2013年7月3日(水)
しかし荒井プロデューサーが、ここで「このターンで勝負を決める!」と勝利宣言! デッキからエナジーに置くタイミングで山札が切れ、捨て札のシャッフルが入りました。シャッフル時には、捨て札から1枚フレームを持つプログレスを1枚ゲームから除外する必要があります。一見リンクの成功率が下がるように思われるかもしれませんが、最初に置かれていたレベル0のプログレスは、∀(オール)と呼ばれる、ΩでもΣでもあるフレームを持った強力なカード。なので、逆にリンク成功率が上がっているのです。
「ちなみに先ほどのターン、必死にガードしたのは理由があって、手札のフレーム付きのプログレスを山札が切れる前に捨て札に送っておきたかったからなんです」
なるほど! 山札にフレーム付きのプログレスをたくさん送っておいたほうが、リンクの発動率が上がりますからね。
このプレイングに、見守っていたギャラリーからは「ガチすぎる……」というヒソヒソ声が。確かに、ちょっと忘れかけていましたが、これティーチングですからね。
「たとえティーチングと言えども、俺の嫁たちに敗北を味あわせるわけにはいかないんです……」
愛しすぎでしょう! ここで荒井プロデューサー、アクションカード《炎狼ブレイズ》を使ってきます。アクションカードとは、1ターンに1枚、アクションゾーンに配置することで使用できるサポートカードのようなものですね。さて、《炎狼ブレイズ》の効果は……。
▲何やら不穏なカードが出てきました……。名前からして強そうですね。 |
「プログレスを1枚横向きにすることで、そちらのレベル4以下のプログレスを1枚退却させます」
は!?
「じゃあその文ちゃんを……」
いやいやいや、この子は荒井プロデューサーの嫁じゃないですか。退却させていいんですか?
「文も僕の勝利を望んでいるに違いありません」
ぐっ……! ダークサイドに堕ちた主人公の親友のようなセリフにより、文ちゃんが退却していきます……。よせ! そんなことをしても文は喜ばない! ……しかしこのゲーム、コストの軽減がないと立て直しがキツそうな雰囲気がありますね。
▲文ちゃん……君がいなくなって、プログレスゾーンにぽっかり穴が空いたような気分だよ……。っていうか物理的に空いてるよ……。 |
そういえば、女の子のダメージを“αドライバー”が軽減するっていう設定なのに、これ軽減も何も直接に攻撃されていますよね。“αドライバー”、死ぬんじゃ……。
「……」
ガンガン攻撃してくる荒井プロデューサー。や、ヤバい! 目がマジだ! 向こうのリンク成功率は大体半分ぐらいなので、こちらは隙を見て必死にガードしたり、キャンセルに助けられたりしてなんとか生き残ります。……あれ? 生き残ってしまいました? あの……勝利宣言……は……。
「……」
▲荒井プロデューサーの猛攻をなんとかしのぎ切ります。 |
よーし! 行ける! これは行ける流れですよ! プロデューサーを倒しますよ! あと3点なので、リンクを成功させて2回攻撃を通せば勝ちです。まずは舞衣菜ちゃんの能力を起動して1枚チラ見。フレーム付きではなかったので捨て札にした後、美海ちゃんを配置! そしてさらに美海ちゃんの能力を起動して、隣のフランボワーズちゃんのパワーを+1000します。
はねるちゃんの攻撃は防がれてしまいますが、あとフランボワーズちゃんが2人残っています! 1人目のフランボワーズちゃんのリンクが成功して2ダメージ! これであと1点! 2人目のフランボワーズちゃんがリンクに成功すれば勝ちです!
▲あと1点! リンクが発動しまくり、大逆転勝利が見えてきました。アニメなら主題歌が流れていることでしょう。 |
結果は――フレームが出ません……でした……。
▲ウソ……だろ……。 |
バカな……! 肝心なところで能力が……! ククク……そうか……そういうことか……。
「このターンで勝負を決める!」
僕が意味のない意味深なセリフをつぶやいて虚空を眺めている間、荒井プロデューサーが再び勝利宣言。
レベル4の文ちゃんを配置して――。リンクに成功! こちらは1点キャンセルしましたが、残り1点に追い込まれてしまいました。
▲負けるわけにはいかない……! 俺を信じてくれているプログレスたちのためにも……! |
続いてはねるちゃんのリンクが成功しますが……ダメージは1点キャンセル。しかしもう1点はキャンセル……できず! 荒井プロデューサーの勝利となりました!
▲すまないみんな……俺が不甲斐ないばっかりに! |
うおおお悔しい! 勝ったと思ったのに!
「まぁプロデューサーなので、勝って当然ですね!」
▲本当にうれしそうな荒井プロデューサーの写真がこちら。 |
わりと際どい戦いだったと思うのですが、荒井プロデューサーの清々しいドヤ顔に心が折れました……。いつの日か再戦したいですね!
いかがだったでしょうか。ティーチングとはいえ非常に白熱した戦いになり、ぶっちゃけ超楽しかったです。1試合15分ぐらいですが、リンクや被ダメージ時にデッキをめくるのが、単純で爽快ですね。最近はデッキをめくって遊ぶTCGがたくさんありますが、『アンジュ・ヴィエルジュ』は、この“めくり”に特化したゲームという印象です。
とにかく軽いゲームなので、大会に出て優勝するぞ! というよりは、友だち同士でデッキを持ち寄って、一喜一憂しながらプレイするのがいいのではないかなと思いました。
ルールも特に難しい部分もないので、TCGをよく遊んでいる人なら5分で、そうでない人でも1回遊べばすぐに理解できることでしょう。まとめると、ルールが単純でプレイは爽快。そして女の子がカワイイ! という感じですね。
あと思ったのは、本作が大人のなりきりTCGだなということですね。自身が“αドライバー”という選ばれし者になってプレイできるので、戦っている間の感情移入度がすごく高いです。まるでアニメの主人公になったような気分ですね。個人的には、ここはかなり好感触でした。
そんな『アンジュ・ヴィエルジュ』は、10月にスターターデッキとブースターパックが発売されます。本格的にプレイできるのはもう少し先になりますが、7月28日に開催される“MF文庫J「夏の学園祭2013」”を皮切りに、本作の無料体験版が配布されるそうなので、興味がある人はぜひぜひ遊んでみてください。
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