2013年6月13日(木)
“E3 2013”が開幕し、ブースでも大きな盛り上がりを見ていせるPS4。そのPS4の日本における具体的な展開の方針、ユーザーを巻き込んでプレイステーションを盛り上げていこうとするプランなどについて、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)のSVP・植田浩氏に話を伺った。
――植田さんには、日本における今後の展開に関する具体的なお話について、お聞きできればと思います。ここまでのユーザーの反応はすごくいいように見受けられますが、ここから9月の東京ゲームショウ、そしてローンチに向けて、どういった戦略を持って展開していくのでしょうか。日本独自の展開についても教えてください。
植田浩氏(以下、植田):ご指摘の通り、日本では独自に情報を発信できる場を設けようと思っています。カンファレンスを行うのか、以前PS Vitaの価格改定の時のようにネットで映像を配信するのか、その辺りは考えている最中です。その場で、日本のマーケットおよび日本のユーザーに向けてのメッセージを出そうと考えています。
――先日のカンファレンスで、『ファイナルファンタジー』シリーズが続けて登場しまして、私たち日本のゲームメディアとしても大変うれしかったです。『キングダム ハーツIII』のあの映像もすごかったですね。あれはPS4でなければ出せない映像だと思うのですが、いわゆる“らしさ”が表現されていたと感じました。
植田:日本でも人気のある両シリーズですが、ソニー・コンピュータエンタテインメントアメリカ(SCEA)のスタッフから「海外でも『キングダム ハーツ』の人気がすごいんだよ」と聞いていたので、ああいう形で披露していただけたのは、非常にありがたかったですね。黒い影のような敵がたくさん出てきましたが、あれはやっぱりすごいですね。まさに次世代という感じでした。
――そういったサードパーティの協力で、日本のパワーをああいう場で出せたことはうれしいですね。日本ではサードパーティによる豊富なタイトル群がありますが、SCEさん自身がファーストパーティとしてあまり目立っていないのではないかという声が聞こえてきます。ローンチのタイミングでは、そういった部分も大事になるかと思うのですが、その辺りの展開を教えていただけますか?
植田:最近では、PS3で発売予定の『The Last of Us』のようなタイトルも、日本で支持していただけるようになってきています。ファーストパーティという点で言えば、そういったワールドワイドで展開するタイトルが多いのですが、日本でもそれらが受け入れられ始めているという状況を、私たちは肌で感じています。PS4のローンチでは、海外タイトルも充実していますし、一方でJAPANスタジオ制作の『Knack』も注目のタイトルだと考えています。
――昔は“洋ゲー”と呼ばれたりしていましたが、最近では敷居のようなものがなくなってきましたし、作品のクオリティやおもしろさが伝わるか、伝わらないかだけになってきている気がしますが。
植田:そうですね。
――その点で、『Knack』はどのような戦略でユーザーの皆さんにアピールしていくのでしょうか?
植田:『Knack』や『The Last of Us』のようなタイトルに注目してくださる方は、まず海外での評判を自分たちで調べて、「あ、これは本当におもしろそうだ」ということで遊んでいただいている気がします。その背景には、インターネットで情報を取れるというのもあるのですが、日本のマーケットにおいてそういったタイトルを実際に触れる環境というのが、実はあまりないのです。
店頭の試遊台などでもレーティングの問題で、プレイできないことがあります。購入を決める時には、やはり実際に触れるというのが重要だと思いますので、PS4のローンチではその点を重視していきます。さらに、開発に携わったクリエイターさんの「なぜこのタイトルを作ったのか」「このタイトルはどんな内容なのか」という生の声を伝えつつ、遊んでもらえる機会を用意していきたいですね。ちょっと時間がかかりそうな活動ではありますが(笑)。
→大事なのは今のユーザー!
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