News

2013年9月10日(火)

『ブレイブリーデフォルト FTS』浅野P&中原Dインタビュー! “限界突破”やイベントビューワ、新システムなどさまざまなキーワードに迫る

文:MAC佐藤

■ファンの生の意見を聞いてのシステム改善! アンケートはどこまで反映された?

――『1』の発売後に、特設サイトでの“100の改善案”アンケートや、ニコ生でもアンケートを実施していましたが、この結果はどのくらい反映されたのでしょうか?

中原:だいたい、8割方は反映させていただいています。これがそのリストになりますね。

浅野:対応していないところも、できなかったというよりは、ディスカッションしたうえで意図的に対応しなかったものや、別の形で改善のアプローチを行っているものがあります。

『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』
▲“100の改善案”に関する結果と、それぞれの対応策をまとめたリスト。それぞれの項目について、こと細かに書き込まれている。

――あえて対応しなかったものというのは、具体的にはどのようなものがあるでしょうか?

中原:「オートセーブ機能を入れて、マップが切り替わった時や、ボス戦前に自動でセーブするようにする」という案に対しては、反対意見が多かったです。これに関しては、聞き方が悪かったかなという部分もあって、「絶対にオートセーブになるんだったら反対」ということだと判断しました。なので、オートセーブするかしないかを選べるようにしたうえで、オートセーブを導入しています。いらないと言われたけど入れたということで、逆の対応になっていますね。

 あと、「十字ボタンの上下で項目を選択し、左右で決定、キャンセルするという使い方をどこでもできるようにする」という案は賛否両論がありました。これはおそらく、「誤操作につながるからいらない」ということで反対されたのだと思います。例えば『1』だと、アイテム画面で項目を選ぶ時は左右になっていて、そこからリストが表示されたら上下で選択するというような形で、十字ボタンの上下と左右の使い方が統一されていませんでした。本作では、項目をすべて縦に並べるように統一したうえで、十字ボタンの上下で項目を選択し、左右で決定、キャンセルという操作を導入しています。それでもこの操作方法がイヤだという人もいると思うので、これもコンフィグで選べるようにしています。

浅野:もう1つ話させていただきたいのが、「シンボルエンカウントを導入し、敵を避けたり、戦いたい時に戦いやすいようにする」という案で、実は一番反対意見が多かったものです。これに関してはおもしろいアプローチをしていて、エンカウント率を自分で選べるようにしました。シンボルエンカウントではないけれど、戦いたい時に戦う、戦いたくない時は戦わずにすむという快適性をより保てる新しい方式で、やや実験的にはなると思うんですけど挑戦してみました。

――エンカウント率の変更は、何かポイントのようなものを使って行うのでしょうか?

浅野:いえ、何もないです(笑)。いつでも自分で自由に変えることができます。ただ、敵と戦わないでいると当然レベルが上がらないので、ボス戦で苦労するかもしれませんね。逆に、これを利用して低レベルクリアを目指すことも可能です。ちなみに今、自分も『フォーザ・シークウェル』をプレイしているのですが、エンカウント率の変更ができるのはとても快適で、もうこれがないのは考えられないくらいです(笑)。

中原:これに関しては、ランダムエンカウントのRPGのセオリーをぶち壊してしまうのではという不安はありました。この手のRPGは、ダンジョンの入口からボスまでの間に、いかにMPを節約しながら進むかもゲーム性の1つになっていると思うのですが、これをしなくてもよくなりますから。そういう意味でも、大きなチャレンジでしたね。

浅野:いつも通りの感覚で遊びたい人は、普通のエンカウント率で遊ぶこともできます。特に初めてプレイする人は、そのほうが適切なレベルで敵と戦っていけるので、楽しめると思います。2回目のプレイという人も多いと思うので、そういう人たちはぜひ新しい遊び方に挑戦してみてください。

中原:まさに『ブレイブリーデフォルト』ですね。与えられたシステムを使うか、それとも放棄するかという(笑)。

浅野:今回はとにかく、プレイされた方には1人でも多くゲームクリアまでいってほしいという思いがあります。実は、我々のリサーチでは、『1』で真のエンディングまでたどりついた人は全体の20%くらいなんじゃないかという結果が出ていまして……。

――そんな馬鹿な!? あの衝撃的な展開を見ていない人がそんなにいるんですか!?

中原:これはRPGというジャンルの特性上、ある程度は仕方がない部分だと思っています。とはいえ、我々の想定として、例えばRevoさんのファンであるカジュアルな女性ユーザーがプレイすることを想定していたかというと、万全ではなかった部分もあったと思います。

浅野:ゲーム性の部分も楽しんでほしいですが、やっぱりストーリーについても最後まで楽しんでほしいという気持ちもありまして、エンカウント率や難易度の変更もあわせて、『1』を途中でくじけてしまったカジュアルなプレイヤーの方にも最後まで楽しんでもらえることを目指しています。

 その一方で、多彩なオプションや難易度設定によって、やり込み派のプレイヤーの方にもしっかりと楽しんでもらえるゲームになっていると思います。

――資料を見たところ、新イベントも用意されているようなので、自分のように『1』をコンプリートしたユーザーも新鮮に楽しめそうなのがうれしいです。

中原:この作品を『2』の前に出すと決まった時は、基本的には続編用のシステムだけを入れるという話だったのですが、やり残したことや改善できるところは改善したいと考えました。プレイ後のアンケートに「終盤の特殊な展開がつらかった&飽きてしまった」という意見があり、ニコ生で行ったアンケートでも“特に嫌いな章”は終盤が圧倒的1位(77.2%)という結果になってしまったので、あそこはさすがになんとかしたいという話になりました。このままでは出せないよねと(笑)。

浅野:終盤のサブシナリオは、数的に多すぎたことも含めて、中だるみしていた部分があったかと思います。今回は複数のアスタリスク所持者が同時に登場する展開が増えたこともあり、かなりテンポよく遊べると思います。

中原:そんなわけで、本来的には終盤のマンネリ改善のための調整だったんですが、序盤や中盤についても、見直してみたら気になる部分が出てきたので、ちょこちょこと直しています。

浅野:本当にさりげなく、『2』に関する伏線的なセリフや演出が追加されているかもしれません。『1』をクリア済みの方も、ぜひセリフをスキップせずにゆっくりと遊び直してもらえればと思います。

――それはいちファンとしても楽しみですね。アスタリスク所持者とのバトルイベントも、複数のキャラクターが登場して熱くなりそうです。ちなみに、追加イベントでのボイスはどうなるのでしょうか?

浅野:録り直しました。新しいイベントなので、ストーリーやキャラクターが好きな人には期待していただきたいところですし、バトルのパーティの組み合わせも新しい組み合わせになっています。『1』の終盤に関しては、いろいろな場所でたくさん戦わなくてはいけないのが大変だったので、それをまとめる考え方にして、よりエキサイティングなバトルができるようになっています。

『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』
『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』 『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』

中原:『1』では、アスタリスク所持者は1人で登場することが多くて、4対1で戦うと割と楽に勝ててしまうことがありました。元々、アスタリスク所持者にはポリゴンやテクスチャーを多めに使っているので、2体が画面に表示できる限界という前提で作っていたんですね。例外として、『1』の時にヴィーナス三姉妹(エインフェリア、メフィリア、アルテミア)が3人同時に登場するバトルがあって、あれも本当は無理だと言われていたのですが、「いけるんじゃない?」と思って出してみたら問題なく動いたので、今回も「いけるいける」と挑戦してみた感じです(笑)。

浅野:資料では、ハインケル、オミノス、ベアリングと、エタルニア公国軍空挺騎士団が同時に登場している場面をお見せしていますが、こういった順当なパーティだけではなく、「なぜこんな組み合わせが!?」と驚くパターンも結構あると思いますので、お楽しみに!

→祝! 『フォーザ・シークウェル』ではセーブスロットが3つに!!(3ページ目へ)

(C)2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
MAIN CHARACTER DESIGN:Akihiko Yoshida.

データ

▼『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』前作所持者向け優待DL版
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:3DS
■ジャンル:RPG
■配信日:2013年12月5日
■価格:2,900円(税込)

関連サイト