2013年7月13日(土)
電撃文庫で活躍する作家陣のメールインタビューをお届けする“Spot the 電撃文庫”。第84回となる今回は、『漆黒のエインヘリアル』を執筆した相原あきら先生のインタビューを掲載する。
▲nyoro先生が描く『漆黒のエインヘリアル』の表紙イラスト。 |
本作は、異能の力である“神紋(ルーン)”を持つ者たちの戦いと宿命を描いた。北欧ダークファンタジー。かつて、オーディンをはじめとする北欧の神々は“神々の黄昏(ラグナロク)”と呼ばれる最終戦争により滅び、その異能の力である“神紋(ルーン)”は人間へと受け継がれた。
“血誓兄弟(フォースブレーズ)”のロスト――ノルンの民の生き残りである彼は、家族を殺された悲劇を代償として得た神紋により一族を滅ぼした者たちへと復讐を誓う。だが、彼の前には強大な神紋を持つ皇帝直属の精鋭集団“ビフレスト”が立ちはだかるのだった……。
相原先生には、本作のセールスポイントや小説を書く時にこだわっているところなどを語っていただいた。また、電撃文庫 新作紹介ページでは、本作の内容を少しだけ立ち読みできるようになっている。まだ読んでいない人はこちらもあわせてご覧あれ。
――この作品を書いたキッカケを教えてください。
次の作品はシリアスな物にしようというということで、いろいろとプロットを考えました。そのうちに北欧神話をベースとしたものでいこうという方向性が定まり、それから舞台や設定でも紆余曲折があってようやく今の形に落ち着きました。
――作品の特徴やセールスポイントはどんな部分ですか?
キャラクターを格好よく、というところを頑張りました。うまくいっているかどうか、自信はありませんが。
――作品を書くうえで悩んだところは?
実際の北欧神話やルーン文字をどう取り扱うべきか、というところです。また、自分の考えているキャラクターの魅力をうまく伝えられていないのではないか、という点も悩みました。
特に主人公のロストというキャラがただの冷たい奴と受け取られてしまうのではないかと心配です。内心で思っていることとは裏腹の言動をとるような素直じゃない奴にしたつもりですが、その辺の描写が足りなかったかもしれません。
――執筆にかかった期間はどれくらいですか?
プロットのころから考えると1年以上は確実にかかっています。
――執筆中に起きた印象的な出来事はありますか?
筋トレしていて肩を壊しました。もうドラフト指名してもらえない。
――主人公やヒロインについて、生まれた経緯や思うところをお聞かせください。
とにかく強くてカッコいい人にしてあげたかった。できたのは捻くれて困った人です。
――小説を書く時に、特にこだわっているところはどこですか?
読みやすさでしょうか。なるべく、だらだらと長い文章にせず、短く切ったりしているつもりです。語尾にも気をつけています。ただ、それがちゃんと読みやすさに繋がっているかはわかりません。自己満足かも。
――アイデアを出したり、集中力を高めたりするためにやっていることは?
現実逃避。電灯の紐でシャドーボクシングなど。
――高校生くらいのころに影響を受けた人物・作品は?
高校生くらいの時で自分に一番影響を与えてくれたのは部活動です。ぬるい文化系部でしたが楽しかったです。部室に集まってゲームするだけでしたが。そこでやった『ディプロマシー』とかのボードゲームからも影響を受けてます。イルカ人間保護を名目にセバストポリから黒海へ不可侵条約無視してロシア海軍出撃させるのが俺たちのジャスティス。
――現在注目している作家・作品は?
『宇宙戦艦ヤマト2199』です。日曜の夕方がちょっと楽しみ。
――今熱中しているものはなんですか?
熱中というほどではないですが、海外ファンタジーのシリーズものをちょろちょろと読み進めています。なんか主要人物の少女があっさり殺されそうでドキドキ。
――ゲームで熱中しているものがあれば教えてください。
『機動戦士ガンダム 戦場の絆』。ずっとやっているのに下手くそのまま。タンクに乗らない困ったプレイヤー。
――それでは最後に、電撃オンライン読者へメッセージをお願いします。
強力な力を手にしたものの、神々の掌の上で転がされて周りに不幸しかもたらさない主人公とか、段々トカゲの鱗が生えてきちゃうヒロインとかがかわいそうだと思ったら助けてあげてください。続きが出れば多分助かります。
(C)相原あきら/アスキー・メディアワークス
イラスト:nyoro
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