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2013年8月22日(木)

SCEの吉田修平氏にドイツで直撃インタビュー! これからのインディーズはどんどん盛り上がる!!【gamescom 2013】

文:チョロ松

■デジタル配信のタイトルはF2Pと相性がいい!

――『Little Big Planet HUB』や『War Thunder』など、フリー・トゥ・プレイ(F2P)のタイトルもいくつか発表されました。このような基本無料のタイトルは、これからも増えていくのでしょうか?

 増えていくと思います。日本では、本当にわれわれもビックリするくらい、F2Pで人気のゲームがたくさんあります。PS Vitaでもセガさんの『ファンタシースターオンライン2』や『サムライ&ドラゴンズ』、またPS3では『機動戦士ガンダム バトルオペレーション』など。デジタル配信が盛んになってくると、F2Pって“合っている”と思いますね。やはり、より多くの人が「タダだったら、ちょっとやってみよう」と考えるのではないでしょうか。そして、「本当におもしろかったら、後でお金を払ってもいいよ」と。

『War Thunder』

 プレイを始める敷居を下げてあげることで、ユーザーを増やせますよね。デジタル配信の場合、ユーザーを増やすコストというのは非常に少ないので、必要なのはダウンロード時に発生する回線費用だけみたいなものですね。まあ、オンラインゲーム系ではサーバーの維持費などもありますが。過去と比べると、F2Pが生きる環境になってきています。

 これまでに一定の評価を得ている人気シリーズなど、どれくらいのクオリティで、どんな内容なのをユーザーさんがわかっているタイトルは、これからも5,000円、6,000円をといったお金を最初から喜んで払っていただけると思うんですけれど、そうではない新しいタイトルを出す時には、F2Pというのは一番合っているとは思います。

――そのあたりは、ビジネスとしてのノウハウがたまってきた、というところもあるんでしょうか?

 そうですね。やはり、お金を払ってデジタル配信でプレイするというスタイルに、皆さんが慣れてきて、抵抗がなくなってきたのだと思います。

――そういう意味では、ユーザーさんの意識の変化というのも、あるのかもしれませんね。

 それは非常にあると思います。

■気になるPS4の日本での発売日! 発表のタイミングは?

――欧州と北米でのPS4の発売日と価格が、正式に発表されました。北米での発売が11月15日、欧州が11月29日ということで、続けて日本やアジアのリージョンでも順次発売されるというイメージでよろしいでしょうか?

 日本とアジアに関しては、発売日も価格もお伝えできていないのが現状です。しかし、9月9日に開催するプレスイベントと、東京ゲームショウで、9月には発表のチャンスが2回ありますので、そこを使ってちゃんとメッセージをお伝えしていきたいと思います。

――9月9日のプレスイベントは告知されたばかりですが、ここでは主に、どのようなことを発表されるのでしょうか。

 それはまだシナリオができていません(笑)。PS4に関する新発表だけ、ということにはならないと思います。すべてのプレイステーションフォーマットについて、何らかの発表をさせていただきます。今回のgamescomや、6月のE3の時と同じように考えています。

――以前、吉田さん自身が「直接日本のユーザーに、なるべく早くいろんなメッセージを伝えていきたい」とおっしゃられていました。9月9日のプレスイベントは、その一環となる施策ということですか?

 そう考えています。その場で、すべてをお伝えできるかどうかは、まだ確実に決まっていないのですが。

■欧州での発売が早いのは計画通り!

――北米と欧州での発売日が、予想していたよりも早いという印象を受けました。これは予定通りのスケジュールなのか、それとも100万件の予約達成を受けての前倒しなのか、その辺はいかがでしょう?

 もし“早い”という印象を持たれたのであれば、それは「欧州が含まれているからなのかな?」と感じます。過去、日本とアメリカはクリスマスに間に合わせて発売し、欧州ではその次の春または秋に、というパターンが多かったんです。

 それで、いつも欧州のユーザーさんから怒られていたんですが、今回は北米と欧州の両方でなんとか年末に間に合わせたいと狙いを定めてました。また2月のPS4の発表以来、とても反響が大きくて、100万件の予約をいただくことができましたが、ハードの予約としては、歴代のプレイステーションでは最大の数なんです。しかしながら、2つのマーケットで同時期に発売して、商品が十分用意できるのかという点は、今回の大きなチャレンジとなっています。

『吉田修平氏インタビュー』

 カンファレンスでは現時点で32カ国で発売と発表しましたが、それがすべてではないですから。まだ発表していない国・地域がありますし、日本やアジアもありますので、製造の進み具合と予約を含めた需要を見ながら、最終的な発売時期と、その時点で発売する国や地域を決めることになります。今回発表できた32カ国に関しては、適切な数が用意できるという自信が持てたということですね。

――最初に欲しいと思ってくださる方には、何とか行きわたる形になりそうですか?

 そうじゃないとマズイですよねえ(笑)。予約されていない方に関して、どの範囲まで買えのるかという点については、ちょっとまだ見えない部分があります。

→PS4のユーザーインターフェースに隠されたコンセプトとは(3ページ目へ)

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