2013年8月22日(木)
――第1話は、体験版と違ってココネが弁護をするところから始まりますね。「いい感じでだまされたな」って思いました。
山﨑:そこは意外性を狙った部分です。ナルホドくんで始まると思いきや、「……あれ? 違うの?」って。
江城:たぶん、購入された人はまずここで驚いたと思います。サプライズです。
山﨑:最初のパートはチュートリアルになっていまして、ナルホドくんがおたおたしながら操作を覚えていくのはさすがに違うと思いまして。
――弁護士バッジを久しぶりに取り戻したとはいえ、ベテランですからね。
山﨑:そこでチュートリアルをココネにやってもらいました。
江城:体験版をやられた人は、「ナルホドくんは、年齢を重ねても相変わらずあせっているな」って言われていたんですが、実は違っていたんです。
山﨑:シナリオは違わないんですが、入口が違うというネタを仕込ませていただきました。最初、「あれ? 主人公はココネだったの?」って思わせておいて、遅れてナルホドくんがカッコよく入ってくるんですね。
江城:しかもアニメで登場するという(笑)。
――個人的には、第1話が前後編に分かれていることにも驚きました。
山﨑:チュートリアルなのにボリュームがありますよね。そこは、巧さんではやらないことだと思いますね(笑)。
――第2話で妖怪をモチーフに選んだ理由を教えてください。個人的にグレート九尾が、すごく『逆転裁判』っぽいキャラクターで楽しめました。
山﨑:各エピソードごとに、どんなコンセプトにするかというアイデアを出し合うんですが、2話に関しては「こういうトリックをやりたい」というのがありました。それがおもしろかったので、そこにどんな味付けをするかを考えていった時に出てきたのが、妖怪だったんです。僕が好きな小説家に、京極夏彦さんという妖怪をモチーフにしたミステリーを書かれている方がいまして、同じようにシナリオチームにも好きな人がいたので、「これは妖怪を題材にするしかないでしょ!」となったのが始まりですね。
江城:まあ、好きだから出すというのはモチベーションにつながるので大事ですよね(笑)。
山﨑:そこからどういう妖怪を出すのかという切り口は、相談して出ては消えていき……最終的には、妖怪・天魔太郎と九尾の狐に落ち着きました。2話のトリックはうまくいったとチーム内でも評判です。『逆転』シリーズの世界観とうまくマッチしていると思います。
――第3話で学園を舞台にした理由を教えてください。こんな学校があったら……素晴らしいですよね!
山﨑:弁護士クラスや検事クラスがある学校なんてないだろう! って突っ込まれそうですけどね(笑)。これまでのシリーズで学園モノをやっていなかったことに気付きまして。
江城:公園やホテル、サーカス、レストランなど、『逆転検事』を含めるといろいろなシチュエーションをやってきたのですが、学園はなかったので採用しました。
山﨑:とはいえ、普通の学園ではおもしろくないので、少し変わった設定になっています。“法の暗黒時代”というテーマを支える要素として、法律家を育てる学園ですら悪に染まりかけていることを描けたらこの世界観の厚みが増すのではないかというアイデアが出たので、エッセンスとして入れています。
――第3話は、ガリュウ検事のカッコよさが際立っていました!
山﨑:それはうれしいですね。今回はユガミに加えて、ミツルギやガリュウもいて検事が多いので、役割分担に苦労しました。メインにユガミを置き、ミツルギの役割りも早めに決まったのですが、ガリュウの落とし所が見つからなくて。でもオドロキくんがいる以上、外したくなかったんです。
――確かにファンとしては、オドロキくんとガリュウ検事の裁判は見たいところですよね。
山﨑:ガリュウをどれくらい前に出すのか、加減が難しくて悩みました。そういう意味で本当の法廷ではないけど、模擬裁判ならば対決を見られるうえにユガミの邪魔もしない立ち位置になるのではないかと。3Dになってもカッコよい姿を見てもらえたのでよかったです。
――模擬裁判のシーンは熱かったですね。ガリュウ検事はニンテンドーダイレクトの映像で初出しという、プロモーションも驚きました。
江城:一瞬、ちらっと出てくるんですよね! あれは仕込んでいたので、そう言ってもらえてよかったです。
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