2013年9月3日(火)

【週間洋ゲー通信】稲船敬二氏が新作横スクロールアクション『マイティNo.9』で開発資金を募集中!(8月27日~9月2日)

文:イトヤン

 この“週間洋ゲー通信”では、1週間の間に海外のゲームメーカーやデベロッパーが明らかにした最新情報の中から、注目のトピックをまとめて紹介していく。

 今回は8月27日から9月2日までの間で明らかになった新情報の中から、9個の話題をご紹介。この期間にはアメリカのシアトルで、一般のファンも参加可能なゲームショウ“PAX Prime”が開催されている。この会場から届いたニュースに加えて、先週のGamescomで公開された動画の話題などもまとめてお伝えしよう。

(※参考サイトのリンク先は海外サイトの場合があります)

■境遇の異なる3人が手を組んで挑む“仕事”とは!? 『グランド・セフト・オート V』の最新トレーラーが登場

 オープンワールド・アクションを代表するタイトルとして、日本でも高い人気を誇る『グランド・セフト・オート』シリーズ。その最新作『グランド・セフト・オート V』が、海外で9月17日に発売されるのを目前にして、最新の公式トレーラーが公開された。

 本作では、元マフィアのマイケルと黒人の青年フランクリン、精神が不安定なトレバーという境遇の異なる3人の男たちが主人公となる。プレイヤーは、彼らの視点を自由に切り替えながらゲームを進めていくことになる。公開された公式トレーラーでは、この3人が手を組んで銀行強盗に乗り出す様子が、まるで映画の予告編のように軽快なテンポで描かれている。

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 またトレーラー映像の後半では、ガトリングガンやジェット戦闘機といった、強力な武器や乗り物も登場。本作のスケールの大きなゲームプレイを感じさせてくれる。本作は日本でもPS3/Xbox 360用ソフトとして、10月10日に発売予定だ。

(参考サイト:『グランド・セフト・オート V』アメリカ公式サイト

■若きバットマンの物語が携帯ゲーム機でも!? 『バットマン:アーカム・ビギンズ ブラックゲート』のプレイ動画が配信

 若きバットマンの活躍を描く、人気アクションシリーズの最新作『バットマン:アーカム・ビギンズ』。この冬に発売される本作と同時に、携帯ゲーム機用の外伝ソフトも登場する。『バットマン:アーカム・ビギンズ ブラックゲート』と題された、この作品のプレイ動画が公開された。

 本作のストーリーは、ゴッサムシティのブラックゲート刑務所で起こった事件に、バットマンが挑むというもの。刑務所の内部では、『アーカム・ビギンズ』の黒幕であるブラックマスクに加えて、宿敵のジョーカーも待ち受けているようだ。ゲーム画面は、3DCGで表現されたキャラクターを横スクロール風の画面で表示する“2.5Dグラフィックス”で表現されており、コミック風のカットシーンと相まって、独特の雰囲気を感じさせてくれる。

 この動画では他にも、『インジャスティス:神々(ヒーロー)の激突』でも大暴れしているソロモン・グランディや、前作『アーカム・シティ』風のコスチュームを身につけたキャットウーマンなどが確認できる。本作は日本でも、PS Vita版が12月5日に発売される予定だ。

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(参考サイト:『バットマン:アーカム・ビギンズ ブラックゲート』トレーラー(※リンク先はYouTube))

■超大作RPG『ドラゴンエイジ・インクィジション』の詳細が少しづつ明らかに! 過去のシリーズからの引き継ぎも!?

 バイオウェアが開発を手がけるファンタジーRPG『ドラゴンエイジ・インクィジション』。8月にドイツで開催された“Gamescom 2013”と、この週末にアメリカ・シアトルで開催された“PAX Prime”で、その詳細が少しずつ明らかになってきた。

 “Gamescom 2013”に合わせて公開されたメイキング映像では、巨大なドラゴンが飛来して動物たちが逃げ回るフィールドの様子が紹介されている。次世代ゲーム機向けに制作されている本作では、これまで以上に広大で、壮大なスケールのロケーションが用意されているようだ。

 また、過去作の『ドラゴンエイジ:オリジンズ』や『ドラゴンエイジ2』でプレイヤーが下した決断を本作へ反映するために、“ドラゴンエイジ・キープ”と呼ばれるサービスが行われることも明らかになった。これは、プレイヤーがどの組織に味方して、どのキャラと親密になったかといった多数の決断を再現できるWebサービスで、ここで生成されたデータを『インクィジション』に持ち込むことが可能だという。どうやら『マスエフェクト』シリーズで過去作の選択を再現する、デジタルコミックと同様のサービスになると想像できる。

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 『ドラゴンエイジ・インクィジション』は、PS3/PS4/Xbox 360/Xbox One/PC用ソフトとして、海外では2014年秋にリリースされる予定だ。

(参考サイト:『ドラゴンエイジ・インクィジション』公式サイト

(参考サイト:バイオウェア公式ブログ

■会場には新たな実物大ロボも登場! 『タイタンフォール』のプレイアブルデモがPAX Primeにも出展!!

 『コール オブ デューティ:モダン・ウォーフェア』を制作したスタッフが新たに手がける『タイタンフォール』は、巨大ロボットを操縦して戦うことも可能なSF・FPS。本作のプレイアブルデモが、ドイツで開催された“Gamescom 2013”に続いて、アメリカ・シアトルで開催された“PAX Prime”にも出展された。

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 このプレイアブルデモはどちらも、“エンジェルシティ”と呼ばれる港町で攻防が繰り広げられるというものだ。現在公開されている公式プレイ動画では、巨大ロボット“タイタン”がホバーダッシュで軽快に移動したり、兵士がタイタンにしがみついて移動しながら攻撃したりといった、興味深いプレイの様子を随所で見ることができる。

 “PAX Prime”の会場では、E3やGamescomの会場で展示されたものとはまた異なる、等身大タイタンの上半身だけのディスプレイが登場。来場した観客は、タイタンの腕に“つかまれた”状態で記念撮影ができたようだ。会場の様子を紹介するXbox Wireの映像では、試遊を待つゲームファンたちの長蛇の列を確認できる。『タイタンフォール』はXbox One/Xbox 360/PC用ソフトとして、海外で2014年前半に発売予定だ。

(参考サイト:『タイタンフォール』Gamescomゲームプレイ(※リンク先はYouTube))

(参考サイト:Xbox Wire

■新作です、プレジデンテ! 国家経営SLGシリーズ最新作『トロピコ5』のスクリーンショットが初公開!!

 南の島の大統領(プレジデンテ)となり、思いのままに国家を経営するSLGとして、日本でも根強い人気を誇る『トロピコ』シリーズ。その最新作となる『トロピコ5』が発表された。

 本作では、前作『トロピコ4』のDLC“モダンタイムス”で導入された、時代の変化をさらに強化。19世紀の植民地時代から、二度にわたる世界大戦や冷戦が発生する激動の20世紀を経て、21世紀の未来へと至るという中での、政治状況や科学技術の発展がリアルに再現されるという。また島を探索することで新たな資源を発見できるが、狂暴な野生動物や反抗的な原住民と出くわすこともあるという。

 本作の公式サイトでは現在、チャップリンの名作映画『独裁者』をパロディ化した動画に加えて、ゲームの舞台となる島が描かれたスクリーンショットも見ることができる。グラフィックは完全刷新というだけあって、かなり緻密な仕上がりで、完成するのが楽しみだ。本作はXbox 360/PC/Mac/Linux用ソフトとして、海外で2014年に発売予定だ。

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(参考サイト:『トロピコ5』公式サイト

■『ボーダーランズ2』のレベル上限拡張パックが配信開始! これまでのDLCを収録した『GOTYエディション』も登場

 海外での発売から、今月でちょうど1年が経過する『ボーダーランズ2』では、現在も多数のプレイヤーによるオンライン協力プレイが行われている。プレイヤーキャラのレベル上限を引き上げるDLC“アルティメット・ヴォルトハンターパック1”が以前に配信されているが、本日9月3日より“パック2”の配信がスタート。この2つのDLCを導入することで、レベル上限が72まで上昇するという。

 またこのパックを導入すると、“ディジストラクト・ピーク”と呼ばれる新マップが出現。レベル上限に見合った高レベルのミッションにチャレンジできる。さらに上限のレベル72を突破したプレイヤーキャラは、“オーバーパワー・レベル”としてさらなる成長の余地が得られるという。“アルティメット・ヴォルトハンターパック2”の海外での価格は4.99ドル(約500円)。

 また海外では、『ボーダーランズ2』のゲーム本編に加えて、4つの追加ストーリーや2つの新キャラクタークラスなど、シーズンパスで得られる全DLCも収録された『ボーダーランズ2:ゲーム・オブ・ジ・イヤー・エディション』の発売も決定。こちらはPS3/Xbox 360/PC/Mac用ソフトとして、北米で10月8日、欧州で10月11日に発売される予定だ。

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(参考サイト:ギアボックス・ソフトウェア公式サイト

(参考サイト:ギアボックス・ソフトウェア公式サイト

■バーチャル・シミュレータで敵勢力やミュータントと対決!? 戦闘に特化した『メトロ ラストライト』のDLC第2弾!!

 核戦争によって地上が壊滅したモスクワで、地下鉄の駅で暮らす生存者たちのサバイバルを描いたFPS『メトロ ラストライト』。本作の新たなストーリーなどを追加するDLCがリリースされているが、その第2弾となる“タワーパック”の配信が、海外で9月3日よりスタートする。

 “タワーパック”では、バーチャル・コンバット・シミュレーターによって戦闘訓練を行うという設定で、本編のストーリーとは切り離された独自の戦闘ミッションにチャレンジできるとのこと。ゲーム本編に登場するすべての敵キャラクターや、武器のすべてのバリエーションが、このDLCに登場するという。またオンライン・リーダーボードによって、チャレンジの成績を他のプレイヤーと競うことも可能だ。

 この“タワーパック”は、シーズンパスの購入者であれば無料で入手できる他、4.99ドル(約500円)で個別に販売される。ちなみに、このDLCも含めた本作のDLCは、日本での配信予定は現時点では未定となっている。

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(参考サイト:『メトロ ラストライト』アメリカ公式サイト

■稲船敬二氏の新作は人型ロボットが活躍する横スクロールアクション! 『マイティNo.9』の開発資金を募集中

 『SOUL SACRIFICE』などの作品で知られる日本のゲームクリエイター・稲船敬二氏が代表を務める株式会社comceptは、クラウドファンディングサイト“Kickstarter”で、完全新作の横スクロールアクション『マイティNo.9』の資金募集を開始した。

 本作は、戦闘用ロボット“マイティナンバーズ”の末っ子ロボット“ベック”が、暴走したロボットや兄弟機と対決するアクションゲームだ。プレイヤーは6種類のステージを好きな順番で攻略できる他、倒した敵から奪った能力で変形し、新たなパワーを使用できるという。……と、どこかで聞き覚えのある内容だが、それもそのはず。制作スタッフには、稲船氏や開発会社のインティ・クリエイツをはじめ、かつて『ロックマン』シリーズを手がけたスタッフがズラリと顔をそろえている!

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 9月1日に資金募集を開始したこのプロジェクトは、初期目標の90万ドル(約9,000万円)に対して、1日で84万ドル以上が集まっており、目標達成は時間の問題だ。本作はPC用ゲームとして制作されるが、250万ドル(2億5000万円)以上資金が集まった場合はPS3/Xbox 360/Wii Uでも制作される予定とのこと。今後1カ月間でどこまで開発資金が集まるのか、要注目だ。

(参考サイト:Kickstarter『マイティNo.9』

(参考サイト:『マイティNo.9』日本語紹介ページ

■アメリカ陸軍公認のFPSからゲーム開発のSLGまで、この1週間にSteamで配信開始されたゲームをピックアップ!

 ここでは、この1週間にSteamで配信開始されたゲームの中から、注目作の4本をピックアップしてご紹介しよう。まずはミリタリーFPS『アメリカズ・アーミー:プルービング・グラウンド』だ。『アメリカズ・アーミー』といえば、アメリカ陸軍がプロモーションとして制作していることでおなじみのFPS。本作でも本格的なオンライン対戦が、費用は米軍持ち(?)の無料でプレイできる。

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 続いては、他機種からSteamに移植されたタイトルを2つご紹介。『シド・マイヤーズ エースパトロール』は、以前にこのコーナーでもご紹介したことのある、iOS用の複葉機空戦SLGだ。SLGの神様シド・マイヤー氏ならではのターン制バトルが楽しめる。一方、『ピクセルジャンク モンスターズ アルティメット』は、PS3やPSPのダウンロード配信でおなじみのタワーディフェンス型ゲーム。ランダム生成マップなどボリュームたっぷりの内容となっている。

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 最後は『ゲーム・デベロッパー・タイクーン』という、その名もズバリのゲーム開発会社SLGだ。1980年代から現在までのゲームの歴史を再現しているとのことで、最初は自宅でのゲーム開発から始まり、成功するにつれてだんだんと会社が大きくなっていくという。
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(参考サイト:Steam『アメリカズ・アーミー:プルービング・グラウンド』

(参考サイト:Steam『シド・マイヤーズ エースパトロール』

(参考サイト:Steam『ピクセルジャンク モンスターズ アルティメット』

(参考サイト:Steam『ゲーム・デベロッパー・タイクーン』

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