2013年8月9日(金)
すっかり定着した(かもしれない?)“ほぼ毎日特集”。今回は前日に引き続き、アナログゲームの制作者と、その人が作ったゲームを一緒に遊んで力量を測るエラソーな企画“制作者は本当にゲームが上手いのか?”をお届けします。
今回遊んだのはループ系の物語を題材にした新感覚のボードゲーム『惨劇RoopeR X(サンゲキルーパー カイ)』!! 前編で詳しくルールを解説しているので、未読の方は、まずはそちらからお読みいただければ幸いです!
【前編のあらすじ】
第1ループは4日目、第2ループは2日目でゲームオーバーになってしまった主人公側プレイヤーのごえモン、カワチ、梅津爆発の3人。第3ループではシリアルキラーの男子学生を利用して、怪しいキャラたちを2日連続で殺害するという暴挙に出た! この殺害は惨劇を突破するカギになるのか? はたまた新たなる惨劇の始まりなのか?
【リプレイ参加者(敬称略)】
BakaFire(以下、BF):本作のゲームデザイナー。アナログ同人ゲーム制作サークル“BakaFire Party”の代表。今回は脚本家側プレイヤーとして参戦。
ごえモン(写真右):電撃オンラインのギャルゲー番長&アドベンチャーゲームコーナー“まり探”の職員。アナログゲームは初心者。
カワチ(写真左):ギャルゲーやアドベンチャーゲーム全般など、いろいろこなすフリーライター。電撃オンラインでも活躍中。アナログゲームは初心者。
梅津爆発(写真中央):アナログゲームもコンシューマゲームもリアル脱出ゲームも大好きなフリーの編集者。
BF:女子学生、お嬢様、刑事です。
爆発:女子学生に“暗躍禁止”は外せませんね。
ごえモン:やっぱりキラーの疑いがあるお嬢様に“移動↑↓”を置いて処刑場に送り込みますか(笑)。
カワチ:ごえモンさんがゲスい笑顔を浮かべている(笑)。
爆発:あとは刑事ですね。もし刑事がクロマクだったら学校に移動してきて女子学生に暗躍を置き、そのままキラーで殺害という流れもありえますし。
カワチ:じゃあ念のため“移動禁止”にしておこうか。
BF:ではオープン。
▲女子学生の“暗躍+1”は“暗躍禁止”で相殺。お嬢様は脚本家が“移動←→”を置いていたため、主人公側の“移動↑↓”と重なり斜めに移動することに。刑事は“不安+1”だった。 |
ごえモン:刑事は不安か。5日目の事件“行方不明(犯人を任意のボードに移動させる。その後、犯人のいるボードに暗躍カウンターを1つ置く)”の犯人説が濃厚になったかな。
カワチ:お嬢様の移動は、こっちの行動を読んでいたのかもね。
ごえモン:しかし情報屋はカワイイな。
爆発:急に関係ない話が始まった(笑)。
BF:今回登場していないキャラも含めて全部で18人のキャラがいますので、好みのキャラを惨劇の登場人物にしてみてくださいね!
カワチ:宣伝ありがとうございました!
脚本家能力フェイズ以降何も起こらず次の日へ。
BF:お嬢様、刑事、女子学生です、どうぞ。
ごえモン:4日目は事件の犯人が死んでいるから安心ですね。5日目の“行方不明”を防がないと。
爆発:“行方不明”は、犯人の移動と、移動先に暗躍カウンターが1つ置かれるだけなので、もうあまり意味はないかもしれません。
カワチ:じゃあ怖いのは7日目の“殺人事件(犯人と同一エリアにいる犯人以外のキャラを1人死亡させる)”か。
ごえモン:お嬢様が“殺人事件”の犯人だったらめんどくさいなー。
カワチ:不安臨界1だからね。すぐ疑心暗鬼になっちゃうよー!
爆発:あっ! 冷静に考えたら我々は非常に危険な橋を渡っていましたよ。前日に脚本家が女子学生に“移動↑↓”を置いていたら、男子学生の餌食になってゲームオーバーでした!!
ごえモン:たしかに(笑)。男子学生は病院にでも移動させておきますか。
カワチ:やっぱり処刑場なんて作るもんじゃないね!
爆発:「オマエラが男子学生を利用するなら、こっちにも考えがあるぞ!!」って、そろそろ脚本家さんがキレるかもしれないですからね!!
ごえモン:女子学生の“暗躍禁止”と男子学生の“移動←→”は確定として、あとはどうしますか。
BF:そろそろアノ人と仲よくなっておいたほうがいいんじゃないですかね。役職わかりますよ?
爆発:サラリーマン(このキャラの役職を公開)なんて無視でいいですよ。自分から正体バラすような奴に重要な役職は与えないでしょう(笑)。
BF:ヒドい言われようですね!
ごえモン:刑事を“殺人事件”の犯人と仮定して、できるだけキーパーソンから離れさせるために病院へ送り込みますか。
カワチ:そうしよう。
BF:ではオープン。
▲女子学生はいつも通り。脚本家が刑事に置いたのは“不安+1”で、お嬢様に置いたのは“移動↑↓”。刑事はついに不安臨界を突破。 |
BF:そろそろこちらも処刑場を利用しようと思っていたので、男子学生を動かしたのは正解だと思いますよ。
脚本家能力フェイズ以降何も起こらず次の日へ。
BF:男子学生、女子学生、サラリーマンです、どうぞ。
爆発:ついに初めての5日目ですね!! 何が起こるやら。
カワチ:お嬢様はさっき、どうして移動してたのかな?
爆発:やっぱり殺されないように逃げているんじゃないかな~。
カワチ:脚本家にとって重要な役職ってことか。
ごえモン:男子学生が斜めだと女子学生が殺されて終わりですね。女子学生には“暗躍禁止”を置くしかないし、男子学生に“移動禁止”ですかね。
爆発:念のため安全そうな人を学校に送って、今後もシリアルキラーに狙われにくくしておきましょう。
カワチ:じゃあ情報屋でいいんじゃない? 第1ループで能力使ってくれたし、ごえモンさんの好みのタイプだし。
ごえモン:そうしましょう。
BF:ではオープン。
▲女子学生はなんと“移動↑↓”。男子学生は“移動←→”だったため、“移動禁止”を置いていなければ神社でキーパーソンが殺されて敗北だった。サラリーマンは“不安+1”。 |
カワチ:危なかった!
爆発:ごえモンさんの“移動禁止”の判断が正しかったですね。
脚本家能力フェイズ以降何も起こらず次の日へ。
BF:男子学生、女子学生、刑事でどうぞ。
カワチ:5日目に“行方不明”が起こらなかったということは、刑事が“殺人事件”の犯人かなぁ。
ごえモン:サラリーマンかもしれませんよ。
爆発:どちらかの可能性はかなり高いでしょうね。
ごえモン:今日の行動ですが、“移動禁止”を持っているのはもうカワチさんだけなので、カワチさんは男子学生に“移動禁止”でいいんじゃないかと。
カワチ:了解。2人のどちらかは“暗躍禁止”として、最後の1人はどうする?
ごえモン:刑事は怪しいので女子学生に近づけたくないんですよね。“移動↑↓”で離れてもらいますか。
爆発:それで行きましょう。
BF:ではオープン。
▲女子学生の“暗躍+1”を“暗躍禁止”。男子学生の“移動←→”を“移動禁止”。刑事は“不安+1”と“移動↑↓”だったため、都市に移動しつつ不安カウンターが1つ増加した。 |
爆発:刑事の不安を臨界以上に溜めてるのは、必ず事件を起こしたいという“絶対の意思”の表れかな!
ごえモン:これはもう勝ったんじゃないですか?
カワチ:まだ奥の手を残してるかもしれない!
脚本家能力フェイズ以降、ターン終了フェイズまで何も起こらず。
BF:ターン終了フェイズに入院患者が死亡しました。
爆発:ついに犠牲者は3人に!!
カワチ:シリアルキラーめ、許せん!!
ごえモン:犠牲者2人は我々のせいですが(笑)。
BF:最終日も、女子学生、男子学生、刑事ですどうぞ。
カワチ:ついに最終日か。
爆発:まだルールYが確定していないのがちょっと心配ですが。
ごえモン:女子学生に“暗躍禁止”は絶対でしょう。
爆発:あとは“女子学生をシリアルキラーと2人きりにしない”、“女子学生を殺人事件の犯人っぽい刑事と同じ場所に行かせない”の2つを満たさないとダメですね。
カワチ:刑事、男子学生、女子学生の移動の読み合いか。
3人は熟考の結果、女子学生“暗躍禁止”、男子学生“移動↑↓”、刑事“移動↑↓”に決定。
BF:ではオープン。
▲女子学生の“暗躍+1”は“暗躍禁止”。男子学生は“移動←→”と“移動↑↓”が重なって斜め移動になり学校へ。刑事は“斜め移動”と“移動↑↓”が重なって“移動←→”になり学校へ。 |
カワチ:おっ!
ごえモン:読み通りでしたね!
爆発:女子学生は守れたっぽい!!
BF:脚本家能力フェイズはパス。主人公能力はありません。そして事件フェイズですが“殺人事件”は起きません。
カワチ:起きないってことは刑事は犯人じゃないのか。
BF:ターン終了フェイズは何も起きません。そして最終日が終了し、今回のループは終わりました。
爆発:さあ勝敗判定!
BF:……この惨劇は、心の汚れた人たちには決して打ち破れません。皆さんは敗北しております!! 巫女はフレンドでした。
ごえモン:な、なんだってー(笑)。
爆発:……あっ、“潜む殺人鬼”のルールでフレンドが追加されること見落としてた(笑)。
BF:巫女が殺害されたのは初日ですから、ずいぶん前からこの敗北は決定していたということになりますね。
カワチ:この30分間くらい、俺たちは脚本家の手のひらの上で踊らされていたんだ!!
ごえモン:フレンドなのに4日目の犯人って!!
爆発:本当はいい子なのに、疑心暗鬼に囚われて事件を起こしてしまったんでしょうね。友だちの暴走は止めなければ。殺す以外の方法で!!
BF:今度はそうしてくださいね(笑)。なお巫女がフレンドと判明しましたので、ループ開始時に巫女には友好カウンターが1つ置かれます。
爆発:よし、もう俺たちは互いを疑わない!! 悪魔どもが喜ぶ脚本なんて、全部ブチ壊してやるぜえええッ!!
カワチ:じゃあ最終ループの準備お願いしまーす。
BF:はーい。
BF:最後ですから、積極的かつ攻撃的に行きますよ。お嬢様、男子学生、入院患者です。
爆発:ルールYが確定してないのはツライですね。でも今度こそ巫女と女子学生以外は殺しても大丈夫でしょう。
BF:懲りてないですね(笑)。まあ、その通りではあるのですが。
カワチ:お嬢様はキラー説があるから、初日に殺せると安心できるんだけど。
ごえモン:移動を置いている可能性があるから、狙い通りに殺すのは難しそう。
カワチ:男子学生は神社に移動してるような気もするなぁ。
爆発:巫女が孤立しているから男子学生に狙われやすいので、女子学生も神社に移動させて2人で生活させれば狙われにくくなるんじゃ?
カワチ:それがよさそうかな。
ごえモン:入院患者はどうしましょうか。医者に“友好+2”を置けば毎日不安を1つ取り除けるようになるので、例え医者がミスリーダーだったとしてもそれなりに有効な気がしますね。
爆発:そうしますか。
ごえモン:あと1枚は、将来的に巫女やお嬢様の不安を取り除くために男子学生に“友好+2”を置いておきますか。シリアルキラーだけど。
カワチ:2人きりにさえならなければ、同級生の不安を解消してくれる優しい人。シリアルキラーだけど。
爆発:みんな仲よく同じ場所にいれば殺人は起こらないということですね! シリアルキラーいるけど。
BF:ではオープン。
▲入院患者は予想通り“不安+1”。男子学生は“移動↑↓”で、お嬢様は“暗躍+1”だった。 |
爆発:キラーの2つ目の能力は“このキャラに暗躍カウンターが4つ以上ある場合、ターン終了フェイズに任意で主人公を死亡させてもよい”。これを匂わせているのかも。もちろん本当に能力発動を狙っている可能性もありますが。
カワチ:暗躍4つも届くのかなぁ?
爆発:ルールYが“殺人計画”ならクロマクの能力で毎日暗躍を置くこともできるので、役職を隠そうとしなければ十分届くでしょうね。
BF:でも役職は隠さないと最後の戦いで結局こちらが負けてしまいますからね。脚本家能力フェイズは入院患者に不安を置きます。主人公能力フェイズは……。
カワチ:医者の能力で入院患者から不安を1つ取り除きます。
BF:はい取り除きました。
ごえモン:医者の友好能力強いなぁ。
以降何も起こらず次の日へ。
BF:女子学生、男子学生、入院患者。どうぞ。
ごえモン:事件を発生させないために、入院患者に“不安-1”は確定でしょうね。
カワチ:女子学生への“暗躍+1”も防ぎたいから“暗躍禁止”だよねぇ。
爆発:男子学生は“殺人事件”の犯人で、“不安+1”を置かれた可能性がありますね。「今まで意味なく殺してきたけど、今度は明確な意思で殺人を犯します!」って。
BF:イヤな男子学生ですね(笑)。
爆発:だとしても、今やれることはないんだよなぁ。“不安-1”はもったいないし。
BF:今やれることがない場合は、未来のために仲間と絆を深めるのがいいかもしれません。
ごえモン:第2、第3ループは絆を無視してきましたからね。最終ループで絆に目覚めるのはループものの王道ですよ!
カワチ:じゃあ巫女を攻略しよう! 友好5つためれば同一エリアのキャラの役職を教えてくれるし。
爆発:異議なし! にっぱにぱにしてやりましょう!!
BF:ではオープン。
▲女子学生はいつも通りの暗躍相殺。男子学生は“不安+1”。入院患者も予想通り不安相殺。 |
BF:私が女子学生に“移動↑↓”を置いていたら、巫女と男子学生が2人きりになってこちらの勝ちでしたね。狙えばよかったかな(笑)。
カワチ:アブねー!
爆発:やっぱりもう1人神社に送っておかないと危険ですね。
脚本家の能力と医者の能力で入院患者への不安が相殺され、以降何も起こらず次の日へ。
BF:ちょっと苦しくなってきました。うーん、男子学生、女子学生、お嬢様。
爆発:医者を神社に呼びますか。ミスリーダーだとしても自身の友好能力で無害化してますし。
ごえモン:本当は情報屋を神社に呼びたいんですが、主人公側は“斜め移動”がないですからね。
カワチ:医者呼んで、男子学生が“移動←→”だったら入院患者が殺されちゃうけど、いいか!
入院患者:……。
爆発:キラー候補のお嬢様に暗躍が置かれた可能性もあるけど、まだ女子学生に“暗躍禁止”かなぁ。
ごえモン:やっぱりお嬢様を亡き者にしたいですね。
カワチ:女子学生を狙ってる(っぽい)から自業自得だ!
爆発:どちらにしても男子学生は神社から移動させたほうがいいっぽいですね。
ごえモン:じゃあ男子学生に“移動←→”で。
カワチ:あれ、お嬢様の殺害は?
ごえモン:顔をじっと見てたら好みのタイプだなって。
カワチ:そんなこと言ってたら情報屋に刺されるよ! でも惚れてしまったなら仕方ない。男子学生に“移動←→”で。
BF:ではオープン。
▲お嬢様に“暗躍+1”が置かれ、女子学生には“移動↑↓”が置かれていた。男子学生には“不安+1”。 |
BF:うーん、残念。
爆発:男子学生を移動させてなかったら巫女が殺されてましたな!
カワチ:お嬢様にも暗躍が2つ置かれたから、そろそろ4つ置かれて主人公がキラーに殺されるというビジョンも見えてきたね。
脚本家の能力と医者の能力で男子学生への不安が相殺し、以降何も起こらず次の日へ。
BF:決断の日がきました。女子学生、お嬢様、男子学生。
爆発:ヒントっぽいことを言ってくれましたよ。
カワチ:重要な局面っぽいし、男子学生に3回しか使えない“移動禁止”使っちゃおうか。
ごえモン:そうすればシリアルキラーの殺人は完全に防げますね。イイネ!
爆発:今日から毎日“移動禁止”を使うと6日目でなくなるから、最終日は移動禁止を使えないのか!!
カワチ:最終日は読み合いなんて熱いね!!
爆発:せっかく“移動禁止”を使うなら、今のうちに巫女に“友好+1”を置いて完全攻略しておきたい気が!
カワチ:役職がわかる友好能力を使えるようになるしね。
ごえモン:最後の1枚はお嬢様と女子学生のどちらかに“暗躍禁止”か。この2択がずっと続くのキツイなぁ(笑)。
爆発:探偵の勘で!
ごえモン:うーん、女子学生に“暗躍禁止”!
BF:ではオープン。
▲男子学生は移動ではなく“不安+1”。お嬢様と女子学生の2択は、なんと両方とも暗躍! ただし1ループ1回制限の“暗躍+2”は女子学生に置かれ、それを防ぐことには成功していた。 |
BF:残念です。
ごえモン:両方とも暗躍でしたか!
爆発:でも強いほうを防げたから一応セーフでしょう。
カワチ:そして友好パワーがたまった巫女の快進撃が始まるかも!!
爆発:あとはクロマクの正体を見破らないといけませんね。同じエリアにいると暗躍を置かれてしまうから。ただ、クロマクが能力を使うと役職はほぼすべて確定するので、最後の戦いで我々が勝利できそうですが。
BF:そうなんです。僕はクロマクとキラーの正体を同時に明かすことは避けなきゃいけないのです。もしかしたら両方ともいないかもしれませんけどね……。
カワチ:都市にいる3人は、第4ループで動きがなくて逆に怪しい気がする。
脚本家の能力と医者の能力で男子学生への不安が相殺され、巫女の能力は1ループ1度しか使えないため未使用。以降何も起こらず次の日へ。
BF:お嬢様、女子学生、サラリーマンです。
ごえモン:お嬢様がキラーなら“暗躍+1”で負けなので、“暗躍禁止”を置くしかないかなぁ。
爆発:サラリーマンは学校に入れないので、“移動←→”からのクロマク能力で暗躍置きはなさそうですね。ってことは“不安+1”の可能性が高いかも。
カワチ:今日は“行方不明”の日か。
爆発:でも“行方不明”って“犯人を任意のボードに移動し、移動した場所に暗躍カウンターを1つ置く”だから、あまり意味がないような。場所に暗躍置かれても、もう困らないので。
カワチ:“行方不明”の効果で禁止エリアに入ることはできますか?
BF:できません。
ごえモン:やっぱりお嬢様を殺したほうが安全だなぁ。
カワチ:さっき好みのタイプって言ってたのに!
BF:説明が必要になったので能力解決順の詳細をお知らせします。同一タイミングで発生する能力は先に“強制能力”を処理したあと、“任意能力”を使うか否か判断できます。“強制能力”のシリアルキラーがキラーを殺害した場合、キラーの2つの能力はともに“任意能力”なので発動できません。
ごえモン:お嬢様を殺害するのは逆転の一手じゃないですか!
爆発:お嬢様に“移動↑↓”、男子学生に“移動←→”、巫女に“移動↑↓”を置けば、神社でお嬢様と男子学生が2人きりになる可能性がありますぜ!!
カワチ:女子学生に“暗躍+1”が置かれていたとしても、1つだけならまだセーフだし、やっちゃうか!!
ごえモン:ギャンブルタイムだ!!
BF:それではオープン。
▲女子学生に“暗躍+1”、サラリーマンに“不安+1”、そしてお嬢様には“移動←→”が置かれていたため“移動↑↓”と重なって斜め移動となり病院へ。 |
ごえモン:殺害失敗かぁ……。厳しくなっちゃったかな。
BF:脚本家能力フェイズはパスで。主人公能力フェイズは……。
爆発:あまり意味はないですが医者の能力で入院患者の不安を1つ取ります。巫女の能力は使いません。
BF:では事件フェイズです。“行方不明”は発生し、男子学生が任意の場所へ移動します。
爆発:あっ! 巫女か女子学生が1人でいたら、男子学生が移動してきて殺害されてましたね……。
BF:図らずも回避されてしまいました。幸運の女神が皆さんに味方しているのかも。男子学生は学校へ移動し、学校に暗躍カウンターを1つ置きます。ターン終了フェイズは何も起こらず次の日へ。
カワチ:殺そうとしたのに、結果的に死者が1人も出ないとは!!
▲神社にいたのに、しれっと学校に現れた男子学生。孤立した獲物を見つけられずに不満そう(気のせいです)。 |
BF:女子学生、お嬢様、サラリーマンです、どうぞ。
ごえモン:あと2日だし、最終日の“殺人事件”の犯人はサラリーマンかな。
爆発:お嬢様の可能性もありますけど、どうでしょうね。
カワチ:それとお嬢様と女子学生はどっちに“暗躍+1”を置かれても負けなんだよねぇ。
ごえモン:お嬢様の殺害をもう一度狙うしかないかな(笑)。
カワチ:お嬢様に“移動←→”、男子学生に“移動↑↓”を置けば、神社で殺害できるかも。
ごえモン:殺しちゃいけない女子学生は“暗躍禁止”で。
爆発:その間にサラリーマンがコツコツ不安をためてるけど仕方ない。
BF:ではオープン。
▲女子学生は暗躍が相殺。お嬢様は“移動↑↓”と“移動←→”が重なり、斜め移動で学校へ。サラリーマンは“不安+1”。 |
爆発:さっきと同じような展開になりましたね。
BF:脚本家能力フェイズはパス。主人公能力フェイズどうぞ。
ごえモン:あっ、巫女の能力でお嬢様の役職が確定できる。
カワチ:ついに巫女巫女パワーが炸裂か!
爆発:残り日数もないし、聞いちゃいましょう。
ごえモン:巫女の能力をお嬢様に使います。
BF:お答えします。お嬢様はキラーです!
カワチ:ブラフじゃなかったか。
爆発:これですべてのルールが判明しましたね。役職でわからないのはクロマクのキャラだけかな。
BF:事件フェイズとターン終了フェイズは何も起こらず、いよいよ最終日です。
BF:女子学生、お嬢様、巫女ですどうぞ!
爆発:最終日のリーダーはカワチさんですね。お願いしますよ!
ごえモン:暗躍の2択、当ててくださいね!
カワチ:こんな時だけリーダーに責任を押し付けないで(笑)。
爆発:危険なことはいろいろありますよ。“殺人事件”にシリアルキラーにキラーに……。
ごえモン:詰んでそうな予感(笑)。
BF:ヒントとしては、先ほどお嬢様をキラーと確定させたことでルールYが“僕と契約しようよ!”ではなくなりました。つまり女子学生に暗躍カウンターが2つ置かれてもキラーさえ同じ場所にいなければ彼女は無事ですね。
爆発:たしかに。ヒントありがとうございます!
ごえモン:とりあえず男子学生は“移動←→”で病院送りにしましょう。そうすれば巫女や女子学生に“斜め移動”が置かれていたとしても、病院には他の人もいるから殺害されないし。
爆発:シリアルキラーは防げました。次はお嬢様への暗躍置きを防がないと。
カワチ:カードで暗躍を置いてくるのか、都市へ移動させてクロマクを使うつもりなのか。
ごえモン:相手の気持ちになって考えよう。チェス盤をひっくり返すんだ! ……クロマク本人を都市から病院に移動させちゃうか。
爆発:でも都市の3人のうち、誰がクロマクかまだ判明してないんですよねぇ……。
ごえモン:今までの傾向からすると、不安カウンターを上げている人が役職付きなんですよ。だからサラリーマンかなぁ。
BF:最終日にサラリーマンの役職で悩んでいるケースは、今までの経験で初めてですよ(笑)。サラリーマンの能力を使っておけば、最低でも2択には絞れましたね。
爆発:まあ普通はとりあえず仲よくなって能力使いますよね(笑)。
BF:なかなかおもしろい状況です。
ごえモン:今の発言を素直に受け取ると、サラリーマンはクロマクじゃないってことかなぁ。
カワチ:とすると刑事か情報屋の2択だけど、もう判断材料はないよね。
爆発:“クロマクだとバレないように動かさないほうがいいか”と脚本家が思っていたのなら、今まで一切動かされていない情報屋。“もしもの時にクロマクの能力を使えるよう、場所を移動させておくか”と脚本家が思っていたのなら、これまでのループで何度か動かされていた刑事。どっちかなぁ。
ごえモン:絞れないから後で考えますか。先に“殺人事件”を防ぐ方法かな。犯人はこの数日で急に不安がためられたサラリーマンでしょう。
カワチ:だと思う。
爆発:“同じエリアのキャラを1人死亡させる”だから、サラリーマンと同じ場所に女子学生か巫女が移動していたらアウトなんですよねぇ……。
BF:サラリーマンは学校に入れなかったり、巫女は都市に入れなかったりするので、意外と狙われにくいのかもしれませんよ? ただ、もし本当にサラリーマンが“殺人事件”の犯人なら、事件を防ぐこと自体は簡単だと思います。
ごえモン:“不安-1”を置くだけですもんね。
爆発:男子学生を病院に移動させてシリアルキラーの脅威を排除し、サラリーマンに“不安-1”を置いて“殺人事件”の危険をなくしてこちらはあと1手。残る危険はクロマクとキラーが同じ場所に行くことと、カードによってキーパーソンかキラーに暗躍カウンターが置かれること……って、全部に対応するのはムリだなぁ(笑)。
カワチ:もう脚本家の行動を読むしかないね。
ごえモン:どうせ負けるならクロマクの能力を発動させて負けたいですね。そうすれば役職がすべてわかって“最後の戦い”で勝利できるので。
爆発:とりあえずカードを置いていきますか。最終日のリーダーのカワチさんから。
カワチ:男子学生に“移動←→”でシリアルキラーを防ぐ。
爆発:ではサラリーマンに“不安-1”で“殺人事件”を防ぐ。最後はごえモンさん!
ごえモン:クロマクの能力で負けるのは仕方ないとして、あとはカードによる暗躍を止めればいいのか。
爆発:お嬢様に“暗躍+1”が置かれたらキラーの能力で主人公が殺されて負け。女子学生に“暗躍+1”が置かれたうえで、同じ場所にキラーがいたら女子学生が殺されて負け。
ごえモン:女子学生は学校から出てお嬢様と違う場所に行きそうだけど……。
BF:さあこれが本当に最後の決断です。
カワチ:今こそループ系ADVを遊んできた経験が生きる時!
爆発:バッドエンドを先に見なくていいですからね!
ごえモン:確率が高そうなのはキラーに“暗躍+1”が置かれて殺されることだと思うので、ここは順当にお嬢様に“暗躍禁止”で!
BF:それでは最後のオープンです!!
▲お嬢様は“暗躍+1”だが“暗躍禁止”で妨害に成功。女子学生は“移動←→”で巫女は“移動↑↓”だった。移動先の様子は……。 |
▲神社のシリアルキラーこと男子学生は病院に移動しており、都市のサラリーマンも不安が取り除かれて“殺人事件”は起こさない状態に! |
BF:おめでとうございます!!
3人:うぉおおおおおーーー!!
爆発:でもまだ何か隠し球があるかもしれない!
ごえモン:まだ安心はできない!
BF:脚本家能力フェイズはパス。主人公能力フェイズもパスでよろしいですか?
3人:ハイ!
BF:そして“殺人事件”は起きませんでした。ターン終了フェイズにも何も起こらず最終ループは終了です。勝敗判定ですが……。
カワチ:どきどき。
BF:……皆さんは惨劇を打ち破りました! おめでとうございます!!
3人:イァァァァァーーーーー!!!! パチパチパチパチ!!!!
カワチ:しかも誰も死ななかった!
ごえモン:やっぱりハッピーエンドは誰も死なないもんですね!
カワチ:だから殺人なんて止めようって言ったじゃない!
爆発:言ってないから(笑)。3人ともお嬢様をヤル気マンマンでしたから!
BF:結果的には全員無事だったということで(笑)。しかし最終日は完全に正解されてましたね。
ごえモン:でもギリギリでしたね。
爆発:一手間違えればアウトでした。
カワチ:せっかくだから最後にごえモンさんがクロマクの正体を当ててください!
ごえモン:さっきから考えていて、刑事な気がするんですよ。……でもその裏をかかれていると読んで情報屋で!!
カワチ:なぜ素直に行かないんだ!!
BF:すべての真実はこのようになっていました!
▲最後に脚本家は使用した脚本を公開します。今回は、すでにほとんどの内容を看破できていました。 |
爆発:クロマクは刑事じゃないですか(笑)。危なかった。“最後の戦い”に進んでいたら負けてましたよ(笑)。
ごえモン:いいオチがついたということで(笑)。
BF:最終ループは綱渡り気味でしたが、渡りきりましたね。素晴らしかったです。
爆発:ごえモンさんはアドベンチャーゲーマーの面目躍如ですね!
BF:こちら側としては、男子学生に置かれた2つの友好カウンターが意外と邪魔でした。そのせいで巫女に不安を溜めて“病院の事件”を狙うことは、序盤から諦めざるを得なかったので。全体的にツライ道を通られましたが、最終的には勝利されたので、とてもドラマチックな素晴らしいゲームになったと思います。
カワチ:誰も死ななかったし! 偶然だけど(笑)。
BF:私としては、サラリーマンの役職は調べなくても勝てるということが勉強になりました(笑)。
爆発:ゲームを振り返ると、かなりヒントをいただいたような気がします。特に最終ループで。
BF:ヒントというか“知らなかったから負けた”という不本意な結果にならないように、ルールを誤認している部分についてはできるだけ訂正させていただきました。ただ、自ら気付いてもらうのも楽しい部分ですので、第3ループについてはフレンドが存在することを黙っていましたが(笑)。
ごえモン:その辺りのサジ加減も含めて、とても楽しませていただきました!
カワチ:さっそく次の休日にでも知り合いと遊んでみます!
爆発:BakaFireさん本日はありがとうございました! あと2人もセンキュー。
ごえモン・カワチ:ついでかよ!!
今回はBakaFire氏の『惨劇RoopeR X』のリプレイをお送りしました。プレイ時間が2時間強と長かったため、リプレイの原稿も大ボリュームになってしまいましたが、ゲームの流れや雰囲気が伝わったのなら幸いです。
ゲームとしては“ループ物の作者側と主人公側を両方体験できる”という部分が非常にユニーク。アナログゲームはもちろん、コンピューターゲームにも類似する作品は存在していないかもしれません。今回は主人公側の視点でお送りしましたが、脚本家プレイヤーとして自作の脚本を作成するところから始めるのも別のおもしろさがあります。また2つの拡張セットを導入することでルール・役職・事件が大きく入れ替わり、ミステリやホラーを意識したゲームに変わるため、さまざまなバリエーションを楽しむことができるのも魅力です。
リプレイを読んで興味を持った方は、ぜひ一度遊んでみてください。入手方法ですが、ゲームマーケットなどのアナログゲームイベントや、アナログゲーム専門のショップなどで取り扱っています。詳細は『惨劇RoopeR』公式サイトをご確認ください。
そして今回はBakaFire氏から、読者プレゼントとして『惨劇RoopeR X』を1セットいただきました! ご希望の方は下記のフォームからご応募ください。では最後にBakaFire氏が手がけたもう1つの作品もご紹介しましょう。『惨劇RoopeR』とはまた違う推理が楽しめる作品です。
■『Old World And Code Of Nines -終わった世界と紺碧の追憶-』(OWACON)
4人のプレイヤーに2枚ずつのメモリーカードが配られ、そこに書かれた得点条件や敗北条件が最終的に全員に適用される。最初に確認できるのは自分に配られる2枚のみ。他のプレイヤーが持つカードを調べたり、他のプレイヤーの行動からカードの内容を推測したりすることで情報を集め、最終的にもっとも多くの勝利点を稼いだ者が勝者となる。限られた手数を情報収集と得点獲得にどのように割り振るのか? 他プレイヤーの行動が本当なのかブラフなのか? 最後まで気が抜けない情報戦と駆け引きが楽しめる作品です。
【バックナンバー】
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第1回:『Love Letter』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第2回:『惨劇RoopeR X』(前編)
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第3回:『惨劇RoopeR X』(後編)【本記事】
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第4回:『互いを男の娘メイドに調教し合うゲーム』
→“制作者は本当にゲームが上手いのか?”第5回:『ヴァルキリーストライク』
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