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2013年9月6日(金)

『龍が如く』の横山昌義プロデューサーがキャラクター総選挙について語る! 意外なランクだったキャラクターとは!?

文:電撃オンライン

 セガは、同社の人気シリーズ『龍が如く』のキャラクター人気投票企画“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”を実施。この企画について、横山昌義プロデューサーにインタビューを行ったので、掲載する。

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”

 “『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”は、歴代『龍が如く』ナンバリングシリーズに登場したキャラクター総勢100名に投票するユーザー参加企画。先日、新宿駅東口前にあるアルタビジョンにおいて行われた結果発表では、上位10位までの結果が映像で発表され、集まったファンを楽しませた。またサプライズ発表として、開発中の新作『龍が如く 維新!』がお披露目された。

 発売中の『電撃PlayStation Vol.549』(アスキー・メディアワークス刊)では、『龍が如く 維新!』について横山プロデューサーにお聞きしている。今回の記事では、誌面に載りきらなかった、“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”で上位を獲得したキャラクターについての思い出やベストシーンについて、たっぷりお届けする。

 また後日、『龍が如く 維新!』についての独自インタビューが電撃オンラインに掲載されるのでこちらも楽しみにしておいてほしい。

■予想通りの結果と予想外の人気

――今回、総選挙を企画した意図をお聞かせください。

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”

 まず『龍が如く 維新!』の制作初期段階においてを、『龍が如く』シリーズを愛する方にとっての最高の一本とするために何ができるのか? それを考えていました。その1つの答えが“過去作(ナンバリングシリーズ)のオールスターキャスト”で作ろうというものでした。長年我々が考えていた『龍が如く』を構成する上でもっとも重要な成分は、1つが“物語”であり、1つが“歓楽街”であり、もう1つが“世界観”だったんです。キャラクターというのは物語や世界観を支えるうえで非常に重要なファクターではありましたが、最重要要素ではなかったんですね。

 その1つの証明が、劇中のキャラクターの“名前”にあります。これは『龍1』制作時から私が心がけていることなのですが、たとえ主要キャラクターであっても、田中や鈴木など、なるべく日本人がリアリティを感じられる名前を多く取りいれ、無理に目立つネーミングでキャラを立たせるようなことはしないようにしてます。私自身、キャラクターというものはあくまで物語や世界観を彩るための一要素に過ぎないと捉えていたわけです。

 ですが『龍が如く4』あたりから、新規の主人公の増加にも挑み、手応えを得て、徐々にですがキャラクターというものが“シリーズの顔”ともいえる看板になり得たのではないかと考えるようになりました。秋山や冴島といった新たなキャラクターの登場により、物語や世界観の“見え方”に変化が生じ、結果作品の世界観や魅力自体を引き上げることにつながった。だからシリーズを継続させられることができたのではないかと。

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”

 そういった考えから、『龍が如く 維新!』では作品の中核として過去作からのキャスティングを検討したわけです。ですが、同時に我々開発側が考える人気キャラクターが、はたして本当にファンからの支持を得られているのだろうかという疑問もありました。その問いの答え合わせをしたかったというのが、企画意図の一つです。もちろん投票の結果は、制作のスケジュール的に許せる範囲内で、最大限に反映させていくつもりです。

――人気投票にノミネートされたキャラクター数も100人と圧巻でした。

 最初は50人でいいのではないかと思っていましたが、その人数だと全然カバーしきれないということがキャラクター選出の時点で明らかになりました(笑)。最終的に100人には絞ったものの、それだとシリーズの本編だけで見ても、1作品につき20人しか選べませんから。本当は150人ぐらいから選んでもらいたかったというのが本音です。

――結果はいかがでしたか?

 真島や桐生が上位に来るだろうなというのは予測していましたが、『龍5』にしか出ていない渡瀬がトップ10に入ったのが開発側としては最大のサプライズでした。あと、僕と名越(名越稔洋総合監督)が1位になるんじゃないかとまで思っていた郷田龍司が9位という結果だったのにもビックリしましたね。実は郷田龍司のファンには熱い方が多いのか「もっと出してくれ」という声をいただくことが多いんですよ。でも、今回の結果にはいい手応えを感じています。

――9位という結果なのに、いい手応えだったというのはどうしてですか?

 ランキングの上位にいまだに『龍1』のキャラが多数入っていたら、シリーズの人気が衰えているということだと思うんです。「初期の作品がよかった」と言われているようなものですからね。『龍5』まで全シリーズのキャラがまんべんなくランクインしたというのは、そういう意味でいいことなんだと思っています。例えば『龍3』のキーマンだった峯なんかは、10位に入っていますよね。1作品にしか登場していなくても、強烈なインパクトを残したキャラはファンの心のなかにしっかりと思い出として残っているということも分かってうれしかったです。

――10位位内にシリーズ通してのヒロインである澤村遥がランクインしなかったのが意外ですね。

 遥も人気はありましたよ、11位に入っていますし。今回のトップ10も4位ぐらいまでは得票数に差がありますが、その下はほとんど僅差です。今回の総選挙は、毎日5票投票できるシステムだったうえ、途中で何回か中間発表をさせていただいたのですが、それがなかったら結果は大きく変わったと思います。

 ファンの方々は、自分が応援しているキャラが中間発表で上位に入っているのを見ると、安心してしまうのか他の応援キャラの投票に回ってしまう傾向があったようです。中間発表ごとに順位を確認して、応援キャラの順位が下がっているのを確認すると、また投票をするというサイクルが出来上がっていたのが興味深かったですね。

 今回の総選挙では1回の投票で“誰が一番”人気なのかを決めたかったわけではなく、根強く応援されているのは誰なのかというのを知りたかったので、あえて毎日投票できるようにしたぶん、少し意外な結果になったのかもしれません。

――ある意味では桐生と対極の立ち位置にいた真島ですが、ここまでの人気は予想できていましたか?

“『龍が如く』シリーズキャラクター総選挙”

 いいえ(笑)。最終的に1位は取るかもと思っていましたが、票数的には完全に想定外の結果ですね。ただ、そうであってほしいと思っていたので、喜ばしい結果と言えます。なぜかというと、この結果こそが作品自体のキャラクターポテンシャルの高さの証明だと考えていたからです。

 例えば過去にある名作と呼ばれるマンガのキャラ人気投票をみても、連載当初は主人公が1位になることはあっても、連載が進み人気が増すに連れ、主人公が1位をとるのを私自身ほとんど見たことがなかったんです。つまり作品の人気というものが長期的かつ右肩上がりに成長すると、この傾向が強くなるのではないかと。

 今回は、作品において“一人称”、ニュートラルな立ち位置にある桐生一馬が、結局は2位にランクインしました。でもそれは『龍が如く』シリーズが長期的にファンの方に愛されていることの証明でもあると誇りに思っています。もし今回の総選挙を『龍3』ぐらいのタイミングでやっていたら、桐生が1位に選ばれていたような気がします。

次のページでキャラクターについてトーク!

(C)SEGA

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データ

▼『電撃PlayStation Vol.549』
■発行:アスキー・メディアワークス
■発売日:2013年8月29日
■特別定価:690円(税込)
 
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Amazon.co.jp
▼『龍が如く 維新!』
■メーカー:セガ
■対応機種:未定
■ジャンル:A・ADV
■発売日:未定
■希望小売価格:未定

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