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2013年7月12日(金)

ライトノベル1冊ほどの値段で始められるTCGを――富士見書房×MFが放つ『アンジュ・ヴィエルジュ』プロデューサーインタビュー&動画をお届け!

文:カワカミ雁々

 こんにちは、ライターのカワカミ雁々です。現在、新作トレーディングカードゲームの発売ラッシュとなっている2013年ですが、これからもまだまだ期待の新作が控えています。その1つが、富士見書房とメディアファクトリーが共同で手掛ける『アンジュ・ヴィエルジュ(以下、アンジュ)』です。

『アンジュ・ヴィエルジュ』

 今回、この『アンジュ』のプロデューサーである富士見書房の荒井健史氏と、メディアファクトリーの大和田 隆氏の両名に『アンジュ』開発経緯や今後の商品の展開についてインタビューを行ったので、その模様をお届けします。また、両プロデューサーによる対戦動画もあわせて公開するので、ぜひチェックしてみてください。

『アンジュ・ヴィエルジュ』
▲お話を伺った、今作のプロデューサー・荒井さん(左)と、大和田さん(右)。

■初めての人にも気軽に触ってもらいたい

――富士見書房は『モンスター・コレクションTCG』、メディアファクトリーは『ポケモンカードゲーム』と、両社とも歴史あるTCGを展開されていますが、今回どういった経緯で新しいTCGを制作するということになったのでしょうか。

大和田さん:2011年にメディアファクトリーは角川グループに加わりました。そこで、TCGも展開している富士見書房さんとの間で「せっかくだから何か新しいことをやろう」という話が自然と出てきたんですね。そこがスタート地点だったと思います。

――去年から今年にかけて、特にたくさん新作TCGが発売されていますが、『アンジュ』の登場がこの時期になったのには何か意図があるのでしょうか。

荒井さん:他のメーカーさんと競合する意図はなくて、メディアファクトリーさんの角川グループ参入もあわせて、結果的にこの時期になりましたね。富士見書房としては『モンコレTCG』が戦略性の高いゲームになっているということもあり、よりライトな感覚で楽しめるものを作りたいと考えていたタイミングでもありました。

――富士見書房とメディアファクトリーといえば、数多くのライトノベルを出版されていますが、今回それらの版権を使ったものでなくオリジナルのTCGとなったのはどういった理由からなのでしょうか。

『アンジュ・ヴィエルジュ』

大和田さん:富士見書房さんと弊社が共同でTCGを作るということになれば、ユーザーさんに期待されるのはやはり人気のあるイラストレーターさんが参加することだと思います。なので、これまでのライトノベル作品を使ったTCGにするような話もありました。しかし、より自由に作れるもの、拡張性のあるもの作ったほうが今後につながるだろうということで、今回はオリジナルの世界観を持つTCGを作ろうということになったんです。

荒井さん:版権もののTCGは他社さんでもやっていますし、同じことをやるよりも、新しいアプローチをしたほうが将来のためにもなるんじゃないかという意図もありますね。オリジナルのコンテンツを作り出す力は両社とも持っていますから、それらの力をかけ合わせれば、ユーザーさんがより楽しめるものを提供できると思っています。まぁ、何より一番はオリジナルで“やってみたかった”んですよ(笑)。

――TCGが数多くある今だからこそ、あえてオリジナルで挑戦したということですね。では『アンジュ』は、他のTCGとはどういったところで差別化を図っているのでしょうか。

荒井さん:『アンジュ』の一番のポイントは、とにかくプレイがお手軽なところですね。制作の初期段階から“シンプル&スピーディ”ということを強く意識しています。たくさんのTCGがある中で1つの作品にユーザーさんが取れる時間は多くないですし、ソーシャルゲームのようなライバルもいます。そういう状況で、どのようなゲームを提供して遊んでもらうかを考えたら、気軽に遊べるものがいいだろうということになりました。なので『アンジュ』は、ちょっとした時間でも遊べるような、覚えやすく、サクッと終わるゲームになっています。

大和田さん:もちろん、1回のプレイが短いだけでは味気ないので、短い中にも爽快感を持たせることを意識しました。“リンク”のシステムがそれですね。短時間でプレイできて、かつ爽快に、楽しく遊べるということを一番に考えています。ダイスやライフカウンターを使わず、デッキだけで遊べるのも『アンジュ』のお手軽さの1つですね。休み時間にも1プレイできますよ。

『アンジュ・ヴィエルジュ』
▲カードを何枚もめくって能力を発動する“リンク”。運の要素が強く、短い時間でハラハラドキドキのゲームを楽しめる。

――『アンジュ』のターゲットは、どういったユーザーさんになるのでしょうか。

荒井さん:こちらで想定しているのは、10代半ば~20代前半くらいでアニメやライトノベルは好きだけど、これまであまりTCGは遊んでいなかったという方ですね。もちろん、ヘビーユーザーの方にも遊んでほしいとは思っていますが。『アンジュ』のプレイがお手軽なのは、初めての人にも気軽に触ってもらいたいという狙いもありますし、ライトノベル的なビジュアルやメディア展開も、そういった部分を意識していますね。

――ヘビーユーザーに対しては『アンジュ』のどういった部分を楽しんでもらいたいですか。

荒井さん:お気に入りの女の子を見つけてゲームをするというところですね。『アンジュ』には女の子しか出ませんので(笑)。お気に入りのキャラクターを見つけて、その子と一緒に戦うこと、それをカードゲームの中で追体験できる。これは初心者の方でもヘビーなTCGプレイヤーの方でも楽しんでもらえるシステムだと思います。再三言っていますが『アンジュ』は非常に手軽なゲームなので、他のTCGをやっている方も一緒に遊べると思いますよ。

――お手軽さと“俺の嫁”的な感覚が魅力ということですね。それ以外にもユーザーさんにアピールしたいポイントはありますか。

大和田さん:メディアミックス展開には注目してもらいたいと思っています。『アンジュ』のカードの発売に合わせて、ライトノベルが両社からそれぞれ刊行されます。また、弊社の『コミックアライブ』誌上での連載も決まっています。そういった部分から、これまでカードゲームを遊んだことのない方にも『アンジュ』を知ってもらいたいですね。

→女の子たちが、女の子同士で戦う理由とは(2ページ目へ)

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