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2013年8月9日(金)

両替パズル『マネーアイドル エクスチェンジャー』で脳に刷り込まれたゆかなさんの声──サクサク遊べてハマる要素もアリ! 【思い出ゲーム特集】

文:カワカミ雁々

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■小銭を並び替えてエクスチェンジ!!

 本作のゲームシステムはいたってシンプル。フィールド上に1円玉から500円玉までの硬貨が並んでいるので、それをボタンで引っ張り、並び替えていきます。1円玉は5枚並べると5円玉1枚に、5円玉は2枚並べると10円玉1枚に両替されます。10円玉、50円玉、100円玉も同様に、一定の個数を並べることで1ランク上の硬貨に両替されていきます。こうして500円玉になるまで両替し、最終的に500円玉を2枚並べると消滅します。

『マネーアイドル エクスチェンジャー』 『マネーアイドル エクスチェンジャー』
▲対戦中は画面下のちびキャラがよいしょよいしょと動いて硬貨を並べ替えていきます。選んだキャラクターによって背景がチェンジしたり、連鎖時のボイスが違ったりといった、キャラゲーの基本的な要素もちゃんとおさえてあります。

 ルールを覚えたら、あとはひたすらこれを繰り返していくだけ。一定時間ごと、あるいは下入力2回で新しい硬貨の列を引き出すことができ、硬貨の列が画面の一番下まで来てしまうとゲームオーバーになります。

 ゲームセンターで遊んでいた時は、レバーのメンテナンスが悪いと意図しないタイミングで硬貨が出てきて「いや、出してねーよ!」と筺体にツッコむこともしばしばでした。出てこないのはまだいいんですが、勝手に列が増えると、結構CPUが強かったのもあって、そこからあっさり死ぬこともよくありましたね。

『マネーアイドル エクスチェンジャー』 『マネーアイドル エクスチェンジャー』
▲遊べるモードはマニー教団の刺客と戦っていくストーリーモードと、対戦、1人用の練習モードがあります。しかしもっぱら1人用モードで遊んでいて、対戦をした記憶がほとんどありません。パズルゲームって意外とそういう“自分との戦い”になりがちですよね。

■連鎖のシステムに中毒性アリ

 もちろん、パズルゲームなので連鎖の要素もあります。1円玉を5円玉に両替した時、その5円玉に隣接する形でもう1枚5円玉があれば、連鎖が起こって10円玉になります。もちろん、さらにそこ隣接して10円玉が4枚あれば50円玉に、さらに50円玉と並んでいれば100円玉に……といった感じで連鎖していきます。

 この5枚→2枚→5枚→2枚……という連鎖がなかなかクセモノで、連鎖のために脇に置いておきたいのに、50円玉とかはうっかり2枚くっついて消えてしまう、なんて状況もよくありました。

 また、おもしろいポイントとして連鎖が起きている間もキャラを動かして、硬貨を操作できるという点があります。たとえば1円玉4枚が並んでいるところに、1円玉をくっつけて5円玉にする時、1円玉が5円玉に代わる間にキャラを動かしてほかのところから5円玉を持ってきてつなげる、ということも可能です。

『マネーアイドル エクスチェンジャー』 『マネーアイドル エクスチェンジャー』
▲パズルゲームの要である連鎖。本作でも上手い人は10連鎖を超えるらしいですが、僕には無理でした……。でも、狙って大連鎖が組めなくても、小さな連鎖が思わずつながって「おおっ!」となるのはパズルゲームの醍醐味ですよね。

 連鎖を組むだけでなく、アドリブで連鎖をつなげられるようになるとこのゲーム、一気にハマリ度があがります。僕は一時期、授業中などにも机の上で「ここを消すとここに50円玉ができるから、あらかじめ50円玉をここに置いておいて……」などとリアル硬貨を並べてシミュレーションをするようになり、よく先生に怒られました。

 当時はお小遣いも少なかったので100円玉以上の硬貨をたくさん用意できず、シミュレーションにはゲームセンターのメダルを仮想100円玉、仮想500円玉として使っていたりもしましたね(※編集部注:現在、ゲームセンターのメダルは持ち出し禁止となっている場合が多いので注意)。今になって思い返すとちょっと悲しい気分になりますね。

 なお、本作には硬貨以外にも“ER”と“RU”という2つの特殊なブロックがあります。これらも手元に引っ張って並び替えることができ、2つつなげて消すことで、その上にある硬貨に特殊な効果をおよぼします。

 “ER”は“ERASE(イレース)”で、その名の通り、上にあった硬貨と同じものをすべて消滅させます。“RU”は“RANK UP(ランクアップ)”で、上にあった硬貨と同じものを全部1ランク上の硬貨に変化させます。10円玉なら50円玉に、50円玉なら100円玉にといった具合ですね。

 基本的には“ER”も“RU”も消すのに必要な枚数が多く、フィールド内に散らばってしまうと集めるのも面倒な1円玉に使っていきます。“RU”なら全部5円玉に変えられるので、そこから連鎖をスタートさせることもできます。

『マネーアイドル エクスチェンジャー』 『マネーアイドル エクスチェンジャー』
▲“ER”で10円玉をまとめて消したところ。使い方がわかれば便利な“ER”と“RU”ブロックですが、2個くっつけないと消えないため、2個目が現れるまではやっぱりお邪魔ものだったりします。

 ちなみに、僕がゲームセンターで本作を初めてプレイした時は、筺体にインストカード(ゲームの簡単な操作説明が書かれたカード)がなく、デモ画面もろくに見ずにお金を投入したため“ER”と“RU”を何に使うのかまったくわかりませんでした。消し方すらわからず、とりあえず500円玉にくっつけてみる、“おじゃまぷよ”的なものかと思い他の硬貨と一緒に消そうとするなど、悪戦苦闘しました。

 近頃のアーケードゲームはシステムが複雑化しているということもありますが、遊び方を丁寧に解説した小冊子を用意してくれているお店も多く、とっても遊びやすくなっていると感じます。当時のゲームセンターでは、“とりあえず遊べるけど、何だかわからないモノやゲージがゲーム内にある”ということもよくあったように思います。

■ちょっとした合間に遊んでほしい!

 というわけで、簡単にではありますが『マネーアイドル エクスチェンジャー』の魅力を紹介させてもらいました。少しだけクセのあるゲームルールですが、日常生活で行われる“両替”をベースとしているので、実際に遊んでみればすぐに慣れることでしょう。5円玉や50円玉は2枚並べるだけで消えるため、何となく硬貨を動かしているだけでも連鎖がつながり、初プレイでも比較的サクサクと遊べるパズルゲームだと思います。

 そして、これはパズルゲーム全体に言えることかもしれませんが、ある時ふと「あ、こうやって組めばいいんだ」というひらめきがやってくる瞬間があって、それがとても気持ちよく、その後はぐっとハマれるようになります。お盆休みや夏休み、ガッツリ大作ゲームを遊びつつ、その合間の箸休めとしてオススメな1本です。


【思い出よみがえりゲーム特集『マネーアイドル エクスチェンジャー』アンケート】

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データ

▼『マネーアイドル エクスチェンジャー』(ゲームアーカイブス)
■メーカー:アテナ
■対応機種:PS3/PS Vita/PSP(ダウンロード専用)
■ジャンル:PZG
■配信日:2008年2月13日
■価格:600円(税込)
▼『マネーアイドル エクスチェンジャー』
■メーカー:アテナ
■対応機種:PS
■ジャンル:PZG
■発売日:1998年11月5日
■希望小売価格:6,090円(税込)

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