2013年8月16日(金)
▲豆魚雷 高円寺店の店長・原田“プリスキン”さん。 |
──豆魚雷 高円寺店では、どのようなアイテムを中心に置いているのでしょうか?
高円寺店では、アメリカの映画・ゲーム・コミックのフィギュアを中心に取りそろえています。それも、どこでも買える一般受けがいい商品ではなく、極力マニアックでエッジの利いたものを念頭に置いて仕入れをしています。あとは、自分の好きなものですね。逆に、私が嫌いなものはいっさい置かないという(笑)。ターゲットとなるお客さんの年齢層は、20代後半から50代の男性ですかね。
──かなり趣味に走ったラインナップなんですね。
そうですね。お店に置かれているのは、かなり趣味性が高いものになっていると思います。それを見て、共感してもらえる方がお店に足を運んでいただけるとうれしいですね。
──いろいろな作品のアイテムがありますが、今人気が高いのはどのあたりになるのでしょうか?
まず、『エイリアン』や『プレデター』、『ターミネーター』や『グレムリン』など、子どものころに映画を観た人が、ずっと好きであり続けられるような作品のアイテムが定番の柱としてあって、そこに最新映画のものが飛び込んでくるといった感じですね。なので、今の人気と言えば、やはり『パシフィック・リム』です。
▲何年たっても色あせない名作のフィギュアは、クオリティが上がるたびに、また違った新しさを感じさせてくれます。 |
──定番ものは、コンスタントに売れていくといった感じですか?
定番は定番として変わらぬ人気なのですが、特にここ最近クオリティが上がってきていまして。かつては実現不能と言われていたものが近年になって実現したりしているんですよ。例えば、映画俳優の肖像権を取得したフィギュアが、きちんと本物そっくりに仕上がってくるようになったことだとか。そういう流れもあって、また新たな盛り上がりを感じていますね。
──日本のフィギュアと比べるとビッグスケールのアイテムが目立ちますが、種類やサイズによる人気の傾向などはあるのでしょうか?
皆さんそれぞれの嗜好があって、一概には言えないところですね。フィギュアは稼働してナンボという方もいれば、造形を担当した人が一番かっこいいと思ったポージングを決めているスタチューが好きという方もいます。大きさに関しても、デカければデカイほどいいとライフサイズ(実物大)のレプリカを集めているという方もいれば、1/4スケールのサイズがベストだという方や、3.75インチ(約9.5cm)しか目に入らないという方もいて、それぞれです。正直、うちのお店にはマニアの方しか来ないので、皆さんこだわりが強くて。
なので、人気や流行りというよりかは、個人の傾向によりますね。ただ、極力、皆さんのニーズに応えたいと思っているのですが、私の好みでデカイものをオススメしがち、飾りがちなところはあります。特に、1/4スケールがいいんですよ。
──すぐそこに、『プレデター』の1/4アクションフィギュアが飾られていますが、このサイズは見応えがありますよね。
見応えも飾り映えもありますし、ドンと置いたときの迫力が違いますよね。ただ、場所は取りますけど(笑)。1/4スケールだと飾るのに大きすぎるようでしたら、7インチも十分に見応えがあってオススメですよ。
──私はフィギュアを通販で買ってしまうことも多いのですが、こうしてお店に来て現物を目にすると、やっぱりデカイものが欲しくなります。
実際に来て、見て、欲しくなってほしいですね。やはり大きいものは、手にした時の満足感の満たされ具合も大きいですから。
▲2010年1月に発売された『SUPER MIXTURE MODEL/ MARVEL VS. ROCKIN’ JELLY BEAN Vol.1:INVISIBLE WOMAN(スーパーミクスチャーモデル/マーベル vs. ロッキン・ジェリービーン vol.1:インビジブル・ウーマン)』。 |
──豆魚雷オリジナルフィギュアとなる、『SUPER MIXTURE MODEL』シリーズについて詳しくお聞きしたいのですが。
この企画の発端を辿ると、10年前ぐらいにさかのぼります。当時、さまざまなアーティストがマーベルキャラクターを描くという展示会が行われていたんですね。それに参加されていたジェリービーンさんの、『ファンタスティック・フォー』の“ヒューマン・トーチ”の彼女である“クリスタ”の絵を弊社の代表が見て、「これはいい」となったのがすべての始まりです。
その後、“マーベル×ロッキン・ジェリービーン”でフィギュアを作りたいという話になったのが、2006年あたりですかね。気がついたら私が企画・開発担当になっていまして、第1弾の“インビジブル・ウーマン”がリリースされたのが2010年。シリーズ第2弾となるのが、先日ついにお披露目となった“ミスティーク”になります。こうやって改めてお話しすると、とんでもないリリースペースですね(笑)。お待たせして、非常に申し訳ないです。
▲今年12月に発売される予定の『SUPER MIXTURE MODEL/ MARVEL VS. ROCKIN’ JELLY BEAN Vol.2:MYSTIQUE』。 |
──日本のショップから、マーベル(マーベル・コミックス)とのコラボ企画を提案するとなると、実現するにはかなりハードルが高かったのでは?
いろいろと苦労はありました。特に、マーベルがディズニー(ウォルト・ディズニー・カンパニー)に買収された時は、審査の体制が変わったのか知りませんが、これまで通っていたデザインを再度申請したら通らなくなるといったこともありまして。ジェリービーンさんのイラストの大きな魅力としてエロティックな要素は外せないのですが、それがマズイと。なので、本来であれば第2弾の“ミスティーク”は、世に出ない企画となる可能性もありました。
ところが、日本のディズニー(ウォルト・ディズニー・ジャパン)の担当の方に、この企画を気に入っていただけまして。企画実現に向けて多大な協力をいただき、いろいろと無理も通してもらいまして、非常に感謝しております。
──“ディズニー”と聞くと、マーベル以上にライセンスには非常に厳しいというイメージが一般的にもありますよね。
もちろん、そこは両社とも非常に厳しいですよ。ただ、今回はこの企画の内容に対して、日本のディズニーの担当の方に全面的に賛同してもらえたというのが大きいです。ジェリービーンさんのデザインアレンジを尊重するスタンスで、マーベル側との交渉に力を貸していただいて。その力添えがなければ、実現は不可能な企画だったと思います。こうして12月の発売にこぎつけるまでの道のりを改めて振り返ってみますと、最終的にこの形で出せたのは奇跡に近いですね。
▲今年12月に発売される予定の『サイレントヒル3/ ヘザー 1/6スケール PVCスタチュー』。 |
──豆魚雷さんがリリースするフィギュアというと、『サイレントヒル3』の“ヘザー”も話題となっていますね。
この『サイレントヒル』シリーズのフィギュア制作には、私も企画の段階からかかわっているんですよ。当時のGeccoは新興メーカーで、腕はあるけれど何を作ればいいのかわからないという状況だったんですね。そんな時、私も含む回りにいた人たちが、皆『サイレントヒル』のファンだったんですよ。そこで、Geccoがフィギュアを制作して、流通を豆魚雷が担当するということで、『サイレントヒル』でやってみることになりました。
ただ、初めはものすごく反対されたんですよ。社内で『サイレントヒル』をよく知っている人間が私しかいなくて、企画を通すのに時間がかかりました。ですが、第1弾の“レッドピラミッドシング”をいざ発売してみたところ、これがすごく売れまして。12月発売予定の“ヘザー”は一時期Amazonの予約ランキング2位にもなり、今や弊社の主力商品の1つになっているという(笑)。社内からは「誰がこんなの好きなの?」と言われながら出した商品でしたが、好きな人、こんなにいたのか! というありがたい結果になりました。
──『サイレントヒル』シリーズのグッズは、タイトルの知名度に対して、これまであまり出ていなかった印象があります。
『サイレントヒル』シリーズって、プレイはしていても、日常的な話題としてちょっと盛り上がりにくいところがあるらしいんですよ。それもあって、グッズを出しても反応が薄いんじゃないか、売れないのではないかと過小評価されていたんですね。ですが、好きな人はものすごく好きで、「いいものを出せばいくらでも払うぞ」と言ってくれるファンがたくさんいるというのが、これを出したことでわかってうれしかったですね。こんなにいたのか、仲間! という。
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