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2013年6月13日(木)

敵も女も華麗にオトす! 『KILLER IS DEAD』を手がけるグラスホッパー・マニファクチュアの須田剛一さん&新英幸さんにインタビュー!

文:電撃オンライン

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■強烈すぎる個性を持ったキャラクターや物語はいかにして生まれたか?

――ヴィヴィアンの16丁拳銃をはじめ、登場キャラクターもかなり個性的な人物が多いですよね。とくにデイヴィッドはかなり変態係数が高いですが、須田さんが考えたのでしょうか?

『キラー イズ デッド』 『キラー イズ デッド』
▲16丁拳銃で構えるヴィヴィアン。▲敵の1人、デイヴィッド。

須田:僕が最初シナリオを書いたときは、こんな姿じゃなかったんですが(笑)。最初はもっとストレートな変態で、全裸にコートで、貞操帯みたいなものだけを付けている状態だったんです。さすがにコレはアレだよねぇということで、現場で変えてくるだろうと思っていたら、なんかヒモで縛られているみたいな……余計クレイジーになって帰ってきたという(笑)。

『キラー イズ デッド』
▲初期よりもかなり変態度が増したというデイヴィッド。

:敵って怖ければ怖いほど、恐怖感を持っていたほうが強く見えるというか、挑む力がわいてくると思うんですね。いかに凶悪さというか、危ない感じを出そうかというところで話し合っていました。トゲトゲさせるだとか、色を変えるだとか、牙が生えてるとか、片目がないとか。

 いろんな特徴づけが出てくるのですが、アートディレクターと話しているうちに、「強そうなヤツより見たことないような変態の方が戦う時怖いよね」という話になりました。それで“ザ・変態”をテーマに探っていったら、アレになったんです。

須田:いいキャラできたよね。

:ビッグサイトでコスプレをしてくれる人が出てきたら感無量ですね。キャラクターとしては最高に生きますよ。

須田:海外では100%出ると期待しています。写真がツイッターで送られてくるのが楽しみですね。ある意味レイヤーさんへの挑戦といえるでしょう。

『キラー イズ デッド』 『キラー イズ デッド』

――事務所のほかのメンバーについては、最初からガッチリ決まっていたのでしょうか?

須田:そうですね、最初から決まっていました。とはいえ、実はメンバーが1人減っているんですけど……(笑)。メガネをかけたグレアムというキャラクターがいたんですが、ちょっと使いどころがなかったので……。じつは画面に映っていないだけで、フレームの外に彼はいる、という裏設定があります。

――プレイしてみて、ストーリーラインがやや複雑かなという印象を受けたのですが、あえてこういう構成にしたのでしょうか?

須田:全体の作り方として、1クールの海外ドラマのような形を取っており、1つ1つのミッションを1話という考えで構成しています。1話完結型でいろいろな凶悪な者たちを処刑していくというサイクルを考えて、そこから今のストーリーラインができ上がった感じですね。一度全部をプレイし終えてやっと全体がわかるというか、まさに海外ドラマのシーズン1みたいな形ですね。

――“スカーレットミッション”というやり込み要素的なミッションが収録されていますが、なぜこのミッションの重要キャラとしてスカーレットが抜擢されたのでしょうか?

:まず「スカーレットミッション」は、ゲームの中でユーザーをどうやって満足させるかというところで、やり込み要素的なものが必要だろうということで作られました。スカーレットがモチーフキャラクターになったのは、“謎の献血美女”という肩書きのミステリアスさがバチッとハマッたからですね。

――スカーレットを探すかくれんぼ(※各ステージにスカーレットが隠れていて、見つけることで“スカーレットミッション”でチャレンジできるミッションが増加していく)が楽しくて、マップ中を探し回ってしまいます。

『キラー イズ デッド』

:彼女が隠れている場所ですが、ちょっと探せば見つけられる場所と、見つけたくて本気で探し回らないと見つからないだろうという場所があります。ひもづいているチャレンジも、見つけるのが難しい場所ほど、難しいものがアンロックされるようになっています。

――今回はグラスホッパーさんがデベロッパー、角川ゲームスさんがパブリッシャーと分かれていますよね。『ロリポップ』に比べると、グラスホッパーさんの色が濃く出ているという感じはありますか?

須田:色が強くなるというのもそうですが、自分たちがもっとも得意とするアクションゲームの領域を、新が中心となって現場の人間が作り込んでいき、それが形として現れているんだと思います。魂を込めて作っているという部分が伝わったのではないかな、と。表現もそうですし、遊びの部分でもそうですが、新しいゲームをしっかりと提示できているゲームになっているのではと思いますね。

――では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

:アクションのロジックとかシステム的には、見たことのないようなド派手なものは入れてはいないんですが、アクションへのこだわりと少し癖のあるシステムはプレイしていただければわかる仕組みになっているので、ぜひ一度触っていただきたいですね。噛めば噛むほど味が出るゲームですので、ぜひ噛んでみてください。

須田:『KILLER IS DEAD』を分解すると、まさに“21世紀の大人たちに贈る愛とコロシのファンタジー”というキャッチフレーズと同じだと思うんです。アクションであるコロシの部分があって、「ジゴロモード」という息抜きの領域……いわゆるモンドの日常を描くパートとしての愛があって、ファンタジーという全体を紡ぐストーリーラインがある。

 それぞれの構成要素は非常にシンプルなんですけれども、単なる現実をトレースする物語ではなくて、そこに大人のファンタジーというハイパーリアリティな脚色が入っているのが、このゲームの一番の魅力だと思っています。

 このような形で作られる新作タイトルというのは本当に少ないと思いますし、そもそも新作タイトル自体が少ないなかで、皆さんが驚いてくれるようないろんな仕掛けを入れ込んでいます。胸を張って「新しいゲームを作れました」といえるだけの作品になっていると思いますので、ぜひ遊んでほしいと思います。

(C) GRASSHOPPER MANUFACTURE INC. / Published byKADOKAWA GAMES

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