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2013年8月7日(水)

『ヴァイスシュヴァルツ』との出会いはもはや運命だったのか!? ホリPに24時間イベント“しろくろフェス”や『D.C.』について聞く

文:ファイ

 ブシロードのTCG『ヴァイスシュヴァルツ』のプロデューサーである、堀井敦生プロデューサーにインタビューを行った。

 堀井プロデューサーは、“ブンケイP”でおなじみの田中文啓プロデューサーの後任として、『ヴァイスシュヴァルツ』のプロデューサーに就任。ディレクター時代の愛称であった“ホリD”改め、“ホリP”として活躍中だ。

 そんな堀井プロデューサーに、ブシロードに入社したきっかけから、開催が迫る“しろくろフェス”の内容まで、さまざまな質問をぶつけてみた。

『ヴァイスシュヴァルツ』
▲堀井敦生プロデューサー

■堀井プロデューサーと『ヴァイスシュヴァルツ』の出会い

――始めに、堀井プロデューサーの経歴を教えてください。

 大阪生まれの大阪育ちで、小中高と奈良の学校に通っていました。その後、京都の大学で通信と確率論を学び、大学を卒業してブシロードに入社し、今に至ります。2009年の4月に入社しましたので、今年で5年目になりますね。

――大学在学中から、ブシロードに入社したいという思いがあったのでしょうか?

 大学を卒業する直前くらいまでは、ブシロード……というかアニメやゲーム業界のことはほとんど知りませんでした。当時、ちょっとしたきっかけで知った業界だったのですが、今思えばそのきっかけがターニングポイントでしたね。

――どんなきっかけなのでしょうか?

 『D.C. ~ダ・カーポ~(以下、D.C.)II』(※CIRCUSから発売されている恋愛アドベンチャーゲーム)というゲームを友人から勧められてプレイして、とても夢中になってしまいました。その関連で、ちょうど講習会をやっていた『ヴァイスシュヴァルツ』を知り、最初はプレイヤーとして遊んでみておもしろいな、と。その後に、『ヴァイスシュヴァルツ』のジャッジ試験があったので試験を受けてジャッジになって、たまたま木谷社長にお会いする機会があり、直談判をして採用してもらいました。

――『ヴァイスシュヴァルツ』を知ってから入社まで、ものすごい勢いで駆け上がっていますが、もともとTCGはプレイされていたのでしょうか?

 ほとんど遊んだことがありませんでした。中高校生の時に、友人がやっていたTCGに少し触れたくらいです。『ヴァイスシュヴァルツ』を知る前は、音ゲー(音楽ゲーム)をよくやっていました。今でも、休日などには音ゲーをよくプレイしていて、全国各地にゲーム仲間がいます。

――『D.C.II』があったから、TCGに本格的に触れたということですか?

 確かに『D.C.II』があったというのはあります。実際に好きなキャラクターを扱っているゲームなので、詳しく知ってみたいなと思いました。そうしたら、ゲームシステムが思っていた以上に緻密で単純明快でびっくりしましたね。このゲームシステムはおもしろい、もっと詳しくなりたいなと。

『ヴァイスシュヴァルツ』

――今はプロデューサーとしてメディアなどに露出されていますが、入社した直後は何をされていたのでしょうか?

 最初は、『ヴァイスシュヴァルツ』ではなくてトレカ(『ブシロードトレーディングカードセレクション Vol.11 D.C.II P.C. ~ダ・カーポII~ プラスコミュニケーション』)を作りました。その後に、『ヴァイスシュヴァルツ』のディレクターとして、当時のプロデューサーだった島村P(島村匡俊・現カードファイト!! ヴァンガード プロデューサー)のもとでいろいろと勉強をしました。大会やイベントの運営なども、その時に学んだんです。

――ディレクターの仕事はイベントの運営だけではないと思いますが、他に何をしていたのでしょうか?

 ざっくりと言ってしまうと、商品を作ることです。具体的には、デザイナーさんとイラストなどの調整をしたり、発売までのスケジュールの管理をしたりなどですね。ディレクターは、1つ1つの企画が商品として世に出るまで深くかかわっていく人、という感じに思っていただければいいかなと思います。

――複数の商品を同時に開発していると思いますが、『ヴァイスシュヴァルツ』の開発チームはいくつもあるのでしょうか?

 大きなくくりで考えれば、開発チームは1つです。スタッフごとに経験差がありますので、お互いにサポートしつつやっていますが、それぞれに自分の担当の商品があってそれを作っています。ですので、開発チームはみんながディレクターという感じでしょうか。

――堀井さんはディレクターからプロデューサーに就任されましたが、プロデューサーとは、具体的に何をやる仕事なのでしょうか?

 ユーザーの方の中には、ニコ生(ニコニコ生放送)に出たりとか、イベントの司会をやったりだとか、そんな風に思っている方も多いと思います。それも確かにプロデューサーの仕事なのですが、それ以外もなんでもやるんです。たとえば、いろいろな開発中の商品の進行状況をチェックしたりとか、新商品の宣伝をしたりとか、時には商品にかかわる方とお話をして監修のチェックをしたりとかです。

――カードのテキストをこうしようと指示したりはしないのですか?

 「ブンケイPがこんなカードを作った!」とか言われますよね(笑)。でも実は、プロデューサーがカードを作ることは少ないんです。もちろんこだわりというのはありますが、基本的には最初に方針を決めて、各ディレクターがしっかりと作って、最後にプロデューサーが確認をするという感じです。ですので、プロデューサーはカードを作るというよりは、商品をより魅力的にするためにはどうしたらいいか、広い視野で考えていますね。

――さまざまな『ヴァイスシュヴァルツ』のお仕事にかかわってきたと思うのですが、一番うれしかったことはなんですか?

 最近ですと、Twitterの普及もあってか“今日のカード”のレスポンスがすぐに見られるということでしょうか。「よくやった!」という声も、「そうじゃない!」という声も、なんらかの反応がもらえるというのは非常にうれしいですね。『ソードアート・オンライン』や『ラブライブ!』など作品のファンの方から、それをきっかけに「『ヴァイスシュヴァルツ』を始めてみました!!」というメッセージをもらったりできていいですね。

『ヴァイスシュヴァルツ』

――『ソードアート・オンライン』などは英語版のカードにもなっていますが、海外での反応はどのような感じなのでしょうか。

 今年の3月末に“Sakura-Con”という、アメリカのシアトルで行われたアニメコンベンションに参加しました。『ソードアート・オンライン』は、英語版のアニメ放送がこれから本格化するぞという時期だったのですが、すでに現地ではキリトやアスナ(“ソードアート・オンライン”の主人公とヒロイン)のコスプレをした人がたくさんいましたね。

――やはり『ソードアート・オンライン』は人気なんですね。

 現在、『ヴァイスシュヴァルツ』では4つの作品(『魔界戦記ディスガイア』、『Fate/Zero』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『ソードアート・オンライン』)で英語版のカードを出しています。これをきっかけに海外でも盛り上がってほしいなと思っています。

――海外で展開している商品はシュヴァルツサイドが多いようですが、ヴァイスサイドとシュヴァルツサイドはどのように分けているのかを教えてください。

 その作品がリリースされた時期や、前後のブースターの雰囲気、全体的なカードプールの兼ね合いなどで決めています。全体的に見てみると、なんとなくヴァイスサイドには“かわいい”作品が、シュヴァルツサイドには“クール”な作品があるというイメージです。

――ということは、海外では“かわいい”より“かっこいい”のほうが支持されているということですか。

 日本のいわゆる“萌え”と呼ばれる文化は、欧米ではまだ発展途上なのではないかと思います。アメリカンヒーローなどの影響もあるのでしょうが、直感的に“かっこいい”ほうが受け入れられやすいのかなと。しかし、『ソードアート・オンライン』の流行などを見ると、欧米でも“萌え”文化は浸透してきていると実感していますね。欧米のマーケットは広大ですから、大きなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。

→ホリPに『D.C.』を聞く!(2ページ目へ)

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