2013年9月14日(土)
『モンスターハンター4』辻本P・藤岡Dインタビュー。モンスター、オトモアイルー、発掘装備、ギルドクエストなど痒いところに迫る!
ついに発売された3DS用ソフト『モンスターハンター4』。本記事は前回のインタビューからの続きとなりますが、発売後に掲載ということで、少しばかり攻略的なことも聞いてみました。モンスター、オトモアイルー、護石、発掘装備、ギルドクエストなど、気になる各要素のお話を早速どうぞ!
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▲インタビューを行ったのは発売前のとあるタイミング。辻本プロデューサー(左)と藤岡ディレクター(右)が笑顔の1枚! |
■プレイヤーにとって壁になるであろうモンスターとは?
――新モンスターについてうかがいたいと思います。特徴的なモンスターをピックアップしていただき、生み出された経緯を教えてください。また、クエストの設計上で壁になりそうなものについても教えていただければ。
藤岡:厳密には壁ではありませんが、高低差について教えてくれるというか、チュートリアル的にプレイヤーを高低差に誘導するモンスターがケチャワチャです。このモンスターは段差の多いエリアを転々とするので、ジャンプ攻撃が狙えるなど、高低差の地形でどんなことができるのか、起きるのかを体験できます。これにより、高低差の地形に慣れてくると思うので、ケチャワチャはそういう役割かなと思っています。
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▲ケチャワチャの裏の役割は、プレイヤーが高低差の地形に慣れるための存在。ケチャワチャとの対峙により、『MH4』らしい立ち回りを自然と練習することができる。 |
藤岡:ケチャワチャを過ぎると、そろそろ自分の中で装備が固まってくる頃となります。そんなタイミングで出てくるのがテツカブラで、こいつはパワー勝負を仕掛けてくる。自分の装備も強くなっているけど、パワー勝負を仕掛けてくるという点で壁になるんじゃないかなと。
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▲ケチャワチャがチュートリアル的であると考えると、初めて壁になるのはこのテツカブラ。パワー勝負のガチンコ対決になる? |
藤岡:テツカブラ後は、メインモンスターのゴア・マガラなど、いろいろなモンスターが出てきますが、ゴア・マガラを除くと、ザボアザギルとガララアジャラが両極端な個性を持っているので壁になると思います。テツカブラのあとというのは、装備がさらに強くなって地形にも慣れてきた頃となり、このザボアザギルとガララアジャラが出てきます。特殊な攻撃を仕掛けてくるこの2体に対して、どう立ち向かうかが1つの壁かと。
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▲化け鮫と呼ばれるザボアザギル。身体に鎧のような氷をまとう、氷の下からでも襲いかかってくる、身体を膨張させて踏み潰す、特殊な体液を吐きつけて足止めするなど、数々の特殊な行動をとるモンスターだ。 |
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▲こちらはガララアジャラ。鳴甲(めいこう)と呼ばれる甲殻を飛ばし、自らが発する音と共振させ、その音波で獲物の動きを止める。また、長い体で囲い込んだり、牙から神経毒の注入を行ったりもするようだ。 |
藤岡:メインモンスターのゴア・マガラは、当然存在感が大きく、初めて状態異常の狂竜ウイルスを仕掛けてくるモンスターとなります。狂竜ウイルスを覚えてもらうのは、ゴア・マガラが最初になりますね。
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▲状態異常の一種である狂竜ウイルスを撒き散らす、強力なゴア・マガラは大きな壁。さすがはメインモンスターだ。 |
藤岡:その他の特徴的なモンスターとしては、ゲネル・セルタスとアルセルタスが挙げられます。ゲネル・セルタスをデザインした時、合体する虫みたいなネタがありまして、土台となるメスがフェロモンでオスをおびき寄せたのち、フェロモンを注入して言いなりにしたうえで自分の頭に乗せるというのが、生態としてもおもしろいかと。メスは腹が減ってくるとオスを食べてしまいます。プシューってやられたら、次のオスが来るといった、虫っぽい生態を持つモンスターを作りたいと思い、こういう行動を入れました。
土台となるメスのゲネル・セルタスは重量級で、風変わりなモンスターです。一方のオスのアルセルタスは序盤に出てくる中型のモンスターでして、終盤にゲネル・セルタスが出てきた時に、序盤とは違う行動をとります。実は、形状こそ合体しているものの、上側に位置するアルセルタスと下側の土台に位置するゲネル・セルタスは、それぞれ個別にハンターをサーチしています。土台のゲネル・セルタスはこっちを向いているのに、上側のアルセルタスはまったく違う方向を向いていて、別のハンターを狙って液体を飛ばしているなど、そういったことが起きます。
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▲ゲネル・セルタスは重甲虫の異名を持つ甲虫種の大型モンスター。重戦車のごとく強力な攻撃を繰り出すようだ。アルセルタスと合体することで、飛行能力を有するようになる。 |
――過去シリーズに登場し、『MH4』で久しぶりに再登場となるモンスターが多数いるようですが、そうしたモンスターの中で『MH4』ならではの特徴的なアクションを持つものを教えてください。
藤岡:ゲリョスの毒液は、傾斜に着弾すると流れ落ちてきます。傾斜の下にポジションをとっていたら毒液が流れて迫ってきた……なんてこともあるので、シリーズ経験者の方は驚かれるんじゃないでしょうか。あと、壁を走り上がったりするのもおもしろいところだと思います。
フルフルは、壁に対するプレイヤーのアプローチが変わった『MH4』において、天井にいても周囲に壁があれば普通に追いかけていけます。壁を登っているプレイヤーに首を伸ばして攻撃してくることもありますが、これは壁に貼り付いていても回避できるので、避けながら近づいていって攻撃すれば、地面に落とすことができます。
クシャルダオラやテオ・テスカトルはパワーアップしていますよ。プレイヤー側にジャンプ攻撃という選択肢が増えた分、古龍としての存在感が増した印象なので、だいぶ暴力的になっているかな(笑)。
グラビモスやバサルモスは、相変わらずの硬さをどう克服するかがカギとなります。いろいろな攻略ポイントがあり、抜け道的なものもあったりするので、試行錯誤して立ち回れば、意外な方法で部位破壊が狙っていけたりしておもしろいと思います。
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▲壁にいるハンターを攻撃するゲリョス。壁に対するアプローチがおもしろそうなモンスターだ。 | ▲フルフルの壁攻撃を避けるハンター。天井に貼り付いているところを壁から攻撃して、ボトっと落としたい! |
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▲中空ブレスを吐くクシャルダオラ。飛行状態からの攻撃と風圧がやっかいな予感がひしひしと。 | ▲古龍として、さらに強力になったというテオ・テスカトル。粉塵爆破を警戒する日々がやってくるはず。 |
――『MH4』のお気に入りのモンスターと、苦手なモンスターを教えていただけますか?
藤岡:ゴア・マガラは長く作り込んだこともありますが、独特でおもしろいモンスターになったと思います。基本的にシンプルなモンスターが好きなので、テツカブラとかは好みですね。かっこいいしパワーキャラなので。
辻本:僕はザボアザギルが好きです。変なことばっかりしてくるので。実際に対峙してみて、いろいろ驚いてくださいって感じです。
藤岡:あと、僕はランスだからかな……ガララアジャラが結構苦手なんですよ。
辻本:僕もガララアジャラは苦手かも。ハンマーだから頭を狙いに行くんですが、なかなか当たらなくて……。ガララアジャラは結構鬼門ですね。
■メリットとデメリットが共存する狂竜ウイルス
――新しい状態異常として狂竜ウイルスがあります。これが搭載されたことで、立ち回りにどのような影響があるかお聞かせください。
藤岡:狂竜ウイルスは、基本的にゴア・マガラが使ってくる状態異常です。ゴア・マガラは目が見えず、鱗粉を撒き散らしながら移動します。ゴア・マガラは鱗粉によって感知能力をどんどん高めていくんですが、プレイヤーがそれを食らうと、狂竜ウイルスの感染が始まり、感染し切ってしまうと狂竜症の状態異常が発生して自然回復ができなくなってしまいます。その結果、ダメージが蓄積しやすくなり、力尽きやすくなってしまいます。
ただし、感染しきる前に狂竜ウイルスを克服できれば、プレイヤー側が狂撃化という状態になってパワーアップし、会心率が上がります。そこが『MH4』で初登場となる狂竜ウイルスのポイントです。今までの状態異常は、基本的に食らったら回復するというのがセオリーでしたが、狂竜ウイルスの場合、食らってしまったらむしろ攻めないといけない。そして、攻め切ることができたら、自分にメリットとして跳ね返ってくる。メリットとデメリットというか、ゲーム性における新たな駆け引きが発生しているので、立ち回りのおもしろいスパイスになるんじゃないでしょうか。
――回復するのではなく、あえて攻めざるを得ない状態異常というのは、シリーズを通じて初めてですよね。
藤岡:ええ。狂竜症が発症してしまうと回復する手段がないので、一定時間耐えるしかありません。ただ、感染しきる前であれば、ウチケシの実で進行を抑えることができるので、克服しきって狂撃化に持ち込むこともできます。状態異常は食らわないことが基本ですが、狂竜ウイルスに関しては、あえて食らって狂撃化を狙っていくという選択肢もとれます。うまく使えばおもしろいと思いますよ。
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データ
- ▼『モンスターハンター4』ダウンロード版
- ■メーカー:カプコン
- ■対応機種:3DS
- ■ジャンル:ACT
- ■配信日:2013年9月14日
- ■価格:5,990円(税込)