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2013年9月12日(木)

元ケイブの浅田プロデューサーがマイクロソフトではなく、MAGES.に入社した理由とは――本人に直接聞いてみた

文:megane

 ケイブで執行役員までを務め、数多くあるSTGをXbox 360で出し続けていた名物プロデューサー浅田 誠さんがMAGES.に入社。そのニュースは9月上旬に公開され、大きな話題となった。

浅田誠プロデューサー
▲MAGES.の看板の前に立つ浅田さん(写真はニュースリリースの時のもの)。

 浅田プロデューサーといえば、日本マイクロソフト(以下、マイクロソフト)にモノ言うプロデューサーとして、マイクロソフトとは仲よく、そして時にはガチで喧嘩をする関係。ネットではケイブを辞めたらマイクロソフトに行くのでは、といったような噂も流れていたほどだ。

 そんな浅田プロデューサーがMAGES.を選んだ理由は? やはりMAGES.に行ってもXbox関連のタイトルを作るのか? 色々と気になる部分を聞いてみた。

■ケイブを辞めると正式に会社に伝えたのは去年の8月

――まずはMAGES.に入社することになったいきさつから教えてください。

浅田誠プロデューサー

 自分は6月いっぱいでケイブを退社して、7月1日からMAGES.に入社したわけなんですが、実際は2012年の5月くらいにはケイブを辞めることはほぼ決めていたんです。当時、ケイブはスマートフォン向けのゲームに力を入れる方針になっていました。自分も会社としては悪くないと思っていましたし、経営側としては当然の判断だったでしょう。

 とはいえ、自分は家庭用ゲームをこれまでやってきたということもありますし、そういったソーシャルゲームなどで自分を活かせる部分があるかな、と思った時に「移籍するか」と考えたわけです。

 当時、会社(ケイブ)には辞めるかどうかという話をしていたのですが、仕事としては『虫姫さま』の作業が終わって『怒首領蜂 最大往生』を出せるかどうかという状況だったんですね。日本マイクロソフトの人と話をしている中で「『最大往生』をやりましょう」ということになり、その作業がスタートしたあたりで会社には正式に辞めるという話をしに行きました。

――もともと、『虫姫さま』のあたりから、ケイブからXbox 360のソフトを出すのはこれで最後、といったような話もありましたね。

 あの時は本当に最後だと思っていましたね。『最大往生』の開発もドタバタで決まりましたから。ただ、辞めるということが決まった後でも転職的なことはあんまり考えてなかったんです。退職予定の期日がまだ先だったこともありますし、とはいえ、何社からお話をいただくこともあったので、どうしようかなぁ~?って考えてた程度でしたね。

 ソーシャルゲームの会社さんや全然別の業界からお誘いを受けることがあったのは意外でしたね。どちらかというとまとめ役みたいなポジションでした。

 ケイブ時代は結果的にXbox 360でのゲームを出すことがほとんどでしたが、それによってXbox 360のゲームを作られている会社さんからお声がかかることも多かったですね。

 そんな中、志倉さん(MAGES.代表取締役の志倉千代丸さん)と一緒にご飯を食べに行ったり、イベントを見せてもらったり。その頃はMAGES.に入ることは考えていなかったのですが、去年の忘年会にお呼ばれして、そこで色々とお話をさせていただいて、入社させてもらおうかなと少し考え始めたくらいですね。

――実際に入社する半年前くらいまでにはもう決めていたというわけですね。

 そうですね。ただ、その頃はケイブとして『最大往生』を完成させるという仕事が残っていましたし、3月~4月くらいまでは制作に注力していたような状況でした。正式に「お世話になります」と言いに行ったのは5月くらいですね。

■MAGES.入社の決め手はやはり社長の志倉さん

――MAGES.に入社しようと思った決め手はどこだったんでしょうか?

 やはり志倉さんですね。ちょっと頭のネジがぶっ飛んでいるような人なんですが、芯は硬くて太いものを持っている人なんで、この人とならおもしろいことができそうだな、と思ったんです。

 去年の夏にMAGES.が主催しているアニサマ(アニメロサマーライブ)にお呼ばれして、見に行きました。ライブのラストになったら当然お客さんは帰り始めるじゃないですか。でも、最後のカーテンコールをやっている最中に、志倉さんが1人で会場を見ていて、「この時間に帰られちゃうのか。最後まで見てもらうようにどう改善したらいいのか」みたいなことを言っていたのがすごい印象的で……。

 そのライブは27,000人の超満員で、集客的には大成功をおさめたと言える結果なわけですよ。でも、そういうことに浮かれることもなく、何がよかったのか悪かったのかといったような反省点を自分の中で整理している姿を見て、「あっ、この社長格好いいな」と思ったんです。そこから好感度が上がっていきましたね。普段はおちゃらけている感じに見えるんですけど、芯は熱いなと。

→MAGES.に来てどこのハードに向けたタイトルを作る?(2ページ目へ)

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