2013年7月16日(火)
――あのう、これは個人的なご相談なのですが、自動ドアの前に立っても反応してくれないことがあるんですよ。周りからは「お前は影が薄くて、存在感がないからだ」なんて茶化されることもあるんですが、何か対応策はあるのでしょうか。
まじめにお答えすると、機器の劣化や、センサーの汚れなどの問題が大半でしょうね(苦笑)。だから、お答えとしては「こまめなメンテナンスを心掛けてください」ということになるんですけど、黒っぽい服がお好きでしたら、これからはできるだけ明るい色の服を着てみてください。そのほうがセンサーの反応がよい場合がありますので。
――ちなみに、もうほとんど使われていないという足踏みマット式の場合、体重が軽いと反応しないことは実際にあるのでしょうか?
はい。重さで検知するので、歩き始めたばかりの赤ちゃんのように体重の軽い場合は検知できない場合もあります。
足踏みマット式の少し後に、同じような仕組みで電子マット式もあったんですけど、これは厚底サンダルに弱かったんですよね。この電子マットは、マット内に埋め込まれたセンサーによってドアを開閉するんですが、ゴムでできた厚底サンダルには反応が遮断されてしまうので、うまく作動しないんです。
――普通の人が聞くと驚くような、意外と知られていないマメ知識などがあれば教えてください。
難しい質問ですね(笑)。意外と知られていないという意味では、自動ドアの電気代は誤解されていることが多いです。1日いくらぐらいだと思いますか?
――うーん、うちのエアコンは半日で100円くらいなんですよね。自動ドアも、やっぱり100円くらいですかね?
いいえ、もっともっと安いです。100円あれば、1カ月使ってもお釣りが来ます。
――え!? そんなに安いんですか!
2012年12月時点のデータですが、1台の自動ドアを1日8時間使ってドアを1,000回開閉させた時の電気代は、平均で2.6円弱でした。30日=1カ月換算で平均約76円、1年換算で平均912円という値段になります。
▲自動ドアの消費電力の少なさをアピールするポスター。まさか1年間使っても1,000円かからないとは! |
――ほとんど電気を使わないんですね。
自動ドア1台当たりの消費電力は、20ワットの蛍光灯1灯の消費電力とほぼ同じなんですが、あまり知られていないんですよね。
それを痛感したのが、2011年の東日本大震災にともなう節電の動きの時でした。この時、自動ドアを切ることが節電につながるという誤解が広まってしまい、正しい情報を伝えるためにいろいろと展開を行ってきました。
――たしかに一時期は、ほとんどのお店が自動ドアの電源を切っていました。
自動ドアの電源を切って扉を開けたままにすると、冷暖房の無駄になってしまい、かえって大きなエネルギーを無駄にしてしまうことになりかねません。こういった部分の正しい知識については、引き続きアピールを続けていきたいと思います。
▲こちらが話題のトイレ。入る時はタッチスイッチ式で、出る時はセンサーで自動的に開く仕組み。たしかに衛生的で快適でした! |
――意外な場所で自動ドアが使われているという例はありますか?
変わり種としては、動物用の檻(オリ)の自動ドアなんかもありますよ。ゾウの自動ドアは大変だったと聞いています。そもそも力が強いので、耐久性があるドアにしないといけないうえに、ゾウは頭がいいので、ちゃんと工夫をしないと鼻で自動ドアの点検フタを開けてしまうこともあったそうです(笑)。
それから、トイレが自動ドアなのは、意外といいですよ。用を足して手を洗った後にドアノブに触ると、ちょっとイヤな感じがすることもあるじゃないですか(笑)。
ちなみに当協会が入っているビルのトイレは自動ドアなので、帰りにぜひ試してみてください。
――取材後に寄ってみます!
今回のインタビューについて、7月30日までご意見・ご感想を募集しています。どんな場所&モノの取材記事を読みたいか、お聞かせください!
(C) Japan Automatic Door Association