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2013年7月8日(月)

『英雄伝説 閃の軌跡』最速レビュー。列車砲やクロスベル通商会議など、早くも『碧の軌跡』とリンク!?

文:そみん

■バトルシステムの9割は前作と同じ。だが、“崩し”の概念でプレイ感覚は大きく進化

 バトルシステムをイチから説明すると長くなりすぎるため、詳細は公式サイトのバトルシステム紹介をご覧いただくとして、ここではシリーズファンが感じたプレイ感覚の違いをお届けします。

『英雄伝説 閃の軌跡』 『英雄伝説 閃の軌跡』

 大前提として、『軌跡』シリーズの伝統であるAT(Action Time)バトルは踏襲されているので、基本的な遊び方は今までと同じです。敵味方それぞれのキャラクターの行動順番がATバーに表示される、コマンド選択型と半リアルタイム型が融合したようなバトルシステムは健在で、EPを消費してアーツ(魔法のようなもの)、CPを消費してクラフト(スキルや必殺技のようなもの)を使って戦う部分も同じです。

 細かい部分ですが、ATバーで得られるボーナスに“ZERO ARTS”=駆動時間(アーツが発動するまでにかかる時間)がゼロとなり、即座にアーツを使えるものが追加されていました。これまでのシリーズでは強力なアーツほど、発動までにラグがあったため、このATボーナスを狙うことは地味に大きなメリットになりそうです(回復アーツは比較的すぐに発動できましたが、強力な攻撃アーツは駆動時間がネックでしたからね……)。

『英雄伝説 閃の軌跡』 『英雄伝説 閃の軌跡』

 話を戻して、バトルのプレイ感覚ですが、3Dになって見た目が変わっているものの、9割方のプレイ感覚は同じです。要所で敵の行動順番を遅らせるクラフトを使いつつ、いざとなったらSクラフト(CPを100消費することで、行動順番を無視して発動できる超必殺技のようなもの)で強引に割り込んで敵のチャンスをつぶすという戦い方は、シリーズ経験者にはおなじみのものかと。ぶっちゃけ、これまでのシリーズと同じ考え方でプレイしても、ある程度はなんとかなるんじゃないでしょうか。

 ただし、『閃の軌跡』の新システムである“戦術リンク機能”を把握して遊び始めると、さらに効率よく、しかも爽快に遊べます。この“戦術リンク機能”はちょっと複雑なので、正確な部分は公式サイトを参照していただくとして、ここでは大まかに説明します。

『英雄伝説 閃の軌跡』 『英雄伝説 閃の軌跡』

 まず、パーティキャラ同士(2名ずつ、つまりコンビに近い形)でリンクを設定しておくことで、リンクアタックやリンクアビリティを利用できるようになります。リンクアタックは後述しますが、いわゆる追撃のようなもの。リンクアビリティは条件を満たすと自動的に発生するもので、仲間の盾となる“かばう”や、残りHPが少ない敵に攻撃する“止めの一撃”などがあります。

『英雄伝説 閃の軌跡』
『英雄伝説 閃の軌跡』 『英雄伝説 閃の軌跡』

 コンビで行動するほどリンクレベルが上がり、より便利なリンクアビリティを覚えていく仕組みです。メインキャラは9人もいるので、プレイヤーしだいでさまざまなコンビが考えられると思います。……やり込むのは大変そうですね。

 さておき、もう1つのメリットであるリンクアタックですが、これは特定の条件を満たした敵への追撃です。では、特殊な条件とは何か? それは、相手の体勢を崩して“体勢崩し”が発生した時です。“体勢崩し”が発生すると、画面上に選択画面が登場して、制限時間内(かなり短い!)に対応したボタンを押すと、リンクアタック=追撃を行えます。タイミングはそこそこシビアなので、プレイ感覚としてはアクションゲームに近いですね。

『英雄伝説 閃の軌跡』 『英雄伝説 閃の軌跡』

 しかもリンクアタックは3種類も存在します。いつでも行える“追撃”はそんなに威力が高くありませんが、“追撃”でブレイブポイントを上げると繰り出せる、広範囲に攻撃できる“ラッシュ”や、4人のメンバー全員で敵全体を攻撃できる“バースト”は非常に強力です。これまでのシリーズ同様、優秀な成績でバトルに勝つ(ノーダメージ勝利など)とボーナスがもらえるので、このリンクアタックの活用はかなり重要になると思います。

 ちょっと話を戻して、そもそもどうすれば“体勢崩し”が発生するのか? これまた詳しくは公式サイトを参照ですが、本作には“斬”、“突”、“射”、“剛”という4タイプの攻撃属性が存在します。弱点となる攻撃属性で攻撃すると、“体勢崩し”が発生する確率がグンと跳ね上がる仕組みになっています。

 これまでの『軌跡』シリーズでは、火や水といった属性が存在して、その弱点を突くことで大ダメージを狙えましたが、今回はそこに攻撃属性=どんな武器が有効なのかという攻略要素が加わったわけですね。それに加えて、リンクアタック発生時のリアルタイム感がたまりません! まあ、ボタンを押し損ねてガッカリすることもありますが、バシっとボタンを入力して華麗にリンクアタックを決めた時の気持ちよさは、これまでの『軌跡』シリーズにはなかった気持ちよさです。

『英雄伝説 閃の軌跡』 『英雄伝説 閃の軌跡』

 個人的な感覚ですが、これまで『軌跡』シリーズのバトルシステムは、ぶっちゃけ『空の軌跡 FC』のマイナーチェンジが続いていた印象がありました。それだけATバトルの概念がよくできていたわけですが、今回導入された“戦術リンク機能”と、それに関連した“体勢崩し”によって、ATバトルは“ATバトル・バージョン2”へと進化したと思います。

 これまで同様、行動順番の管理は重要でありながら、攻撃属性を考えた“体勢崩し”を狙うメリットも大きいので、バトル中に考える要素が増えて、楽しくなっています。キャラの交代も可能で、戦略性が広がってますしね。

→細かい修正点や主観的なキャラ別レビューもお届け(3ページ目へ)

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