2013年6月24日(月)
E3 2013にて衝撃発表されたスクウェア・エニックスのPS4/Xbox One用RPG『ファイナルファンタジーXV』。本作のディレクターを務める野村哲也氏へのインタビューをお届けする。
本作は、PS3用に開発が進められていた『ファイナルファンタジー ヴェルサス XIII』から、ナンバリング最新作へとタイトルが変更されたもの。開発スタッフが思い描く『FF』を実現させるために次世代機での開発へと踏み切り、先日のE3 2013にて満を持してタイトルと対応ハードの変更が発表された。E3 2013期間中にはインタビューの速報版を公開したが、本インタビューはさらに突っ込んだ内容まで掲載している。
――E3 2013で公開された最新映像はいろいろな意味で衝撃的でしたが、まずタイトルが変更された点についてお聞かせください。
『ファブラ ノヴァ クリスタリス』のプロジェクト発表(2006年)から、2年後くらいには会社から、『FFXV』と改名しての開発をすすめられ、それ以降『ヴェルサス』で通すか『FFXV』に変更するかの検討が続いていたんです。
――野村さんとしてはどちら寄りの考えだったのでしょうか?
最初は複雑でしたが、ありがたい話ではあると思いました。ナンバリングにするからといって内容の変更はしなくてもいいとも言われたので、2年ほど前から『FFXV』として情報公開のタイミングを話し合ってきました。
また、『FFXIII』関連はすでに3作目も発表されていて、ライトニングのイメージが定着しています。それでも、中には『FFヴェルサスXIII』のPVを観たうえで、それが『FFXIII-2』だと勘違いされている方もいます。そういった混乱を避けたい意味もありました。
それと、対応機種が変わったからタイトルを変更したと思われる方もいるかもしれませんが、それらは付随する問題ではありません。
――『FFXV』は、作品の位置づけとしてどういう扱いになるのでしょうか?
『FFXIII』シリーズからは離れましたが、神話を共有する『ファブラ ノヴァ クリスタリス』シリーズの1つであることには変わりません。
――本作の全体像はすでに固まっているのでしょうか?
先にお話しておかなければならないのですが、この1作でノクトたちの物語は終わらないんです。一旦の区切りは当然迎えることになりますが。
――『FFXIII-2』のような続編モノになるということですか?
詳細まではまだお話できませんが、PVの最後には「これは壮大な叙事詩の一編である」という意味の言葉があります。物語を分けた理由については、クオリティを維持したまま『FF』らしさを感じさせるボリュームを保持しようとすると、何かしらの手段は必要になります。どういう形であれ、『FFXV』を楽しんでもらえる着地点を考えますので、続報をお待ちください。
――気の早い話ですが、1作目からのスパンも気になるところですが?
期間をそんなに空けるわけにはいかないので、『FFXV』の制作と並行して着手することになると思います。また、それを待つだけにならないように、それまで『FFXV』自体を継続して遊んでいただける要素は検討しています。
――開発をPS3から次世代機へと移行したのはいつごろからでしょうか?
次世代機の情報が少しずつ入ってきたころでしょうか。当初はもちろんPS3にも対応させて開発を進めていました。ですが、ゲーム性を追求していくと、現行機では限界を感じるようになりまして。
例えばノクトが“ヘイスト”を使用してスピードアップした時や、クルマなどの乗り物の速度を上げた時に、ワールドマップの処理が追いつかなくなるなどの問題が起きていました。パーティ制のアクションである本作では、キャラのモーションや扱える武器などが非常に豊富で、それらのデータを常にメモリに常駐させなくてはいけません。
とにかくプレイヤーが選択できるアクション数が膨大で、さらに敵データやワールドマップで発生する仕掛けなどもありますので、何かをあきらめないとPS3ですべてを再現するのは難しいという結論になりました。
――それで、次世代機に移行することになったわけですね。
数年前に次世代機の話があった時に、メインプログラマーに聞いてみたんです。今からでも開発を次世代機に対応させることは可能なのかと。そうしたら「そう言われると思って、すでに仕込んであります」と答えられたんです(笑)。
会社の中でも方針が固まってきたので、約1年前から現行機での開発はストップし、完全に次世代機メインに移行しました。ちょうどそのころにボリューム分割も検討することになり、それに合わせてオンラインへの対応も視野に入れることになりました。
――オンライン対応というのは具体的にどういったことでしょうか?
Co-opなどのマルチプレイを含め、検討している機能はいくつかあります。できればスマートフォンやタブレット端末などともリンクして、発売前後でも長く遊べるような要素は考えたいですね。
アクションゲームに近いハイスピードな『FFXV』のバトルとは?→(2ページ目へ)
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CHARACTER DESIGN:TETSUYA NOMURA ⁄ Roberto Ferrari
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