlayStation.Blog

(参考サイト:PlayStation.Blog

■非情な男たちが銀行強盗に挑む! 4人協力プレイに特化したクライムFPS『ペイデイ2』のプレイ動画が公開

 ピエロのような不気味な仮面を着けた男たちが、大金を狙って銀行を襲撃するという、犯罪集団が主役のクライムFPS『ペイデイ:ザ・ヘイスト』。海外ではPCとPS3でリリースされたこの作品の続編、『ペイデイ2』のゲームプレイ動画が公開された。

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 『ペイデイ2』も前作と同様に、最大4人の協力プレイに特化した内容。銀行や宝石店に押し入って金品を強奪し、駆けつけた警官隊の包囲網を突破して、無事に逃走することがプレイヤーの目的となる。監視カメラを破壊しながら建物に侵入し、警備員は元より、偶然出くわした一般市民をも手にかける非情でスリリングな雰囲気が、この動画からもよく伝わってくる。

 本作は海外で今年の8月に、PCとPS3/Xbox 360で発売予定だ。PS3とXbox 360では当初、ダウンロード専用ソフトとしてリリースされる予定だったが、ゲームの規模が大幅に拡大したために、パッケージ版での発売になるとのことだ。

(参考サイト:『ペイデイ2』ゲームプレイトレーラー(※リンク先はYouTube))

(参考サイト:オーバーキル・ソフトウェア公式サイト

■“リンシャン島”にプロフェットが帰還!? 『クライシス3』のマルチプレイDLC“ザ・ロスト・アイランド”が配信!

 ハイテク兵器“ナノスーツ”で身を包んだ兵士の戦いを描く、壮大なSF・FPSシリーズの完結編『クライシス3』。本作において、マルチプレイ用マップを追加するDLC“ザ・ロスト・アイランド”の配信が決定した。

 “ザ・ロスト・アイランド”には4種類のマルチプレイ用マップが収録されるが、これらはいずれも、シリーズ第1作の舞台である南海の孤島“リンシャン島”の風景を再現したものになっている。『クライシス』の第2作と第3作では、エイリアンの侵略とその後の激動によって変わり果てたニューヨークが舞台となっていたが、このDLCではマルチプレイ用マップながら、ついにシリーズの原点となる場所に帰還することになるわけだ。

 またこのDLCでは、“ポゼッション”および“フレンジー”と呼ばれる2種類の新ゲームモードや、多数の新武器などが追加されるとのこと。海外では6月4日より配信が開始される予定だ。

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(参考サイト:『クライシス3』アメリカ公式サイト

■記憶を奪われた女性は何を見る!? サイバーパンクACT『リメンバー・ミー』の世界観を描く実写トレーラーが配信!

 フランスのドントノッド・エンターテインメントが開発し、カプコンが欧米の販売を担当するサイバーパンクACT『リメンバー・ミー』。北米で6月4日、欧州で6月7日の発売日を目前にして、本作の世界観を描く実写トレーラーが公開された。

 この実写トレーラーでは、ヒロインのニリンが警察に捕らえられ、彼女の記憶が消去されるという衝撃的な光景が描かれている。この展開はおそらく、ゲーム開始直前の状況が描かれているようだ。またこのトレーラーでは、ニリンの少女時代の記憶や、混乱した西暦2084年の未来世界の状況も断片的に描かれており、本作のダークでシリアスな雰囲気を生々しく伝えるものとなっている。

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 ヒロインのニリンが“メモリーハンター”となって他人の記憶を奪い、自分の記憶を取り返すために戦う物語を、アクションたっぷりに描く本作。日本では現在のところ発売が予定されていないが、ぜひ登場を期待したい。

(参考サイト:カプコン アメリカ公式ブログ

■『マインクラフト』に続く注目作! トレーディングカード形式の本格魔法バトルSLG『スクロールズ』が本日リリース

 PCやXbox 360で高い人気を獲得し、インディーズゲームに世界的な注目が集まるきっかけともなった『マインクラフト』。この異色作を生み出したスウェーデンのディベロッパー、Mojang(モヤン)の最新作が、ついに登場する。この注目作は、トレーディングカード形式の魔法バトルSLG『スクロールズ』で、海外では本日より“ベータ版”の販売がスタートする。

 『スクロールズ』はボードゲーム的な要素の強い作品で、プレイヤーはトレーディングカード風の“スクロール”(魔法の巻物)を集めてデッキを組み、ヘックス表示のバトルマップに戦士やモンスターを召喚して、1対1のバトルを繰り広げる。コンピュータ相手に戦ってゲーム内通貨を獲得したら、新たなスクロールを購入してデッキを強化し、友人とのオンライン対戦やランクマッチに挑むことも可能だ。

 本日よりダウンロード販売が開始されるのはPC/Mac用の“ベータ版”で、一部の機能が未実装。しかし、20ドル(約2,000円)で購入すれば、今後のアップデートがすべて無償で受けられるとのこと。『マインクラフト』と同様の販売形式を取るこの作品が、将来的にどのような発展を遂げるのか、非常に興味深い。

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(参考サイト:『スクロールズ』公式サイト

■英雄たちが子孫に能力を受け継いでいくタクティカルSLG!? インディーズメーカーのダブルファインが新作の資金調達を開始

 続いては、クラウドファンディングの成功によって一躍脚光を浴びたインディーズゲームメーカーの話題。2012年3月に『ブロークン・エイジ(ダブルファイン・アドベンチャー)』で、330万ドル(約3億3,000万円)以上の資金調達に成功したダブルファイン・プロダクションズが、クラウドファンディングサイト“キックスターター”で新作タイトルの資金調達を開始した。

 『マッシブ・チャリス』と題されたこのWindows/Mac/Linux用ゲームは、ファンタジー世界の戦乱を描いたターンベースのタクティカルバトルSLGだ。プレイヤーは不死の王となって英雄たちを率いて戦うが、英雄たちは不死の王とは違い、年老いてやがて死を迎えることになる。

 そのため本タイトルでは、結婚によって英雄たちの能力をその子孫に受け継いでいくことが、長期にわたる戦いを征するカギになるという。『ファイナルファンタジータクティクス』や『ファイアーエムブレム』の影響を受けているというだけあって、日本のゲームファンにも親しみやすい内容となりそうだ。

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 募集開始からわずか3日間で、72万5千ドル(約7,250万円)の目標額のうち約67万ドルの資金調達に成功しており、目標達成はすでに時間の問題だ。今後は追加目標の更新によって、ゲームにどのような内容が追加されていくかという点に、注目が集まりそうだ。

(参考サイト:キックスターター『マッシブ・チャリス』

■『レイマン・レジェンド』がPS Vitaでも登場決定! 『プリンス・オブ・ペルシャ』や『スプリンターセル』とのコラボも!?

 ユービーアイソフトの人気キャラクターであるレイマンを筆頭に、個性豊かなキャラクターたちが美しいビジュアルの世界で冒険を繰り広げる横スクロールアクション『レイマン・レジェンド』。当初予定されていたWii Uに加えて、海外ではPS3とXbox 360でも登場することが決定している本作だが、このほどPS Vitaでもリリースされることが発表された。

 PS Vta版では、背面タッチパネルを使って操作する“マーフィー”を題材にした専用マップが5種類収録される。さらに、スティックを使って操作するレイマンたち通常のキャラクターと、タッチ操作のマーフィーの組み合わせによる、アドホック通信を使った協力プレイも楽しめるという。また、ユービーアイソフトの人気作『プリンス・オブ・ペルシャ』や『スプリンターセル』とのコラボレーションによるオリジナルコスチュームも用意されるとのこと。

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 PS Vita版は、PS3/Xbox 360/Wii U版と同じく、海外では9月4日に発売される予定だ。日本ではWii U版が任天堂から発売される予定となっているが、その他の機種に関しては未定だ。

(参考サイト:ユービーアイソフト アメリカ公式ブログ

■新作発売の前にFPSの原点となった名作をプレイ! 『ウルフェンシュタイン3D』がXbox LIVE/PSNで配信

 第二次世界大戦に勝利したナチスドイツのロボット軍団に、主人公がたった1人で戦いを挑む新作アクション『ウルフェンシュタイン:ザ ニューオーダー』。先日、日本でもフルローカライズによる発売が発表された本作は、かつての名作『ウルフェンシュタイン3D』の流れをくむ作品となっている。そして、FPSの原点とも呼ばれるこの『ウルフェンシュタイン3D』が、海外のXbox LIVEアーケード/PSNで新たに配信中だ。

 1992年にidソフトウェアが発表した『ウルフェンシュタイン3D』は、アメリカ軍人のB.J.ブラスコヴィッチが、ナチスドイツの人造兵士を撃ち倒していくシューティングゲーム。この作品によって、1人称視点で3Dマップを自由に移動する現在のFPSのスタイルが確立され、続く『DOOM』や『QUAKE』といった名作が誕生するきっかけとなった歴史的名作だ。

 本作は以前、当時の発売元だったアクティビジョンよりXbox LIVEアーケードで配信されていたが、idソフトウェアがベセスダ・ソフトワークスと同じゼニマックス傘下になったことにより、配信が停止されていた。そのため、今回は満を持しての復活となる。ちなみに今回の配信は海外のみで、日本での予定は不明となっている。

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(参考サイト:ベセスダ・ソフトワークス アメリカ公式ブログ

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■18歳の青年が“神になる権利”をゲット!? ピーター・モリニューの実験的プロジェクトがついに決着!

 マイクロソフト傘下を離れ、インディーズゲームメーカー“22cans”を立ち上げたゲーム業界きっての鬼才、ピーター・モリニュー氏。このモリニュー氏が「誰かの人生を変えることになる」としていたiOSの実験的プロジェクト『キュリオシティ』が、ついに5月26日に決着した。

 モリニュー氏が発表したiOSアプリ『キュリオシティ(好奇心)』は、巨大な立方体を世界中のユーザーがクリックして少しずつ崩していき、その中心に到達した1人だけが“人生を変える秘密”を手に入れることができるというもの。約半年間にわたって86万人ものユーザーが立方体をクリックし続けた結果、スコットランド在住の18歳の青年、ブライアン・ヘンダーソンさんが5月26日に、ついに立方体の中心に到達した。

 肝心の“人生を変える秘密”とは、モリニュー氏の次回作であり、PC/iOS/Androidでリリース予定のSLG『GODUS(ゴッダス)』で、ゲーム世界の“神”となる権利だという。

 同作は、プレイヤーが神となって天変地異を引き起こし、自分を敬う信者を獲得するという、モリニュー氏お得意の“ゴッドシム”。ヘンダーソンさんには、すべてのプレイヤーの上に立つゲーム世界の神として、ゲーム世界のルールやモラルを定める権利が与えられるという。加えて、『GODUS』の売り上げの一部がヘンダーソンさんに提供されるとのこと。これが果たして“人生を変える秘密”かどうかはともかくとして、いかにもモリニュー氏らしい、ユニークな企画なのは間違いないところだ。

(参考サイト:『キュリオシティ』公式サイト

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