News

2013年6月12日(水)

PS4の日本での今後の展開と戦略についてSCE河野弘氏に聞く!【E3 2013】

文:電撃オンライン

■E3でついにPS4とXbox Oneの対決を実感!?

――SCEとマイクロソフトのカンファレンスを見て、個人的にはPS4とXbox Oneの対決なんだなと感じました。その辺りについて、どのような意識をお持ちでしょうか?

河野:Xbox Oneがどうであるとか、Wii Uがどうであるとかというよりは、PS Vitaも含めた“PS4の世界”をアピールしていきたいと考えています。ネットワークサービス、コンソールとポータブル、その周囲にあるスマートフォンやタブレットPCなどのデバイス、これら全体でどういうストーリーを作っていくかが、いちばんのポイントですね。プレイステーションとしては、PS4に限らず、プラットフォーム全体でどう動いていくかが重要だと考えています。

――PS4については、“1つのデバイスに縛られる”というものではないですよね。概念だったりサービスだったり、ソフトだったり、それらをひっくるめて“PS4”になるわけですね。

河野:そういったものは、一般の方にはなかなか伝わりにくいでしょうから、それが実際のタイトルでどう実現できるかがカギだと思っています。

――PS4の日本での価格はまだ発表されていないと思うのですが、今回発表された北米やヨーロッパでの価格は、いつごろ決まったのでしょうか?

河野:当日に決まったわけではないです。前夜でもないですよ(笑)。さまざまなシミュレーションを重ねて決めた価格です。価格というのは、コストをはじめとするいろんな面から決定されるものです。お客様に受け入れられる価格かどうかも重要ですし。そういう面では、いろんな方面から議論した結果、あの価格が決まったということになります。

――とても戦略的な価格であるように感じました。もっと高いかと想像していたのですが。

河野:皆さん、そうおっしゃいますね。やはり、どんなにいい製品でも許容範囲というものがありますし、私たちが目指しているのは、PS4で楽しんでいただくユーザーさまの数を増やしていくことですから。できる限り多くの方に参加していただいて、遊んでいただくというのがポイントになるので、オプティマム(最適)な価格を探りました。社内では、管理系のスタッフが「もっと高くできないか」と言うのですが(笑)。

――立場によっても意見は変わるものですね。

河野:まあ、それは健全な議論だと思いますが。今回はそういう意味で、社内的なコンセンサスはきちんと取れています。それがあの価格につながるわけですが、確かに「思ったよりも高くなかった」という声は聞こえてきています。

――中古ソフトに関しても、カンファレンスでは非常に反響が大きかったですね。ユーザーがPS4を買うかどうか迷った時に、ネックになりそうな部分がクリアになっていますね。

河野:中古ソフトの問題についても議論を繰り返しました。パブリッシャーさまとの間では、やはり1つずつのタイトルを大事にしたい、なるべく多くの方に買っていただきたいといった話をします。それでも、ユーザーさまの支持を得られない限り、プラットフォームの普及はありませんし、盛り上がっていかないでしょうから、そういうところを考慮した決断です。

――『ファイナルファンタジーXV』と『キングダムハーツIII』がPS4で発売されることに、非常に驚きました。この発表も、スクウェア・エニックスさんと緊密に話し合った結果ですか?

河野:そうですね。SCEジャパンアジアという私の立場で言うと、やはり日本のパブリッシャーさまのタイトルを、ちゃんとスポットライトが当たって、世界中のお客さまが反応してくれる場で発表したいという気持ちがありました。

 海外のゲーム会社と日本のゲーム会社を比べられることも多いですし、マーケットの違いもあるのですが、日本のパブリッシャーさまがきちんとしたポジションを持つということを、すごく大事に考えています。そういった意味では、スクウェア・エニックスさまの大作が今回発表できたこと、そして、それが会場で支持されたのは大変うれしく思っています。

――昨日のカンファレンスでは、とにかくたくさんのタイトルが集まったと感じました。『The Elder Scrolls Online』もPS4で、という話がありましたし。“ユーザーが安心した日”かもしれません。ここからローンチに向けて、ほかのタイトルも徐々に出てくると思いますが、まずは第1弾のラインアップということで、大きい発表でした。

河野:現在、SCEワールドワイドスタジオでは30くらいのタイトルを手掛けていて、その中から20タイトルくらいは最初の1年間でリリースしていきたいと考えています。そのうちの半分以上は新規のIPです。そのくらい力を入れてPS4に取り組んでいます。サードパーティを含めると、1年間で100タイトル前後はリリースされることになると思います。

→今後の展開はPlayStation Plusがカギを握る!(3ページ目へ)

関連サイト